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資金・お金

飲食店の売上に関して詳しく解説!1日平均・年間予測・売上アップの考え方まで

更新日:2024年1月31日

売上管理のイメージ

飲食店の開業はゴールではなく、売上をアップさせて経営を安定させ、軌道に乗せることが重要となります。飲食店ではどのくらい売上があればよいのか、平均的な売上額や計算方法なども知っておきたいところです。

この記事では、飲食店の平均的な売上に加え、売上を管理する際に必要となる計算方法や考え方などについてわかりやすく解説しています。

飲食店開業を検討中の方はもちろん、既に開業していて売上管理の方法について知りたい際の参考としてお役立てください。

この記事でわかること

  • 飲食店の平均的な売上や市場動向
  • 売上管理や経営分析で重要となる用語や計算方法
  • 売上や利益をアップさせたい場合に考慮するべきポイント

目次

  1. 1 飲食店の平均的な売上はいくら?
  2. 2 飲食店経営の売上を計算する方法
  3. 3 飲食店の売上を考える際のポイント
  4. 4 まとめ

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1 飲食店の平均的な売上はいくら?

売上計算のイメージ

飲食店ではどのくらい売上があればよいのでしょうか。平均的な売上額について見ていきましょう。

1-1 平均的な月間売上は80~200万円

個人で経営する飲食店の場合、年間の平均的な売上は1,000~2,000万円といわれています。これを12で割ると、月間売上は80~200万円となります。1ヵ月に25日間営業した場合、1日あたりの売上は3~8万円となる計算です。

総務省統計局が行った「サービス産業動向調査」によると、令和5年7~9月度における飲食店全体の月間売上高は1.7兆円ほどとなっており、前年同時期よりも16%程度増加しています。

コロナ前後で数字に差があるものの、外出自粛の解除やインバウンドの復調により、全体的には回復傾向であり、今後も続く見通しであるといえるでしょう。

1-2 飲食店の規模やコンセプト、営業日数によっても異なる

同じ総務省の「サービス産業動向調査」では、宅配や持ち帰りに特化した小店舗の月間売上は全体で2,200億円程度と、通常の飲食業の13%程度であることがわかります。

飲食店の平均的な売上がどの程度になるかは、店舗規模や価格設定、営業日数によっても異なってくるでしょう。ディナーレストランや居酒屋などは売上が大きく、標準的な飲食店やカフェ、喫茶店、持ち帰り専門店の順に売上が小さくなるのが一般的です。

2 飲食店経営の売上を計算する方法

売上計算方法のイメージ

飲食店経営の売上を計算する基本の方法について解説します。

2-1 売上管理で覚えておきたい用語

売上分析や管理をスムーズに行うために、覚えておくと便利な用語をピックアップしてご紹介します。

売上高 売上によって得た収入
営業利益 売上高から売上原価と販売管理費を差し引いた利益
売上原価 食材費など仕入れにかかる費用
販売管理費 固定費や変動費などの経費全般
利益率 売上高に対する利益の割合
回転率 お店の収容人数を1回転として、1日の来客数から何回転したかの割合
客単価 1名あたりの売上額
損益分岐点 売上と費用を比較して、利益が出始める分岐点
固定費 家賃や電気代など、売上と関係なく毎月かかる費用
変動費 販売手数料や消耗品費など、売上に応じて増減する費用
食材費 メニューや調理に必要な食材の購入費用
人件費 スタッフを雇用した場合に発生する給与、交通費などの費用
FLコスト 食材費と人件費の合計額
※F(=Food)は食材費、L(=Labor)は人件費

このほかにも「減価償却費」や「接待交際費」など、費用の仕訳で使用する科目はたくさんあります。確定申告時や税理士へ相談する際などにも役立つため、売上分析と簿記の基礎知識は持っておくとよいでしょう。

2-2 売上管理で覚えておきたい計算式

上で挙げた用語を基に、売上管理に必要な基本の計算式もご紹介します。

売上高 客数×客単価
営業利益 売上高-売上原価-販売管理費=営業利益
利益率 営業利益÷売上高×100(%)=利益率
売上予測 客数×回転数×客単価×営業日数
損益分岐点 固定費÷(1-(変動費÷売上高))
FLコスト (食材費+人件費)÷売上高

例えば、客単価1,000円で1日に30名の来客があった場合、その日の売上高は
1,000(円)×30(客)=30,000円となります。

売上原価が10,000円、日割りの販売管理費が6,000円とした場合、その日の営業利益は
30,000(円)-10,000(円)-6,000(円)=14,000円となります。

実際には注文内容によって客単価や売上原価が異なるため、計算はもう少し複雑となりますが、基本の計算方法は同じです。日々の売上高や営業利益、損益分岐点などを計算して週間から月間、年間の予測を立ててみましょう。

3 飲食店の売上を考える際のポイント

飲食店の売上や利益をアップさせたい場合に考慮するべきポイントについて解説します。

3-1 集客の努力をする

売上をアップさせるために、まずは集客を増やすことが重要となります。現状集客に問題がある場合は、次の方法を試してみましょう。

  • サービスの改善

    過去にあったクレームをリストアップし、改善できる方法がないかをチェックします。待ち時間が長い場合は先にオーダーを取る、丁寧な接客対応をする、清掃など衛生面でのチェックなどを行い、顧客満足度の高いサービス提供ができるようにしましょう
  • PRの強化(新規顧客獲得)

    お店の認知度が低いと感じる場合は、近隣へチラシの配布やのぼり、ポスターの作成などでPRを強化しましょう。特にSNSの活用は無料でできるため、積極的に投稿することをおすすめします。
  • 新メニュー開発

    開店して間もない期間は、調理やメニューの提供に慣れるまで少ないメニューで対応した方がよい場合もありますが、落ち着いてきたら新しいメニューの開発にも取りかかりましょう。
    既存メニューの中から人気のあるものとそうでないものを比較して、人気の出そうなメニューの幅を増やしていきます。クリスマスやバレンタイン、お花見など、イベントに合わせた季節限定メニューなどを採用するのもよいでしょう。新しいメニューは宣伝もしやすいため、PRの良い材料となるほか、既存客が再来店するきっかけづくりにもなります。
  • ポイントカード発行、DM送付(リピーターの獲得)

    新規顧客の獲得だけでなく、既存客のリピート率を増やすことも集客増加に繋がります。ポイントカードを配布して来店数に応じた特典を用意したり、ハガキ持参で割引やプレゼントなどの特典があるDMを送付するといった方法があります。

3-2 利益率を高める

集客率を高めて魅力的なメニューを提供して売上が上がっても、利益率が低いと利益も小さくなってしまいます。行列のできる人気店でも、利益率が低ければ赤字となってしまう可能性があるのです。

利益率を高める方法としては「原価や経費を抑える方法」と「価格を上げる方法」の2つが挙げられます。原価を抑えるには、仕入れルートや食材の変更に加えて消耗品の見直し、盛り付けを変えて視覚による満足度を高めるといった対策を取ります。

価格を上げる方法としては、既存メニューの価格改定を行うほか、新メニューや期間限定メニューを導入して価格を上げる方法もあります。

また、宅配やテイクアウト専門店などの場合、メニューあたりの単価は低くても、席が不要なため小さな間口で営業できるメリットがあります。原価を抑えたり価格を上げたりすることが難しい場合、維持費や固定費を抑えることで利益率を高めることも可能です。

3-3 回転率を上げる

飲食店において「注文後すぐに食べられる」「待ち時間が少ない」というメリットは、店舗の回転率を上げるのにも役立ちます。回転率を上げるためのポイントとしては、以下を参考にしてみてください。

  • サービス提供までのスピードを早める

    オーダーから調理、盛り付けまでの工程を見直し、無駄な動きがないかをチェックします。下ごしらえ可能なものは盛り付けしやすいように並べるなど、厨房内の食材や食器の配置にも配慮してみましょう。
    ランチタイムではあらかじめオーダーを取ったり、テーブルの片付けや清掃などをスピーディーに行う、忙しい時間だけスタッフを増員するといった方法もあります。
  • 予約システムの確立

    電話や店頭での予約以外に、オンライン上からスムーズに予約可能なシステムを導入するのも、集客アップが期待できます。「電話しないと予約ができない」「電話したのに出なかった」といった理由で来店を逃してしまうケースは少なくありません。
    忘年会や新年会、歓送迎会やパーティーシーズンに対応できるよう、SNSやウェブ上からシンプルな操作で予約できるシステムを検討してみましょう。
  • テーブル配置や動線を見直す

    調理や盛り付けのスピードが早くても、厨房内の配置に問題がある、またはテーブルまでの動線が悪いといった場合、サービス提供が遅れる原因となる場合があります。
    また、テーブル同士の間隔や入口、お手洗いまでの距離など、店内で居心地よく過ごせるための空間づくりも大切です。テーブルの配置や動線について、お客様目線で見直してみるとよいでしょう。
  • 集客の時間帯を分散させる

    繁忙以外の時間帯に割引サービスを行うなどして、集客が集中する時間を分散させる方法もおすすめです。満席によって来店の機会を逃さないように対策を取りましょう。

3-4 来店以外の販売ルート開拓

デリバリーサービスやオンライン販売、出張販売やイベントへの出店参加など、店舗への来店以外の販売ルートを開拓するのも1つの方法です。遠方の潜在的なターゲット層へのPRにもなるため、興味のあるイベントなどがあれば検討してみましょう。

3-5 固定費・変動費を抑える

開業前であれば家具や備品、店舗の賃料などを抑えることで、固定費を小さくすることができます。

開業後はメニューの数を絞る、食品ロスを抑える、スタッフを雇う場合は繁忙期だけにするといった対策も可能です。

営業日数や営業時間を減らすことでも人件費や水光熱費を抑えられますが、その分売上も小さくなるため注意が必要です。

どの方法が最適かは、お店の状況によっても異なります。売上明細などの数字をこまめにチェックしながら、自分のお店に合った方法を導入するようにしましょう。

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3-6 消費動向を把握する

消費動向や消費者のライフスタイルなど、最新の情報をチェックすることで、お店の売上対策をより効果的に実施することが可能となります。

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4 まとめ

飲食店での平均的な売上は、喫茶店かレストランか、お店のコンセプトや広さなどによっても異なるため、店舗の売上データを見ながら日々の数値を算出し、分析することが大切となります。集客などの売上を上げる努力だけでなく、原価を抑える、店舗以外の販売ルートを開拓するといった対策も可能です。プロのツールやサポートなども活用しながら、大切なお店の経営を軌道に乗せていきましょう。

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