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純利益の意味。計算方法や営業利益・経常利益との違いとは

公開日:2025年8月29日

純利益の意味。計算方法や営業利益・経常利益との違いとは

純利益は、企業が最終的に確保した利益を示す指標であり、財務状況や成長性など、さまざまな情報が読み取れます。純利益と似ている言葉に「営業利益」や「経常利益」があり、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、純利益の意味や計算方法、営業利益・経常利益との違いを解説します。また、純利益を改善するための方法も紹介するので、財務分析や自社の経営安定のためにお役立てください。

この記事でわかること

  • 純利益の計算方法
  • 純利益からわかる情報
  • 純利益を向上させる方法

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純利益とは

純利益とは、企業が事業活動で得た利益から、法人税などの税金を差し引いた最終的な利益です。「税引後利益」や「当期純利益」と呼ばれることもあります。
純利益は、企業の将来的な事業拡大や設備投資、株主への配当などに使われます。そのため、純利益は企業の収益力や財務の健全性、成長の可能性などを示す指標になります。
たとえば、銀行が融資を検討する際、財務状況や返済能力を確認するための参考にしたり、投資家が企業価値を見極める際の判断材料にしたりなど、さまざまな場面で注目されます。

純利益の計算方法

純利益は、「純利益=経常利益+特別利益‐特別損失‐税金」の計算方法で求めることができます。

純利益の計算方法「経常利益+特別利益‐特別損失‐税金」

まずは、経営活動による利益(経常利益)を出し、そこに不動産売却益や保険金収入などの臨時かつ一時的な利益(特別利益)を加えます。
次に、事業撤退や自然災害などで発生した一時的な損失(特別損失)を差し引きます。さらに、法人税などの税金を差し引いた金額が純利益です。経常利益については、次の章で詳しく説明します。

純利益と似た言葉の意味

純利益に似た言葉として「粗利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」などがあります。

利益の種類

これらは純利益を算出する際や財務状況を正しく分析するために必要となるので、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

粗利益(売上総利益)

粗利益(売上総利益)とは

粗利益とは、売上高から仕入れ費用などの売上原価を差し引いた利益を指します。粗利(あらり)と略して呼ばれることもあります。粗利益の計算方法は、次の通りです。
粗利益=売上高‐売上原価
粗利益は商品やサービスなどの販売活動による直接的な収益を示すもので、人件費や広告費、税金などの経費は含まれていません。売り上げに対して、どれくらいの利益を確保できているかが確認できます。
主に、商品やサービスの価格設定をする際や、仕入れ・生産のコストを見直す際、経営戦略を検討する際などに注目される指標です。

営業利益

営業利益とは

営業利益とは、その企業の中心となる事業で得た利益を指します。計算方法は、次の通りです。
営業利益=粗利益‐販売費および一般管理費(販管費)
販売費は、商品を販売するための必要経費を指し、主に人件費や広告費、販売手数料、運送費などが挙げられます。一般管理費は、役員報酬や家賃、水道光熱費などです。
営業利益は、広告費や人件費、光熱費などが反映されるため、企業の運営効率を確認する指標になります。たとえば、売り上げが伸びていても営業利益が低い場合は、広告費や人件費を見直す必要があるかもしれません。
また、営業利益が高い場合は、企業の本業が順調であることを示しています。

経常利益

経常利益とは

経常利益とは、その企業での中心となる事業に加え、本業以外の事業で得た利益(営業外収益)を含めたものを指します。たとえば、飲食業を営む企業が所有する不動産から家賃収入を得ている場合などが該当します。
経常利益の計算方法は、次の通りです。
経常利益=営業利益+営業外収益‐営業外費用
営業外収益には、家賃収入のほか、預金の利息、株式の配当金などが挙げられます。営業外費用は、支払利息や債券の利払いなどの費用を指します。
経常利益には、自然災害による損失や、保有する不動産を売却して得た収入など、一時的な損益は含まれていません。そのため、日常的な経営活動による利益を示す指標として、企業の安定性や継続的な収益力を把握する際に役立ちます。

税引前当期純利益

税引前当期純利益とは

税引前当期純利益とは、本業とそれ以外の事業の損益を含めた利益を指します。1年間で得たすべての収益から、法人税などの税金を支払う前の利益です。税引前当期純利益の計算方法は、次の通りです。
税引前当期純利益=経常利益+(特別利益‐特別損失)
特別利益・損失とは、本業以外で一時的に発生した利益や損失を指します。具体的には、固定資産売却益、有価証券売却益、災害による損失などが挙げられます。

特別利益・損失は経常的に発生するものではないため、多くの場合、税引前当期純利益と経常利益の金額に大きな差は生じません。しかし、多額の特別利益・損失が発生した年には、大きな差が生じることがあります。

純利益は「当期純利益」とも呼ばれ、企業活動で得た最終的な利益を指します。企業に関する利益には売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益などもあり、似たような言葉でも意味がまったく異なります。純利益は最終的に手元に残る現金であり、配当金の原資となるため投資家や経営者の方にとって重要な指標です。

監修者 高柳 政道
CFP認定者・一級ファイナンシャル・プランニング技能士
高柳 政道

純利益からわかる情報

純利益から得られる情報は、次の通りです。

  • 経営状況が黒字か赤字か
  • 利益率が高い経営をしているか
  • 前年との比較で成長性はどうか
  • 資金繰りに余裕があるか

純利益は社内外を問わず、さまざまな関係者にとって重要な情報です。純利益からわかる情報を、具体的に紹介します。

経営状況が黒字か赤字か

純利益がプラスの場合は黒字、マイナスの場合は赤字と判断されます。純利益がプラスの場合は、収益が費用を上回っており、事業が好調であることを示しています。
純利益がマイナスの場合は、要因として売り上げの減少やコストの増加が考えられます。改善に向けて、費用や営業体制の見直しが必要になることもあります。状況によっては、経営コンサルタントなどの専門家に相談するのも選択肢のひとつです。
ただし、設立直後の法人では、広告費や設備費などの先行投資をした結果、純利益がマイナスになる場合があります。
このような場合、純利益がマイナスであっても、倒産に直結するわけではありません。原因を特定して改善策を講じることが重要です。

利益率が高い経営をしているか

純利益からは、企業の利益率も確認できます。利益率とは、企業の収益性を示す指標で、次の計算方法で算出します。
純利益率(%)=純利益÷売上高×100
純利益率が高い状態は、売り上げに対して効率的に利益を出していると評価されます。ただし、純利益率の基準は、業種や職種、企業の規模などによってさまざまです。同じ業種や規模の他社と比較すると、業界内の平均がわかり、自社の収益性をより的確に分析できます。

前年との比較で成長性はどうか

前年と今年の純利益を比較することで、企業の成長性を確認することができます。純利益が増加していれば、事業が順調に成長しているといえるでしょう。
また、経年推移を確認することで、安定した成長が続いているかも把握できます。純利益が毎年増加している企業は、経営が安定していると判断できます。
決算報告書やニュースなどでは、「純利益が前年比〇%増(または〇%減)」といった形で表示されることがあります。

資金繰りに余裕があるか

純利益が毎年黒字の企業は、内部留保が増えやすくなります。内部留保が増えると、資金繰りが安定し、設備投資や新規事業にも資金を回しやすくなるのがメリットです。
また、金融機関から融資を受ける場合は、内部留保が少ない場合と比較して融資を受けやすくなる可能性もあります。ただし、純利益は一時的な要因で変動するため、融資審査においては純利益よりも継続的な利益である営業利益や経常利益が重視される場合があります。

純利益を改善・向上させる方法

純利益を改善・向上させるためには、次のような取り組みが効果的です。

  • 売上を増やす
  • 利益率の高い商品・サービスに注力する
  • 経費を見直す
  • 損益分岐点を分析する
  • 業務の効率化を行う
  • キャッシュフローを把握する

これらを実践することで資金繰りを改善しやすくなり、経営の安定や将来的な事業拡大などにつながります。どの施策が自社にとって有効かを見極めながら、少しずつ取り入れていきましょう。

売上を増やす

純利益を伸ばすには、売上の増加が欠かせません。商品やサービスの販売数を増やしたり、単価を上げたりすることで、売上全体を底上げできます。たとえば、次のような方法があります。

  • SNSなどを活用してリピートを増やす
  • 広告を活用して新規顧客を増やす
  • 商品やサービスの単価を上げる
  • 既存顧客の離脱を防止する

特に、商品やサービスの単価を上げる場合は、その理由や付加価値をわかりやすく伝えることが大切です。値上げに見合う価値を提供することで、継続利用につながります。

利益率の高い商品・サービスに注力する

純利益を向上させるには、利益率の低い商品やサービスの販売を縮小し、利益率の高いものを中心に提供する方法もあります。
採算の取れにくい商品を縮小することで、そこにかけていた原価や販売費などを売れ筋商品にまわすことも可能です。結果として利益率が上がり、純利益も向上することが期待できます。

経費を見直す

純利益を向上させるためには、売り上げの拡大だけではなく、経費の削減も大切です。無駄な支出を抑えるには、月次や四半期など時期を決めて、定期的に見直すのがおすすめです。
経費を見直す際は、不要な固定費がないか、在庫が過多になっていないか、外注コストを削減できないかなどを確認してみましょう。
ただし、過剰な経費削減は、品質の低下や従業員の意欲低下につながる恐れがあります。品質を維持したうえで、経費削減できる部分を検討しましょう。
従業員のモチベーションを維持するためには、理解と協力を得ることが大切です。経費見直しの意義を共有し、前向きに取り組める環境をつくりましょう。

損益分岐点を分析する

純利益を向上させるには、損益分岐点を分析することも大切です。どの商品を何個売れば黒字になるのかなどを明確にすることで、経営判断に役立ちます。
損益分岐点とは、売上高と費用が同じになり、損益がゼロになる売上高のことです。売上高が損益分岐点を上回れば黒字になります。
損益分岐点を明確にすることで、商品やサービスの価格設定が適切かどうかを判断できたり、販売目標を設定できたりなど、経営戦略を考えることができます。

業務の効率化を行う

業務の効率化を行うことで、コスト削減や生産性向上などの効果が得られ、純利益の向上につながります。
たとえば、会計ソフトやプロジェクト管理ツールなどを導入して作業を自動化すれば、作業負担を軽減できます。また、商品を効率よく製造できる機械を導入することで作業時間の短縮が図れます。
人員が不足している場合は、新たに従業員を採用することも選択肢のひとつです。人員が十分な場合は、教育体制を整えてミスを最小限におさえたり、残業時間を減らしたりすることで、業務をより効率的に進められます。

キャッシュフローを把握する

純利益を向上させるには、キャッシュフローを把握し、資金繰り上の課題を見つけることが重要です。
キャッシュフロー計算表と損益計算表を照らしあわせると、「売り上げは上がっているものの、代金が回収できていない」といった現金と利益のずれが明らかになります。こうした問題点を見つけることで、支払いサイクルサイトの見直しなどの具体的な改善策を講じることが可能です。
資金繰りが安定すれば、突発的な資金調達で金利負担が増えるリスクを避けられます。また、広告宣伝費や事業拡大に資金を充てやすくなり、結果として純利益の向上につながる可能性があります。
こうした資金繰り改善に向けた取り組みを効率化するには、資金管理を可視化・一元化する仕組みが役立ちます。JCB法人カード会員専用の資金管理ポータル「Cashmap」では、複数の銀行口座やクレジットカードの入出金情報をまとめて管理でき、日々の資金状況や将来のキャッシュフローをシミュレーションしながら計画を立てることが可能です。

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正確な帳簿付けを意識すれば純利益も把握できる

純利益を把握するためには、日々の帳簿付けを正確に行うことが大切です。帳簿を正しく付けることで、自社の収支を正確に把握でき、純利益改善のための具体的な施策を立てることが可能になります。
帳簿付けは、中小企業だけではなく、個人事業主にとっても重要な作業のひとつです。しかし、手作業で帳簿を記録すると時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。会計ソフトを導入することで、仕訳の自動化や会計処理の効率化が可能となります。

会計ソフト・経費精算システムと連携できるJCBの法人カード

正確な帳簿付けをするためには、経費を支払うクレジットカードと会計ソフトを紐づけることが有効です。
JCBの法人カードなら、会計ソフトや経費精算システムとの連携が可能です。カードの利用履歴データがシステムに自動で取り込まれ、帳簿付けや仕訳を自動化できます。
従来は経費を使用するたびに行っていた帳簿付けの作業が省けるうえに、入力漏れや人的ミスを軽減でき、正確性向上にもつながります。
また、JCB法人カード会員専用のサービス「Cashmap」では、キャッシュフローをグラフ化して視覚的に把握できます。日々の資金の状況を正確に確認でき、資金繰り予測や経営判断の最適化につなげることができるでしょう。

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中小企業の経営者・従業員向け「JCB法人カード」

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「JCB法人カード」は、中小企業の経営者や従業員におすすめの法人カードです。本カードのほか、従業員が利用するぶんの使用者カードやETCカードが追加で発行できます。
「JCB法人カード」は、一般カード・ゴールドカード・プラチナカードの3種類から選択可能です。年会費や利用可能枠(限度額)の最高額、付帯サービスなどに違いがあるため、自社の特徴にあった法人カードを選ぶのがおすすめです。

従業員50名以上の大規模企業向け「JCBコーポレートカード」

JCBコーポレートカード

「JCBコーポレートカード」は、大規模企業向けの法人カードです。従業員向けの使用者カードは、指定人数分の発行が可能です。
年会費は、1企業あたり33,000円(税込)ですが、使用者カードには年会費はかかりません。カードごとに利用可能枠(限度額)が設定できるため、必要以上の経費利用を防止できます。
また、カードご利用代金明細書は部署ごとに仕訳ができるため、業務の効率化ができるのも「JCBコーポレートカード」の特徴です。
入会前後に利用できるサポート窓口を設けているほか、企業の状況に応じた提案も行っています。コーポレートカードの導入にあたり、ご不明店があればお気軽にご相談ください。

よくある質問

純利益とはどのような意味ですか?

純利益とは、事業の利益から法人税などの税金を差し引き、最終的に企業に残るお金を指します。純利益は「経常利益+特別利益-特別損失-税金」で計算できます。

純利益と利益の違いを教えてください

「利益」は、さまざまな利益の総称です。「純利益」は、利益から税金を差し引いたものであり、利益の一種です。純利益のほか、経常利益や営業利益といった「利益」も存在します。

純利益と「経常利益」「営業利益」の違いはなんですか?

営業利益とは、企業が本業(中心となる事業)で得た利益を指します。経常利益とは、中心となる事業に加え、本業以外で得た利益も含めた利益です。純利益は、その経常利益に特別利益や特別損失を加え、そこから税金を差し引いた最終的な利益を指します。

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高柳政道(たかやなぎ まさみち)
【監修者】

氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級

一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。

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