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開業・出店

飲食店に必要なマニュアルとは?種類や作成方法、運用上のポイントまで

更新日:2024年3月27日

マニュアルのイメージ

飲食店において、マニュアルを作成することはどの程度重要なのでしょうか。マニュアルを作ることで得られるメリットや、活用しやすい作り方のポイントなどを知ることで、スタッフ教育やサービス向上・改善、業務効率化に役立てることが可能です。

この記事では、飲食店におけるマニュアル作成の重要性に加え、マニュアルの種類や作成方法、作成時の注意点などについてわかりやすく紹介しています。

この記事でわかること

  • 飲食店におけるマニュアルの重要性
  • 活用しやすいマニュアルの作成方法
  • マニュアル作成時の注意点

目次

  1. 1 飲食店においてマニュアル作成は重要なのか
  2. 2 飲食店に必要なマニュアルの種類と作成方法
  3. 3 マニュアルの活用方法と注意点
  4. 4 まとめ

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1 飲食店においてマニュアル作成は重要なのか

マニュアル作成方法のイメージ

マニュアルを作成することで次のようなメリットが得られます。

1-1 従業員が同じサービスを提供できる

接客やサービス提供時には、時として来店されるお客様に応じた臨機応変な対応が必要となるケースもありますが、基本的に「すべての従業員が同じレベルのサービスを提供できる」ことが重要です。「口コミで聞いたサービスがなかった」「昨日来た時と接客態度が違った」といった体験は、お客様に不公平感を持たれやすくなってしまいます。

すべての従業員がマニュアルに書いてある通りにサービスや業務を行うことができれば、不公平感もなく、安定したサービス提供ができます。

1-2 研修期間の短縮に役立つ

新人研修や教育には、指導者側の時間も確保する必要があるため、繁忙期が続くと研修期間も長くなりがちです。

基本的な作業をマニュアル化して端的に伝わるようにすることで、覚えるのに必要な日数を短縮することができます。指導者側も作業の手を止めて指導する回数を削減できるため、指導される側と指導者側の双方にメリットがあるといえるでしょう。

1-3 業務効率を見直せる

マニュアル化するにあたり、従来の業務手順を見直すことで、業務フロー改善に役立てることができる点もメリットのひとつです。無駄な業務の存在や二度手間に気づいたり、別の方法を見つけて簡略化、効率化できる場合もあるでしょう。

業務手順の伝え漏れや言い間違いを防ぎ、正しい手順をいつでも確認できる環境を整えることで、業務効率アップが期待できます。

2 飲食店に必要なマニュアルの種類と作成方法

マニュアルのイメージ

飲食店で必要となるマニュアルの種類や作成方法、作成時のポイントなどについて紹介します。

2-1 飲食店におけるマニュアルの種類

飲食店の業務で必要なマニュアルの種類には、主に次のようなものが挙げられます。

  • 接客マニュアル

    実際の接客に入る前に伝えておきたい、接客に関するルールを記載したマニュアルです。服装や髪形など、身だしなみに関する事項を記載しておきます。「お客様には敬語で対応する」「お店の看板になったつもりで接する」など言葉遣いや心構えなどについても、必要に応じて記載します。
    「いらっしゃいませ」「かしこまりました」など、接客時の声かけから始まり、テーブルへの誘導や注文の取り方、メニューの提供方法や追加オーダーの受付などについてもまとめます。「調理に時間のかかるものは予め伝える」「お待たせしましたと一言添える」といった接客マナーも記載しましょう。
  • 業務フローマニュアル

    混雑時の誘導や注文の受け方、モバイルオーダーやデリバリーなどへの対応など、接客以外の店内業務フローに関するマニュアルです。マットやトレーの交換や消毒の方法、テーブルの清掃手順、テイクアウト時の商品の包み方など、店舗で対応しているサービスに応じてそれぞれ業務を書き出して作成します。
    季節に応じて店内のオブジェや備品を変更する場合は、その手順などもイベントごとに記載するとよいでしょう。
  • キッチン調理マニュアル

    キッチンでの業務に関するマニュアルです。メニューごとの調理方法や分量、盛り付け方や対応する食器、洗った食器や調理器具の収納場所、食材の管理方法などについてまとめます。ホールスタッフとキッチンスタッフが分かれている場合でも、メニュー提供やオーダー時に食材や調理方法に関する質問を受ける場合があるため、調理に関して知っておくべき情報やメニューのおすすめポイントなどがあれば、ホールスタッフにも共有するようにします。
  • レジ精算マニュアル

    会計時のレジ精算方法に関するマニュアルです。現金やクレジットカードのほか、電子決済など、提供しているサービスごとにまとめます。サービスや端末によっては、付属のマニュアルや取扱い説明書が利用できるものもあります。特に決済システムや端末は操作方法がシンプルで覚えやすいものや、カスタマーサポートなどが充実しているサービスを選ぶとよいでしょう。
  • 開店・閉店時のルーティンマニュアル

    開店時や閉店時に必ず行う業務についてのマニュアルです。掃除する場所や看板を出す位置、テーブルのセッティングや消毒、音響機器の起動、備品の補充やレジ締め、シャッターの閉め方や電源のオンオフ方法などについてまとめます。
    在庫チェックや受発注業務など、業務フローマニュアルへの記載内容が多くなりそうな場合は、開店時や閉店時のルーティンとしてチェックする時間を決め、マニュアルを分ける方法もおすすめです。
  • トラブル対応マニュアル

    トラブルが発生した場合の対応方法に関するマニュアルです。想定されるトラブルについては基本の対応を記載して、イレギュラーなケースや判断がつかないことは責任者へ確認するよう促します。従業員向けには注意事項や禁止事項、違反した場合の対応などについてまとめるようにします。
  • インバウンド向けマニュアル

    海外からの観光客が来店した場合のマニュアルです。「いらっしゃいませ」「何名様ですか」といった基本の会話集を英語で記載したり、言語ごとのメニューの場所などについて記載したりするとよいでしょう。

2-2 マニュアルの基本的な作成方法

マニュアルの基本的な作成方法としては、次のポイントを参考にしてみましょう。

  • 種類ごとに行う業務を書き出す

    作成するマニュアルの種類ごとに、行う業務を書き出していきます。接客マニュアルであれば接客上の業務について記載し、キッチンマニュアルであれば調理や食材の加工、盛り付けなどをメニューごとに記載します。
  • 優先順位が高いものから書き出す

    業務を書き出す際には、日常的に行う業務や絶対に守るべきルールなどから記載するようにしましょう。イレギュラーなケースや行う頻度が高くない業務については、マニュアルの後半に記載するようにします。

2-3 マニュアル作成時のポイント

マニュアルの作成効率や品質を高める工夫として、次のような点も意識するとよいでしょう。

  • 文書作成ソフトなどを活用する

    ノートやメモに記載するのもよいですが、PCの文書作成ソフトなどを活用した方が見やすく仕上がり、訂正や改定なども容易に更新する事が可能です。
    文字の大きさや太さ、色などを変えたり、イラストやメモができる余白なども取ることでより見やすくなるでしょう。
  • 生成AIを活用する

    生成AIを使用するとマニュアル作成の手間を短縮できることがあります。
    生成AIとは、Open AI社が開発したChatGPTなどのように、人工知能(AI)を使ったチャットサービスです。人間の質問に対して、まるで人間のように自然でクオリティの高い回答をします。
    一般的なマニュアルであれば、生成AIに質問することで基本的な回答はもらえるので、その回答をベースに自店向けのアレンジを加えることで、マニュアルを効率的に作成することができるでしょう。

3 マニュアルの活用方法と注意点

マニュアルの活用方法と作成時の注意点には、次のようなポイントが挙げられます。

3-1 具体的に書く

曖昧な書き方をしたり、判断基準を不明確にしていると、マニュアルとしての意味がなくなってしまいます。例えば「温めて出す」と書くよりも「電子レンジで2分温める」と記載した方がマニュアルとして活用しやすくなるでしょう。

また、業務内容はできるだけ端的に、シンプルに何をすればよいかがわかるよう記載することも大切です。これまで特にルールを設けていなかった業務でも、マニュアル化にあたってルールや一定の法則を設けた方がシンプルになるようであれば、改善するのもひとつの方法です。

3-2 必要に応じて更新する

マニュアルの作成後一定期間が経過して、メニュー改定やシステム変更、店舗の模様替えなどにより、以前のマニュアルが意味のないものになっているケースもあります。

担当者やシステム変更、機器類の導入、改善点の反映など、新しくなった情報があれば定期的にマニュアルを見直し、アップデートすることが大切です。「マニュアルの中で不明な点があれば気軽に聞いてください」「マニュアルを見てもわからないことがあれば教えてください」と伝えることで、より実用的な内容にすることができるでしょう。

3-3 見やすく、使いやすい形式にする

マニュアル内で矛盾が起きていないか、間違った記載がないかなどのチェックが終わったら印刷して綴じるほか、カバーをして厨房やレジの裏などに掲示するなどして活用しやすいようにしておきます。ポケットサイズにして携帯できるようにしたり、パソコンやスマートフォンからチェックできるようにしてもよいでしょう。

新人研修の際はただマニュアルを渡すだけでなく、口頭でも確認しながら教えるようにすることも大切です。文章表現による理解と、口頭で補足することによって理解が深められるだけでなく、マニュアルの改善点も見つけやすくなるでしょう。

4 まとめ

マニュアルを作成することで、全員が同じクオリティーの業務を行えるようになり、お客様の不公平感をなくすことができます。教育にかかる時間を短縮したり、業務の無駄や改善点がわかるメリットもあります。良いマニュアルを作るには、まず業務の種類ごとにやるべきことをリストアップし、具体的で端的な内容を記載するようにします。見やすい場所へ掲示したり、携帯しやすいような形で配布するほか、定期的にマニュアルを見直して、古い内容はアップデートすることも大切です。

活用しやすいマニュアルを作成して、接客マナーの改善や業務効率アップを実現しましょう。

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