クレジットカードを便利に活用する
海外移住したらクレジットカードはそのまま使えない?必要な手続きや注意点を解説
公開日:2023年2月2日
海外移住の際は、慣れない国でのお金の管理や、クレジットカードにまつわる不安はつきものです。
この記事では、海外移住を控えている方に向けて、クレジットカードの管理方法や移住先でクレジットカードを利用する場合の注意点などを解説します。
海外移住に適したクレジットカードの選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 日本で使っているクレジットカードが海外移住先でも使えるか
- 海外移住先でクレジットカードを作るメリット
- 海外移住に適したクレジットカードの選び方
目次
日本で発行したクレジットカードはそのまま使える?
住民票を日本に残すかどうかで、日本で作成したクレジットカードが移住先でも利用できるかどうかが変わってきます。
【日本に住民票を残す場合:利用可能】
日本に住民票を残して移住するのであれば、今あるクレジットカードはそのまま利用できます。海外移住後も日本国内の自宅に家族が住み続ける場合や、住民票を日本国内にある実家などに移すケースです。
【住民票を除票して海外転出届を出す場合:利用できない場合がある】
住民票を除票して海外転出届を出す場合は、今あるクレジットカードが使えなくなる可能性があります。金融機関のなかには、銀行口座の利用を日本居住者に限定する規約を設けているところがあるため、日本国内に住所がなくなり銀行口座を解約することになると、それに紐付いているクレジットカードも解約が必要です。一方で、日本国籍であれば住民票が海外であっても引き続き口座を利用できる金融機関もあります。
日本のクレジットカードを持ったまま移住する場合の手続き
日本で作成したクレジットカードを持って海外移住する場合、クレジットカード情報に登録する住所は、実家などの家族がいる住所に変更しておきましょう。カード会社からのお知らせや新しいカードが届いた際は、家族に受け取りを依頼するとよいでしょう。
クレジットカードの有効期限が近づいているのであれば、カード裏面に記載のカード発行会社に連絡して、海外移住前に更新手続きが可能かどうか相談してみましょう。カード会社によっては更新手続きの前倒しが可能で、通常より早く新しいカードを受け取れる場合があります。更新を済ませておくことで、海外移住先に新しいクレジットカードを持っていくことができます。
日本のクレジットカードを解約せずに持っておくと、移住後に一時帰国した際に使えたり、移住先から旅行へ行く際にも使えたりするので便利です。
日本のクレジットカードを解約しておいたほうがよいケース
年会費がかかるクレジットカードや「年間利用金額◯円以上で年会費が無料」など年会費無料に条件があるクレジットカードは、所有しているだけで費用がかかってしまいます。そのため、移住前に解約手続きを済ませましょう。
年会費がかからないカードの場合は、所有しているだけでは費用がかからないので、無理に解約する必要はありません。一時帰国をした際にクレジットカードで買い物をする機会があるかなどを踏まえたうえで、解約するかどうかを慎重に検討しましょう。
海外移住するときにクレジットカードで気を付けたいこと
ここでは、海外移住する際にクレジットカードについて注意したい点を解説します。
更新カードは海外移住先に届かないことがある
カード会社によっては、更新後のカードを登録住所以外に届けられないケースがあります。この場合、カードの更新が行われても、新しいカードを海外赴任先で受け取ることができません。
事前に連絡することで、海外赴任先に新しいカードを送付してくれる会社もあるので、移住前に確認しておきましょう。移住先で受け取れる場合でも新しい住所を伝える必要があるので、対応の可否に関わらず連絡が必要です。
日本にいる間は移住先のクレジットカードが作れない可能性が高い
移住前にクレジットカードを作成する場合は、申し込み時に移住先の住所や就労ビザなどの申告が必要になることが多いため、日本にいながら現地のカードを作っておくのは難しいでしょう。
海外の移住先でクレジットカードが発行できるとは限らない
移住先でクレジットカードの申し込みをする際は、日本にいるときと同様に、審査に通過する必要があります。日本でクレジットカードを作成する際の審査条件とは異なり、就業形態(正社員か自営業か)によっても左右します。
正規の就労ビザがないと、クレジットカードだけではなく、銀行口座を作ることも難しい可能性があるので覚えておくとよいでしょう。
海外の移住先でクレジットカードを作るメリット
海外移住先でクレジットカードを作るには審査に通過する必要がありますが、メリットもあります。
手数料がかからない
日本で発行したクレジットカードを海外で利用すると、カード会社ごとに定められた手数料が発生する一方で、海外の移住先で発行したクレジットカードであれば手数料はかかりません。
たとえばJCBの場合、JCBが海外加盟店などに利用代金の支払処理を行った日を換算日とし、換算日の基準レートに1.6%を加えた換算レートで日本円に換算します。つまり、買い物のたびに1.6%上乗せされるということです。
短期間の旅行ではなく移住して長期間滞在するのであれば、海外でクレジットカードを作るほうが手数料の負担を軽減できます。
現地の通貨で支出を管理しやすい
移住先で働いて現地の通貨を受け取る場合、給与振込用の銀行口座を作成することになります。クレジットカードを利用するのであれば、移住先で作成した銀行口座とカードを紐付けするほうが、収入と支出の管理がしやすくなるでしょう。
海外移住前に日本でクレジットカードを作るメリット
前章で解説したように、海外移住先でクレジットカードを作成できればメリットは大きいです。しかし、海外移住後はクレジットカードの新規作成が難しくなる可能性もゼロではありません。
心配であれば、あらかじめ日本でクレジットカードを作っておきましょう。あらかじめクレジットカードを作っておくメリットは次の通りです。
移住先へ下見・準備へ行く際に海外旅行傷害保険が利用できる
海外移住を検討している方は、実際に移住する前に、下見や手続きなどで移住するエリアに行く機会があるでしょう。海外旅行傷害保険が付帯したクレジットカードがあれば、海外での思わぬトラブルに備えられます。移住前にクレジットカードを作成するのであれば、海外旅行傷害保険が付帯しているものを検討してみましょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険とは。補償内容・適用条件・使い方を解説
移住先でクレジットカードが作れなかった場合のリスクを軽減できる
日本でクレジットカードを発行しておけば、移住先でクレジットカードが発行できなかったとしても、クレジットカード払いが可能です。
海外移住後に日本のカード会社が発行するクレジットカードを申し込もうとすると、本人確認が複雑になりクレジットカードを作れないことがあります。移住後に日本のクレジットカードを発行できるか心配であれば、事前にクレジットカードを発行しておくことをおすすめします。
海外移住のために作るクレジットカードの選び方
渡航直前は準備や手続きなどで忙しくなるため、クレジットカードを発行しておきたい場合は、できるだけ早めにカード選びや申し込みを行っておくことが大切です。ここでは、海外移住のために作るクレジットカードの選び方を解説します。
国や地域ごとに使い勝手がよい国際ブランドを選ぶ
国際ブランドとは、JCBやVisa、Mastercardなどクレジットカードの支払いシステムを持つブランドを指します。事前に日本でクレジットカードを作成しておくのであれば、海外でも使い勝手がよい国際ブランドを選ぶとよいでしょう。多くの国や地域で利用できるVisaやMastercard、ハワイ・グアム・中国・台湾・韓国などで使えるJCBなどがおすすめです。JCBは海外で利用できる店舗が増えています。
移住先が決まったら、その国や地域でどの国際ブランドがよく使われているかリサーチしておきましょう。
クレジットカードの国際ブランドの特徴や種類とは|5大ブランドの違い
メインカードとは異なる種類のカードを選ぶ
持っているクレジットカードが1枚しかない場合は、紛失、盗難、カードの不具合などに備えて、2枚目や3枚目を作っておくとこともひとつです。普段の買い物には利用せず、万が一のために備えておきたいときは、年会費が無料でコストがかからないクレジットカードがおすすめです。
よくある質問
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海外に移住すると今持っているクレジットカードは使えなくなりますか?
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住民票を日本に残すか、海外に変更するかにより異なります。海外移住先でも利用したいのであれば、住所を実家などに設定して、有効期限が近ければ早めに更新手続きをするなどの対応をしておきましょう。
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更新で新しいカードを海外の移住先に送ってもらうことはできますか?
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新しいカードを海外移住先に届けられるかどうかは、カード会社により異なります。届けてもらえる場合でも、事前に連絡して移住先の住所を伝える必要があります。カード裏面に記載されているカード発行会社に電話して、確認してみましょう。
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海外に移住するときは、日本の銀行口座を解約する必要はありますか?
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金融機関によっては、住所が日本でなければ銀行口座利用ができなくなり、解約が必要になります。この場合、日本の銀行口座を解約すると口座に紐付いているクレジットカードが自動的に使えなくなるため注意が必要です。ただし、移住先での就労状況などによっても口座を解約すべきかどうかが異なります。詳しくは利用している銀行に確認してみましょう。
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- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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