法人カードの基本をおさえる
法人カードとデビットカードの違い。メリット・デメリットや選び方を解説
公開日:2026年3月17日

法人カードと法人デビットカードの大きな違いは、利用代金が引き落とされるタイミングです。法人カードは後払いですが、法人デビットカードはカード払いのあとすぐに、銀行口座から引き落とされます。
この違い以外にも、それぞれにメリットとデメリットがあります。特徴を比較したうえで自社にあうカードを選択し、ビジネスシーンに役立てましょう。
この記事でわかること
- 法人カードと法人デビットカードの違い
- 法人デビットカードのメリット・デメリット
- 法人デビットカードの選び方
- 本記事の審査・申込条件の情報は一般的な解説です。カードや発行会社により異なるため、実際の適用条件は各カードの公式サイトでご確認ください。
目次
法人デビットカードとは?
デビットカードとは、支払い時、紐付けしている銀行口座から即時引き落とされるカードです。
デビットカードのなかには事業者を対象とした「法人デビットカード」もあり、法人や個人事業主が発行できます。なお、デビットカードの名義は個人名義であり、一般的には法人名義や屋号にすることはできません。
法人デビットカードは、店舗やネットショップなどさまざまな場所で利用できます。「JCB」などの国際ブランドがついた法人デビットカードであれば、日本だけではなく海外でも、国際ブランドの加盟店で支払いができます。
また、JCBは金融機関向けにデビット機能を提供しており、取扱金融機関でJCBブランドの法人デビットを発行できます。
金融機関によっては、カードの発行がない「カードレス」の法人デビットカードの発行も可能です。
法人デビットカードと法人カードの違い
法人カードとは、法人や個人事業主といった事業者を対象としたクレジットカードです。
デビットカードとクレジットカードの大きな違いは、利用代金を支払うタイミングですが、そのほかにも次のような違いがあります。
| 法人デビットカード | 法人カード | |
|---|---|---|
| 振替方法 | 即時払い | 後払い |
| 年会費 | 無料・有料どちらもあり | |
| 利用対象者 | 法人・個人事業主 | |
| 審査 | 原則なし | あり |
| 利用可能枠 (限度額) | 預金残高の範囲内かつ利用可能枠の範囲内で設定可能 | 10万円から500万円など 実際には審査によって決定 |
| ポイントシステム | あり | |
| キャッシング | ー | △ |
| 海外での利用 | ・ショッピング利用可能 ・現地通貨の引き出しが可能 | ・ショッピング利用可能 ・現地通貨の引き出しが可能な場合がある(※1) |
- 1 カードによっては、海外キャッシング、海外預金引き出し機能がついていない場合があります。
法人デビットカードのメリット
法人デビットカードには、利便性や審査など、法人カードは異なるメリットがあります。
クレジットカードのような審査がない
法人デビットカードには、法人クレジットカードのような審査がありません。
そのため、創業したばかりで法人カードの審査に通過するか不安な方にも、発行しやすい点がメリットです。
年会費無料で使えるものが多い
法人デビットカードは年会費が無料のものもあります。
コストをかけずに所有できることは、法人デビットカードのメリットのひとつです。
仕訳作業が煩雑になりにくい
法人カードの場合、一般的にカード払いをした日と、利用代金が引き落とされた日の2回仕訳が必要です。
法人デビットカードは、支払い時に銀行口座からすぐに引き落とされるため、仕訳は1回のみになります。法人カードと比較すると、法人デビットカードのほうが仕訳がシンプルというメリットもあります。
海外でも利用できる
法人デビットカードにJCBなどの国際ブランドがあれば、日本以外でも利用できます。
海外出張などの際、法人カードと同じように経費の支払いとしても利用可能です。
法人向けデビットカードのデメリット
法人デビットカードにはさまざまなメリットがある一方で、利用者によってはデメリットに感じる部分もあります。
銀行口座にある金額分しか支払いができない
法人カードの場合、カードごとに利用可能枠(限度額)が設定されており、利用可能枠の範囲であれば、カード払い時点での口座残高に関係なく支払いができます。
法人デビットカードの場合、銀行口座から即時引き落としになるため、口座残高が支払いできる金額の上限です。
この仕組みにより、口座残高次第では利用可能枠が十分ではないと感じることがあります。
デメリットではありますが、口座に十分な金額が入金されていれば、残高不足になることはありません。法人カードの利用可能枠よりも高額な支払いに対応できるとも考えられます。
特典やサービスが控えめ
法人デビットカードは、法人カードと比較すると特典やサービスが控えめな傾向があります。
法人カードの場合、種類によっては各種保険や空港ラウンジサービスの付帯、ETCカードの発行などビジネスシーンで活用できるサービスがあります。
銀行の窓口で申し込まなければならないものもある
法人クレジットカードは一般的にカード会社が発行主体となる一方で、法人デビットカードは銀行が発行の主体となります。
そのため法人デビットカードの申し込みは銀行が窓口となります。手続きは銀行により異なり、窓口来店が必要なケースもあれば、オンラインやアプリで完結できる銀行もあります。
来店が必要な場合は、銀行の営業時間内に来店し手続きをしなければならないため、人によってはデメリットに感じるかもしれません。
資金繰りは現金と変わらない
法人カードの場合、カード払いをした翌月または翌々月に利用代金が引き落とされるため、支払期間に猶予ができます。
一方法人デビットカードは、支払時にすぐ引き落とされるため、キャッシュフローの改善には不向きです。
また、口座に十分な残高がない場合は、まとまった金額の支払いは難しくなります。
口座の変更をするときはデビットカードの作り直しになる
法人デビットカードは銀行口座に紐付けるため、支払う口座を変更したいときは、デビットカードも変更しなければなりません。
また、法人デビットカードを作り替えるとカード番号も変更になるため、ショッピングサイトなどに登録していた情報も変更することになります。
なお、事業用の口座がひとつで、支払い先を変更する機会がない方にとってはデメリットにはならないでしょう。
法人デビットカードと法人カードはどちらがおすすめ?
法人デビットカードと法人カードは、どちらにもメリットとデメリットがあります。そのため、特徴から比較して自社にあうカードを選択しましょう。
また、法人デビットカードと法人カードは併用が可能です。ほかにも、「創業当初は法人デビットカード、数年後に法人カードを新規入会する」といったように、自社の状況にあわせてカードを使い分けることもできます。
法人デビットカードがおすすめな人
法人デビットカードがおすすめな人は、次の通りです。
- 創業間もない事業者で法人カードの審査に通過するか不安
- 仕訳をシンプルにしたい
- 現金と同じように管理したい
法人カードがおすすめな人
法人カードがおすすめな人は、次の通りです。
- キャッシュフローに余裕をもたせたい
- より多くのポイントをためたい
- 法人カードの特典やサービスを活用したい
法人向けデビットカードの選び方
自社にあう法人デビットカードを選ぶポイントには、次のようなものがあります。
年会費などのコストを確認する
法人デビットカードによって年会費は異なります。
コストを削減したい方は、年会費無料の法人デビットカードがおすすめです。
従業員向けの追加カードを発行できる法人デビットカードの場合、追加カードの発行手数料や年会費にも注目しましょう。

年会費無料の法人カードの選び方とデメリット。JCBのおすすめカードも紹介
追加で発行できる枚数を確認する
デビットカードのなかには、従業員向け追加カードを発行できるものもあります。従業員も法人デビットカードを活用するためには、追加カードの発行手続きが必要です。
追加カードが発行できるのか、何枚発行できるのかは、法人デビットカードの種類によって異なります。
何枚くらい追加発行したいのかを考慮したうえで法人デビットカードを選択しましょう。
特典・サービスの内容を確認する
デビットカードには、特典やサービスを付帯しているものもあります。ビジネスシーンをより便利にするためには、特典の内容も確認しておきましょう。
たとえば、ポイントシステム(ポイントがたまる・キャッシュバック)、会計ソフトなどとの連携可否、付帯できる保険などを比較してみるのがおすすめです。
デビットカードにはない特典もある法人カード!
法人デビットカードのメリットやデメリットを紹介しましたが、どのカードにするか迷っている方は、法人カードの発行も検討してみましょう。
法人デビットカードには、「仕訳が煩雑になりにくい」「ポイントがためられる」といったメリットもありますが、法人カードにもそのようなメリットを享受できるものはあり、よりビジネスシーンに便利な特典もあります。
たとえば法人カードには、次のようなメリットがあります。
- ETCカードを発行できる
- 旅行傷害保険や航空機遅延保険を付帯したものがある
- 空港ラウンジサービスを付帯したものがある
詳細なメリットは、こちらの記事で解説しています。
デビットカードにはない特典を付帯する「JCB Biz ONE」
「JCB Biz ONE」は個人事業主やフリーランス向けの法人カードですが、法人代表者の申し込みも可能です。
「JCB Biz ONE 一般」と「JCB Biz ONE ゴールド」の2種類があり、それぞれ特長が異なるため、自社にあうものを選択しましょう。
| カードフェイス カード名 | ![]() JCB Biz ONE | ![]() JCB Biz ONE |
|---|---|---|
| 申込対象 | 法人・個人事業主 | |
| 年会費 | 永年無料 | 5,500円(税込) 初年度無料(※1) 【年間100万円以上(税込)利用で翌年度も無料】 |
| 利用可能枠(限度額) | 10万〜500万円 | 50万〜500万円 |
| 発行スピード | 最短5分でカード番号発行 (個人名義口座限定) | |
| 空港ラウンジサービス | - | ◯ |
| 各種保険 | - | JCBサイバーリスク保険 JCBスマートフォン保険 ショッピングガード保険 |
| ETCカードの発行 | 1枚 | |
- 1 お切り替えの方は初年度年会費無料の対象となりません。
「JCB Biz ONE ゴールド」では、ビジネスシーンを便利にする特典・サービスを利用できます。
「JCB Biz ONE」は一般とゴールド、どちらもいつでもポイントが2倍獲得できます。年会費を抑えながらポイントを多く獲得できるため、コストパフォーマンスを意識する方にもおすすめです。
また、「弥生会計」「freee」といった会計ソフトなどとの自動連携が可能で、利用明細を自動的に記録するため、経理作業の効率化にもつながります。
よくある質問
-
法人デビットカードのメリットを教えてください
-
法人デビットカードには、次のようなメリットがあります。
- クレジットカードのような審査がない
- 年会費無料で使えるものが多い
- 仕訳作業が煩雑になりにくい
- 海外でも利用できる
-
法人デビットカードと法人カードの違いを教えてください
-
法人デビットカードと法人カードで大きく違うのは、カード払いをしたあとの利用代金を支払うタイミングです。
法人デビットカードは、支払いをしたあとすぐに銀行口座から引き落としされます。
一方で、法人カードは後払いになるため、支払いをした翌月または翌々月にカードの利用代金としてまとめて引き落とされることが特徴です。
そのほかにも、審査や利用可能枠、キャッシングの利用可否、海外での利用可否といった違いがあります。 -
法人デビットカードは複数枚発行することはできますか?
-
金融機関によっては、追加カードを発行できる法人デビットカードもあります。発行枚数は法人デビットカードにより異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。
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- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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法人クレジットカードは与信審査に1週間以上の時間がかかる可能性もありますが、法人デビットカードは基本的に審査なしで利用できます。創業当初で与信審査に不安がある場合、当面の決済方法として法人デビットカードを選択するといいでしょう。ただし、即時口座から引き落とされる仕組み上、仕入れ等の支払いに利用には資金に余裕を持たせる必要があります。前払いが多い法人などでは法人クレジットカードのほうが向いているでしょう。