ページの先頭です
ヘッダー先頭です
本文の先頭です

資金・お金

飲食店の適正な原価率や利益率とは?目安や計算式など、正しく構造を理解することで収益が上がる

更新日:2024年2月26日

飲食店オーナーのイメージ

飲食店の経営においては、収益構造を分析したり、適宜改善したりすることが大切となります。平均的な原価率や利益率はどのくらいなのか、相場の目安や計算方法なども知っておきたいところです。原価率や利益率などの収益構造を分析できていないと、「売上はあるのに利益が低い」「忙しいのに売上が落ちている」などの理由がわからず、見直しや改善が難しくなる弊害があります。正しい収益構造の理解は、飲食店の経営を成功させるカギとなります。

この記事では、飲食店における適正な原価率、利益率についてわかりやすく解説しています。目安や計算例なども紹介していますので、各種数値が業界平均と比べて適正かどうか、計算式や改善方法を探る際の参考としてお役立てください。

この記事でわかること

  • 飲食店における原価率、利益率の相場や計算方法
  • 飲食店が検討すべき原価率を抑える方法
  • 飲食店が検討すべき利益率を上げる方法

目次

  1. 1 飲食店における原価率、利益率の相場
  2. 2 飲食店の原価率、利益率の計算方法
  3. 3 飲食店で原価率を抑える方法
  4. 4 飲食店で利益率を上げる方法
  5. 5 まとめ

JCB加盟店様限定

無料ダウンロード

有料サービスの「JCB消費NOW」で提供している個人消費動向レポートを、限定公開中!店舗の売上見通しや戦略策定にお役立ていただけます。

  • ※2023年11月現在最新版

資料DLはこちら

1 飲食店における原価率、利益率の相場

原価率、利益率計算のイメージ

原価率とは売上に占める原価の割合のことで、飲食店において原価は食材費にあたります。利益率は、売上に対してどの程度利益が出ているかの割合を指します。飲食店における原価率と利益率の相場について、順に見ていきましょう。

1-1 飲食店の原価率の相場

飲食店の原価率の相場として「30%が目安」といわれています。30%の原価率を目安とした場合、1,000円で提供するメニューの原価率は300円ということになります。しかし、すべてのメニューの原価率を30%にするのは難しい場合も多いでしょう。

また、原価以外にかかる人件費やその他経費のバランスによっては、原価率が30%を超えていても利益率を高められる場合もあります。

食材にかかる原価と固定費や変動費などを差し引いて手元に利益を残すためには、原価率の相場にも注目しつつ、総合的に判断することが大切です。

1-2 飲食店の利益率の相場

飲食店の利益率の相場として「10~15%が目安」といわれています。1ヵ月あたり20~30万円の利益を出したい場合、200万円の売上高が必要となる計算です。

飲食店は業態によっても利益率が大きく異なります。一般的に喫茶店やカフェよりも高級レストランの方が利益率は高くなるでしょう。コンセプトや価格設定、その他さまざまな条件にもよりますが、利益率30%以上を出している飲食店もあります。

利益率の相場に近づけるためには、原価率と併せて固定費や人件費などにも注目する必要があるでしょう。

2 飲食店の原価率、利益率の計算方法

原価率、利益率計算のイメージ

飲食店の原価率、利益率の基本の計算方法についても見ていきましょう。

2-1 原価率の計算方法

原価率の基本の計算式としては「売上原価÷売上高×100」を使って求めることができます。

例えば、1つ1,000円のオムライスの原価が400円であった場合
400(円)÷1,000(円)×100=40(%)
となるため、原価率は40%であることがわかります。

また、1つ600円のコーヒーの原価が40円の場合
40(円)÷600(円)×100=6.6(%)
となり、原価率は6.6%となります。

オムライス1つの売上だけだと原価率の目安である30%を超えてしまいますが、オムライス1つとコーヒー1つを提供した場合、トータルの原価率は27.5%となります。

一般的に、ドリンク類はフードよりも原価率を低く抑えやすい傾向にあります。ドリンクに限らず、原価率が高くなってしまうメニューがあっても、原価率の低いメニューの提供数を増やすことで、全体の原価率が抑えられる場合もあるでしょう。

2-2 利益率の計算方法

利益率の基本の計算式としては「利益÷売上高×100」を使って求めることができます。利益は売上から費用を差し引いて求めます。

例えば、100万円の売上高に対して利益が15万円であった場合
150,000(円)÷1,000,000(円)×100=15(%)
となるため、利益率は15%であることがわかります。

利益率を高めるには

  • 売上を増やす
  • 原価、人件費、固定費などの費用を抑える

上2つのアプローチが可能です。また、原価率を抑える対策と利益率を上げる対策の2つを行うことで、より収益を増大させることが可能です。それぞれの方法について、さらに詳しく見ていきましょう。

3 飲食店で原価率を抑える方法

飲食店で原価率を抑えるには、次のような方法が挙げられます。

3-1 仕入の見直し

飲食店における原価となる食材費について、現状より抑えることができるかを見直してみましょう。具体的には、旬の食材を使ったり、高騰している食材については代替品を検討できないかを確認します。

同じ食材でも、仕入先によっては安く購入できる場合もあるため、仕入先を見直してみるのもひとつの方法です。メインの食材だけでなく、副菜や調味料などの原価もコストダウンできるかチェックしてみるようにしましょう。

3-2 価格設定の変更

原価を抑えるのが難しい場合は、売価の設定を見直すことでも、原価率を抑えられます。開店当初のサービス価格のままで提供を続けていないか、原材料が高騰しているにも関わらず売価を維持していないかも確認しましょう。原価が上がっているのに値上げをしていなければ、必然的に原価率は上がってしまいます。

同じメニューだと細かく値上げがしにくいケースもあるため、季節に応じてメニューを変えたり、新メニューを開発して提供するメニューの価格を上げる方法もあります。

4 飲食店で利益率を上げる方法

飲食店で利益率を上げる方法についても解説します。

4-1 FLコストの見直し

FLコストとは「F(=Food)」と「L(=Labor)」にかかるコストのことで、Fは食材費(材料費)を、Lは人件費をそれぞれ表します。飲食店の売上高のうち、FLコストが占める割合を分析することはとても重要となっており、FLコストの割合は「FL率」「FLコスト比率」などと呼ばれることもあります。

飲食店におけるFLコストの相場は約60%といわれています。その内訳は「材料費30%、人件費30%」の場合もあれば「材料費40%、人件費20%」の場合もあるなど、業態や規模によって異なります。

FLコストの基本の計算方法は「食材費と人件費の合計÷売上高×100」で求めることができます。

例えば、売上高100万円のうち、材料費が40万円、人件費が20万円であった場合
〈400,000(円)+200,000(円)〉÷1,000,000円×100=60%
となるため、FLコストは60%であることがわかります。

売上高に対して原価率が高くなっていないかのチェックと併せて、人件費についても見直してみましょう。具体的には、繁忙期となる時期や時間以外は少人数で対応したり、IT化やDX化で事務作業やサービス提供、注文や精算時の人的コストを抑えるといった方法が挙げられます。

FLコストのバランスを見直すことで、食材費を維持したまま利益率を上げられる可能性もあるでしょう。

4-2 メニューの改訂

コストを抑えるだけでなく、メニューの価格を上げることによっても、利益率を上げることができます。現行メニューの価格設定を1つひとつ見直し、原価率を下げられないものについては値上げを検討します。

価格の見直しと共に、メニュー自体の改訂も定期的に行うとよいでしょう。大量仕入れや旬の食材などを利用して原価率を抑えた期間限定の新メニューは既存のメニューよりもPRしやすいことに加え、ユーザーが新鮮さや季節を感じやすいため、集客に繋げられるメリットもあります。期間限定とすることで、材料費が高騰しても対策が取りやすいでしょう。

4-3 客単価、回転率を上げる

利益率が低いままでも、物理的にたくさんの売上が出ていれば、利益総額を増やすことが可能です。売上を増やすには、客単価アップと回転率アップの2つのアプローチ方法があります。

客単価とは、1人のユーザーが1回あたりに飲食する合計額の平均のことです。客単価の平均額は「一定期間の売上高÷来店者数」で見ることができます。

例えば、1ヵ月の売上が100万円、1ヵ月の来店総数が800人の場合
1,000,000(円)÷800(人)=1,250(円)
となるため、その月の平均客単価は1,250円となります。

回転率とは、1日に1席あたりで来店者が何回入れ替わったかの割合をさします。回転率は「1日の来店者数÷店舗の収容人数」で見ることができます。

例えば、1日の来店者数が60人で、店舗の収容人数15人であった場合は
60(人)÷15(人)=4(回)
となり、1日に4回転したということができます。

客単価を増やすためには、メニューの価格設定を見直す以外にも「プラス〇円でドリンクサービス」や別料金のオプション、トッピングなどの設定で追加注文を増やすといった方法もあります。

回転率を上げるためには「行列のできるお店」のような人気店となるためのメニュー開発に加え、来店からサービス提供までの時間短縮を検討することも大切です。厨房からテーブルまでの動線を見直したり、予約システムやオーダーのIT化など、業務を効率よくスムーズに進められるようにする対策も検討するとよいでしょう。

4-4 運営コストを下げる

材料費や人件費、固定費などのコスト以外にも、電話での予約受付や予約台帳の更新など、飲食店の運営にかかる細かなコストが積み重なっている場合も少なくありません。1つひとつの費用は小さくても、複数のサービスを使用することで負担が増えてしまっていることもあります。

『JCB飲食店集客応援パッケージ』では、InstagramとGoogleから予約を受け付けできるシステムや、予約管理がスムーズにできるサービスなどが利用可能です。コストを抑えた予約管理機能やSNS強化ツールなど飲食店様の集客に必要なサービスをパッケージにして提供しています。

5 まとめ

飲食店の経営を成功させるには、メニューの魅力や接客のクオリティーはもちろん、原価率や利益率の相場や基本となる目安を把握して分析し、改善点を探ることが重要となります。FLコストや運営コストの見直しも含めて収益構造の理解を深め、自社に合った方法を見つけて収益アップへと導いていきましょう。

  • 記事の情報は当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その確実性を保証したものではありません。
  • 記事は外部執筆者の方等にも制作いただいておりますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。
  • また、一部、当社または当社関係会社にて取り扱いのない商品に関する内容を含みますが、商標登録されている用語については、それぞれの企業等の登録商標として帰属します。
  • なお、記事の内容は、予告なしに変更することがあります。
  • ※Instagramは、Meta Platforms, Inc.の登録商標です。
  • ※Googleは、Google LLCの登録商標です。
フッター先頭です