法人カードの基本をおさえる
プライオリティ・パスが付帯する法人カード。利用時の注意点や登録方法も解説
公開日:2026年6月12日

出張や海外旅行で空港を利用する機会が多い方にとって、搭乗までの時間をどう過ごすか、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。世界各国の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」が付帯したビジネスカードがあれば、軽食やドリンクを楽しみながら、落ち着いた空間で仕事や休憩ができます。
この記事では、プライオリティ・パスのサービス内容や、付帯するビジネスカードの選び方、登録方法や利用時の注意点を分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- プライオリティ・パスが付帯するのは、一般的に「プラチナランク以上」の法人カードである
- 海外利用は「プライオリティ・パス」、国内利用は「空港ラウンジサービス」と、渡航先によって適したサービスが異なる
- ビジネスカードに付帯しているプライオリティ・パスは、別途登録が必要である点や、国内で利用できる空港が限られているなど注意点がある
目次
プライオリティ・パスとは
「プライオリティ・パス」とは、世界各国(地域)の空港ラウンジを利用できる会員サービスです。
日本各地だけでなく、世界146の国や地域、600を超える都市にある1,800ヵ所の空港で、軽食やドリンクを楽しみながら優雅に過ごしたり、充電や無料Wi-Fiを利用して仕事をしたりと、待ち時間を有意義に過ごすことが可能です。日本国内では11の空港、29ヵ所のラウンジで利用できます(2025年12月時点)。
プライオリティ・パスのサービス内容
「プライオリティ・パス」は、空港ラウンジでの飲食サービスに加え、仕事や移動をサポートするさまざまなサービスが受けられます。
代表的なサービス内容を、「プライオリティ・パス・ラウンジ」と、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジの「カードラウンジ」で比較してみましょう。
| 項目 | プライオリティ・パス・ラウンジ | カードラウンジ |
|---|---|---|
| 利用条件 | プライオリティ・パス会員 | 主にゴールド以上のクレジットカード会員 |
| サービスの例 (※1) | ソフトドリンク、アルコール 軽食、食事 Wi-Fi、電源 FAX 新聞、雑誌 シャワールーム マッサージ、スパ 空港送迎サービス レンタカーサービス 搭乗・出発・乗り継ぎの手伝い ワークスペース、ミーティングルーム 専用ゲームコーナー | ソフトドリンク、アルコール 軽食、食事 Wi-Fi、電源 FAX 新聞、雑誌 シャワールーム |
| 利用できる場所 | 世界146の国や地域、600を超える都市にある1,800ヵ所の空港ラウンジ | 国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジ |
- 1 ラウンジによって利用できるサービスは異なる。有料の場合もあり。
なお、実際に利用できるサービスの内容は、利用するラウンジによって異なります。また、ビジネスカード付帯のプライオリティ・パスでは、利用範囲が限定されている場合もあるため、事前に空港のウェブサイトやクレジットカード会社で利用可能なサービスを確認しておきましょう。

法人カードで使用できる空港ラウンジのサービス内容、利用条件を解説
プライオリティ・パスが付帯するビジネスカードの特徴
通常、プライオリティ・パスの利用には年会費がかかりますが、対象のビジネスカードを持っていれば、付帯サービスとして無料で利用することが可能です。
ただし、プライオリティ・パスが付帯するのは、一般的にプラチナカードなどのステータスが高い法人カードに限られます。ゴールドカードの場合、利用範囲は国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジの利用にとどまることがほとんどです。
そのため、プライオリティ・パス付帯のビジネスカードをお探しの場合は、プラチナクラスのカードに絞って検討すると効率的です。なお、JCBのビジネスカードのうち、プラチナグレードのカードには、「JCBプラチナ法人カード」があります。
プライオリティ・パスがビジネスシーンにもたらすメリット
国外への出張が頻繁にある方や、空港内でより快適に過ごしたい方にとって、プライオリティ・パスはフライト前の時間を有効に活用できるメリットの多いサービスです。ここでは、ビジネスカードに付帯するプライオリティ・パスの具体的なメリットを紹介します。
搭乗前後の時間をゆったり過ごし、移動の疲れを軽減できる
出張で航空機を利用する際は、早朝からの移動や乗り継ぎ、長時間のフライトなどで、心身ともに疲れがたまりやすくなります。こうしたとき、一般のロビーよりも静かな空間で過ごせるラウンジは、リラックスしやすい環境といえるでしょう。
ソファ席でゆっくりとくつろげるラウンジも多く、落ち着いた空間でコーヒーや軽食を楽しむことが可能です。ラウンジによってはシャワールームが設置されている場合もあり、長時間の移動前後にリフレッシュできます。
デスクや会議室を使った仕事など、有効的に活用できる
ビジネス利用を想定した設備の充実度も魅力です。電源コンセントや無料Wi-Fiが用意されたデスクスペースや、オンライン会議・打ち合わせに使えるミーティングルームが備えられているラウンジもあります。フライト前にメールの返信や資料の最終確認を行ったり、移動の合間にリモート会議に参加したりすることで、オフィスにいなくても滞りなく業務を進められます。
軽食やドリンクサービスが用意されている
多くのラウンジでは、コーヒーやソフトドリンク、軽食などが提供されています。なかにはその国や地域ならではの料理やスイーツを楽しめる場所もあり、移動の合間にちょっとしたリフレッシュができる点もメリットのひとつです。
また、施設により有料または1杯まで無料などの条件がありますが、アルコール類を提供しているラウンジもあります。
プライオリティ・パスが付帯するビジネスカードの選び方
ここでは、プライオリティ・パスが付帯するビジネスカードを選ぶ際の主なチェックポイントを紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プライオリティ・パスの内容と利用手数料を確認する
ビジネスカードにプライオリティ・パスが付帯していても、サービス内容や手数料はカードによって異なります。単に「付帯している」という点だけでなく、具体的な条件を比較検討することが大切です。
クレジットカードのなかには、プライオリティ・パスは付帯しているものの、発行や利用に別途費用がかかるケースもあります。通常の年会費よりは安価に設定されていることが多いものの、完全無料ではない場合もあるため注意が必要です。
また、プライオリティ・パスが無料付帯されていても、カードごとに設定されている年会費は異なります。本会員や同伴者の利用手数料とあわせて、トータルでのコストを確認しておくとよいでしょう。
旅行傷害保険などの特典・サービスは充実しているか
ビジネスカードには、プライオリティ・パスや空港ラウンジサービス以外にも、出張や日々の業務をサポートする多様な特典・サービスが付帯しています。
- 旅行傷害保険(国内・海外)
- 航空機遅延保険
- コンシェルジュサービス
- 公共交通機関の予約サービス
- 宿泊施設の予約サービス
- 従業員向け追加カードの発行
- ETCカードの発行など
出張や外回りが多い企業に勤めている場合は、これらのサービスが役立つシーンも多くなるでしょう。
ポイント・マイルがたまりやすいか
出張の機会が多いほど航空券や宿泊費、現地での交通費など、ビジネスカードで支払う金額は自然と大きくなります。その分、カードにポイントやマイルがたまりやすくなるため、ポイント還元率やマイルの貯まりやすさも注目する項目のひとつです。
「何円の利用ごとに何ポイント貯まるのか」「1ポイントが何円分相当か」に加え、よく利用する店舗・サービスでポイント倍率がアップするかどうかもチェックしておくとよいでしょう。
JCBでは、Amazon.co.jpなどのJ-POINTパートナー店を利用することで、ポイント倍率が最大20倍(※)になります。
- 事前にポイントアップ登録が必要です。
プライオリティ・パスが無料で利用できる「JCBプラチナ法人カード」
JCBの法人カードでプライオリティ・パスが付帯しているのは、「JCBプラチナ法人カード」です。
| カード年会費 | 33,000円(税込) |
|---|---|
| プライオリティ・パス 利用手数料 | 無料 |
| 同伴者料金(1名様につき) | 1名様につき2,200円(税込) |
世界各国のプライオリティ・パス対象ラウンジを利用できるのに加えて、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジを無料で利用できる「空港ラウンジサービス」も付帯しています。
また、出張や接待の心強い味方となるのが「プラチナ・コンシェルジュデスク」です。航空券やホテルの手配、レストランの予約などをサポートしてくれます。
さらに、国内・海外の旅行傷害保険も充実しており、出張中の万が一のトラブルに備えることが可能です。
なお、プライオリティ・パスの申し込みができるのは本会員のみで、追加カードではプライオリティ・パスを申し込めません。
| 旅行傷害保険 (死亡・後遺障害の場合) | 海外:最高1億円 国内:最高1億円 |
|---|---|
| 国内・海外航空機遅延保険 | 乗継遅延費用保険金(客室料・食事代): 2万円限度 出航遅延費用等保険金(食事代): 2万円限度 寄託手荷物遅延費用保険金(衣類購入費等): 2万円限度 寄託手荷物紛失費用保険金(衣類購入費等): 4万円限度 |
- 保険の適用には条件があります。
各種保険詳細(保険期間・適用条件など)は下のリンク先からご確認ください。
空港ラウンジサービスが付帯する「JCBゴールド法人カード」
国内出張が中心で、海外の空港ラウンジを利用する機会が少ない場合は「JCBゴールド法人カード」という選択肢もあります。JCBゴールド法人カードにはプライオリティ・パスは付帯しませんが、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジを無料で利用できる空港ラウンジサービスが付帯しています。
| カード年会費 | 11,000円(税込) 初年度年会費無料 |
|---|---|
| 同伴者料金(1名様につき) | 有料(ラウンジにより異なる) |
プラチナカードより年会費を抑えつつ、国内出張で空港ラウンジを利用したい方に適したカードです。
さらに、国内・海外の旅行傷害保険で出張中のケガや病気に備えたり、航空機遅延保険でフライトの遅延・欠航などによる宿泊費・飲食費の負担を軽減したりすることも可能です。
| 国内・海外航空機遅延保険 | 乗継遅延費用保険金(客室料・食事代): 2万円限度 出航遅延費用等保険金(食事代): 2万円限度 寄託手荷物遅延費用保険金(衣類購入費等): 2万円限度 寄託手荷物紛失費用保険金(衣類購入費等): 4万円限度 |
|---|
- 保険の適用には条件があります。
各種保険詳細(保険期間・適用条件など)は下のリンク先からご確認ください。
ビジネスカードに付帯するプライオリティ・パスの注意点
プライオリティ・パスが付帯するビジネスカードは便利な一方で、事前に知っておきたい注意点もあります。
利用前に登録が必要になる
プライオリティ・パスが付帯しているクレジットカードを発行しただけでは、サービスの利用はできません。クレジットカードとは別のサービスであるプライオリティ・パスは、別途会員登録が必要です。
登録が完了し、プライオリティ・パスの会員証またはデジタル会員証が発行されてはじめて、対象ラウンジを利用できるようになります。ラウンジを利用する前に手続きを済ませておきましょう。
登録方法は「ビジネスカードに付帯するプライオリティ・パスの登録方法」をご覧ください。
利用できない空港ラウンジもある
プライオリティ・パスがあれば、すべての空港ラウンジを利用できるわけではありません。世界各国に対象ラウンジがある一方で、国内の空港やターミナルはプライオリティ・パスで入室できるラウンジが限られています。
2026年3月時点、日本国内でプライオリティ・パスの利用ができる主な空港はこちらです。
- 成田国際空港
- 羽田空港
- 中部国際空港セントレア
- 関西国際空港
- 福岡国際空港
もし、これらの空港以外の国内空港を利用する機会が多い場合は、JCBゴールド法人カードなどに付帯する「空港ラウンジサービス(いわゆるカードラウンジ)」の活用も視野に入れるとよいでしょう。
なお、ANAやJALなどが運営する「航空会社ラウンジ」は、原則としてプライオリティ・パスや一般的なクレジットカード特典の対象ではありません。これらは航空会社の上級会員や、ビジネスクラス以上の搭乗者など、特定の条件を満たした方のみが利用できる特別な空間である点に注意が必要です。
同伴者は料金が発生する場合がある
プライオリティ・パスを利用する際、同伴者がいる場合の料金・人数制限はラウンジによって異なります。カード会員本人は無料でも、同伴者は1名あたり一定の料金が発生することが多く、2名まで、3名までといった人数制限が設けられているケースもあります。
出張で同僚と一緒に利用する予定がある場合や、家族旅行の際に同伴者もラウンジを利用したい場合には、事前に同伴者料金や利用可能人数を確認しておくとよいでしょう。
カードの本会員(代表者)のみが利用できる
ビジネスカードでは、代表者以外の従業員向けに追加カードを発行できるものがありますが、プライオリティ・パスに関しては注意が必要です。多くのビジネスカードにおいて、申し込みの権利があるのは「本会員(代表者)」のみに限られます。追加カード会員(従業員)には、プライオリティ・パスが付帯しないケースが一般的であることを理解しておきましょう。
ビジネスカードに付帯するプライオリティ・パスの登録方法
プライオリティ・パスがビジネスカードに付帯している場合、クレジットカード会社の会員専用ページなどから登録手続きを行います。ここでは、JCBの法人カードを例に、登録の流れを紹介します。
- 会員専用WEBサービス「MyJCB」にログインする
「お持ちのカード限定サービス」のなかから、「○○会員サービス」と書かれたバナーを押下する(例:「JCBプラチナ会員サービス」など) - お持ちのカードの専用サイトに遷移したら、「サービス一覧」内の「旅行」を選択する
- 「プライオリティ・パス」を押下し、案内にしたがって申し込み手続きを行う
実際の画面やメニュー名称はカードや時期によって変更される可能性がありますが、大まかな流れは「会員専用サイトにログインする → 限定サービスのページからプライオリティ・パスの案内ページへ進む → 申し込みを行う」イメージです。
- JCBは、アプリによるデジタル会員証は非対応です。
プライオリティ・パスで空港ラウンジを利用する流れ
プライオリティ・パスで空港ラウンジを利用する流れを紹介します。
- ラウンジの受付で、プライオリティ・パスの会員証(デジタル会員証)を提示する
- 利用人数や利用日時などの確認を受け、署名など所定の手続きにしたがう
- 同伴者がいて料金が発生する場合は、会員証を提示した方のクレジットカードから後日利用金額が引き落とされる
搭乗券やパスポートなど必要なものと一緒に、すぐ取り出せる場所に会員証を準備しておくと、スムーズな入室が可能です。
よくある質問
-
プライオリティ・パスが無料で付帯するビジネスカードはありますか?
-
ビジネスカードのなかでも、プライオリティ・パスが付帯されているのはプラチナクラスのカードです。JCBのビジネスカードの場合、「JCBプラチナ法人カード」にプライオリティ・パスが付帯しています。なお、プライオリティ・パスの申し込みは、カードの本会員(代表者)のみに限られます。
-
ビジネスカードに付帯するプライオリティ・パスの使い方を教えてください
-
プライオリティ・パスの申し込み・登録をしていない場合は、クレジットカード会社の会員専用ページから手続きが必要です。登録が完了したら、空港ラウンジの受付でプライオリティ・パスの会員証を提示し、案内にしたがって入室します。なお、JCBのビジネスカードの場合は、MyJCBにログインし、限定サービスのメニューからプライオリティ・パスの申し込みページへ進む流れとなります。
-
プライオリティ・パスと空港ラウンジサービスの違いはありますか?
-
利用できるエリアとサービスの範囲が異なります。プライオリティ・パスでは、世界各国(地域)の空港ラウンジサービスの利用だけでなく、空港送迎・レンタカーサービスや搭乗・出発・乗り継ぎの手伝いといったさまざまなサービスを受けられます。
一方、空港ラウンジサービスは、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にある空港ラウンジを無料で利用できるクレジットカード付帯サービスです。日本国内の空港に関しては、プライオリティ・パスよりもカードラウンジサービスのほうが、利用できる拠点が充実している傾向にあります。
海外利用がメインならプライオリティ・パス、国内出張がメインなら空港ラウンジサービスというように、ご自身の利用シーンにあわせて選ぶとよいでしょう。
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- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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