法人カードの基本をおさえる
法人カードで使用できる空港ラウンジのサービス内容、利用条件を解説
公開日:2025年9月30日
法人カードを所有している場合、「空港ラウンジサービス」または「プライオリティ・パス」が付帯されていれば、空港ラウンジを利用できます。ラウンジでは、コンセントや無料Wi-Fiを利用できたり、ソフトドリンクを楽しめたり、新聞や雑誌を閲覧できたりと多彩なサービスを利用できます。
ただし、空港ラウンジには種類があり、法人カードの特典で利用できるラウンジは限られています。利用条件がラウンジごとに異なる点や、ラウンジでは搭乗アナウンスが流れない点などの注意点もあります。
搭乗前の時間を有意義に過ごすためにも、法人カードで利用できる空港ラウンジのサービス内容、利用条件、注意点などを確認しておきましょう。
この記事でわかること
- 法人カードで利用できる空港ラウンジの種類
- 法人カードで受けられる空港ラウンジのサービス内容
- 法人カードで利用できる空港ラウンジの利用方法や注意点
目次
法人カードで空港ラウンジを利用できる
空港ラウンジは、法人カード(ビジネスカードやコーポレートカード)の特典や付帯サービスに、「空港ラウンジサービス」や「プライオリティ・パス」が付帯されていれば、利用できます。
空港ラウンジサービスが付帯されている場合は、国内の主要空港またはハワイ ホノルル国際空港内にあるラウンジを利用できます。プライオリティ・パスが付帯されている場合は、国内だけでなく世界各国の主要空港ラウンジやサービスも利用可能です。
空港ラウンジサービスやプライオリティ・パスは、一般的に、ゴールドランク以上のカードに付帯されています。
空港ラウンジの種類
空港ラウンジは3種類あり、それぞれ利用対象者や利用可能サービスなどが異なります。
法人カードを含むクレジットカードで利用できるラウンジは「カードラウンジ」であることが一般的です。
カードラウンジ
「カードラウンジ」とは、空港とクレジットカード会社が提携しているラウンジを指します。
羽田空港では「共有ラウンジ」、成田空港では「クレジットカード会社ラウンジ」、関西空港では「カード会社メンバーズラウンジ」の名称です。
国内の主要空港およびハワイ ホノルルの国際空港内のラウンジを無料で利用できます。
カードラウンジでは、コンセントや無料Wi-Fiが整ったくつろぎの空間で、フリードリンクを片手に有意義な時間を過ごせます。
航空会社ラウンジ
「航空会社ラウンジ」とは、航空会社が提供しているラウンジです。
航空会社ラウンジを利用できる対象者は、ファーストクラス・ビジネスクラス搭乗者や一定の基準を満たした会員などに限られています。
航空会社ラウンジで利用できるサービスは、カードラウンジよりも充実している傾向です。ラグジュアリーな空間で、アルコールやソフトドリンクなどのドリンク類や、おにぎりやパン、スープ、味噌汁などの軽食を楽しめます。充電設備や無料Wi-Fiが整っているため、搭乗までの仕事空間としても活用できます。
「プライオリティ・パス」会員が利用できるラウンジ
「プライオリティ・パス」とは、世界各国(地域)の空港ラウンジを利用できる会員サービスです。
日本各地だけでなく、世界145の国や地域、600を超える都市にある1,700ヵ所の空港で、軽食やドリンクを楽しみながら優雅に過ごしたり、充電や無料Wi-Fiを利用して仕事したりと、待ち時間を有意義に過ごすことが可能です。日本国内では7つの空港、23ヵ所のラウンジで利用可能です(2025年6月現在)。
空港ラウンジのほか、フィットネスやマッサージ体験、レンタカー優待、空港送迎サービスといった会員特典も利用できます。たとえば、羽田空港では第1ターミナルにあるボディケアスパを、成田空港では第1ターミナルにあるレストランを優待価格で利用できます。
プライオリティ・パスは、利用頻度にあわせて「スタンダード」「スタンダード・プラス」「プレステージ」の3つの料金プランから選べます。
法人カードの種類によっては、会員特典としてプライオリティ・パスが付帯されています。
JCBの法人カードでは、「JCBプラチナ法人カード」にプライオリティ・パスが付帯しています。
- 代表使用者以外のカード使用者は申し込めません。
法人カードの提示で利用できるカードラウンジのサービス
法人カード(ビジネスカードやコーポレートカード)の提示で利用できる空港のカードラウンジでは、無料ドリンクや無料Wi-Fi、新聞・雑誌の閲覧サービスなどが提供されています。
くつろぎの空間
カードラウンジの大きな魅力は、ゆったりと落ち着ける空間が整っていることです。
利用者は一定の条件を満たした人に限定されるため、待合スペースに比べると静かで混み合うことがほとんどありません。搭乗前の時間をリラックスして過ごせるでしょう。
ラウンジ専用の無線LAN
カードラウンジでは、専用無線LANによる高速回線のWi-Fiが利用でき、スマートフォンやパソコンなどの端末からウェブにアクセスしたり動画を視聴したりすることが可能です。
利用者が使えるコンセントも充実していることが多いため、充電切れの心配も少ないでしょう。
ドリンクの無料提供サービス
一般的に、各カードラウンジではソフトドリンクが無料で提供されています。ラウンジによっては、アルコールやスナック類、食事も楽しめます。
新聞・雑誌閲覧サービス
空港ラウンジではその日の新聞や最新の雑誌を複数そろえており、ラウンジ内で自由に読めます。
出張で早朝に空港を利用している場合も、搭乗までの空き時間を利用して情報収集ができるのも魅力のひとつです。
シャワールームや個室の利用
ラウンジによっては、シャワールームや個室も利用できます。無料で利用できる場合と、時間制で有料で利用できる場合があります。
プリンター・FAXなどのビジネスサポート
ラウンジによっては複合機が設置されており、プリント・コピー・FAXなどを有償で利用できます。
利用金額はモノクロ1枚10円などと、コンビニで利用する場合と同等です。
法人カードで入れる空港ラウンジの利用条件や利用方法
カードラウンジは、本人名義の対象法人カードと、当日の搭乗が確認できるものを提示することで無料で利用できます。どちらかが欠けていると、無料では利用できません。
当日の搭乗が確認できるものの例は、次の通りです。
当日の搭乗が確認できるものの例
- 航空券
- 航空会社アプリ画面
- eチケット控え
- 手荷物タグ
- ご予約・決済完了メール
なお、追加カードの所有者である従業員も利用可能です。
同伴者の利用や対象カードを持っていない場合は有料
カードラウンジは、対象の法人カードを持つ会員本人が無料で利用できますが、同伴者やカードを持っていない方が利用する場合は有料です。
ただし、カード会員である従業員が所有するカードの種類やランクによっては、同伴者も無料となる場合があります。その場合も、同伴者名義の当日の搭乗が確認できるものを提示する必要があります。
また、カードを持っていない方でも、ラウンジによって所定の料金(千円台から数千円)を支払うことで利用できます。
到着後も利用できる
空港によっては、到着後もカードラウンジが利用できます。到着後に急ぎの仕事やメールの対応をする場所として使用したり、ホテルのチェックインまでの時間を過ごしたりできて便利です。
空港ラウンジを利用する際の注意点
空港ラウンジを利用する際は、搭乗アナウンスが流れない点や利用上の制限がある点に注意する必要があります。
搭乗アナウンスが流れない
空港ラウンジでは、出発ロビーのように搭乗アナウンスが流れないため、自分で搭乗時間を管理する必要があります。
ラウンジ内にあるフライトインフォメーションでは、運航状況を確認できます。
利用上の注意を守る
ラウンジごとに利用上の注意点が異なります。
ラウンジの利用上の注意例
- 全面禁煙(喫煙可能エリアを制限)
- 飲食物の持ち込み禁止
- 通話禁止(通話可能エリアを制限)
- 無料利用は2時間まで
カードラウンジ内の看板や、空港のウェブサイトなどを確認し、利用するラウンジの注意事項を守って活用しましょう。
法人カードは空港ラウンジだけでなくビジネス向けのメリットが豊富
法人カードとは、法人や法人代表者、個人事業主が業務に関連する費用を支払うためのクレジットカードです。
一般的に、ゴールドカード以上のランクで、国内の主要空港およびハワイ ホノルルの国際空港内のラウンジを無料で利用できます。
従業員向けに追加カードを発行すれば、交通費や宿泊費などの経費精算処理も省略できるため、特に出張の多い企業は、ゴールドカード以上の法人カードの発行がおすすめです。
法人カードは、空港ラウンジサービスだけでなく、ビジネス向けの付帯サービスが豊富です。
法人カードのビジネス向け付帯サービスの例
- 旅行傷害保険
- 空港ラウンジサービス
- 請求書カード払い
- 人間ドックサービス
- クラウド会計ソフトの連携
- 福利厚生サービスの優待価格利用 など
連携できる会計ソフトも多いため、経費の支払いを法人カードにまとめるだけで、会計処理を効率化できます。
空港のラウンジが使えるJCBの法人カード(ビジネスカード、コーポレートカード)
JCBの法人カードでは、中小企業や個人事業主向けのビジネスカードのゴールドと、大規模企業向けのコーポレートカードで空港サービスを利用できます。
ここでは、空港ラウンジサービスを付帯している3券種を紹介します。
- JCB Biz ONE ゴールド
- JCBゴールド法人カード
- JCBコーポレートカード
どこで使ってもつねにポイント2倍の「JCB Biz ONE ゴールド」

「JCB Biz ONEゴールド」は、法人代表者や個人事業主のための法人カードです。
空港ラウンジサービスが付帯されており、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内のラウンジを無料で利用できます。
年会費は5,500円(税込)ですが、初年度の年会費は無料で、年間100万円(税込)以上の利用で翌年度も無料です。経費を年間で100万円以上支払う場合は、コストをかけずに空港ラウンジサービスを利用できます。
空港ラウンジの利用回数には制限がないため、出張回数が多い人ほど費用対効果が高くなるでしょう。
また、どこで使ってもつねにポイント2倍になることも特長のひとつです。経費の支払いを「JCB Biz ONEゴールド」に一本化することで、空港ラウンジが利用できたり経費処理が効率化できたりするだけでなく、ポイントも多く獲得できます。
たまったポイントはAmazon.co.jpでのお支払い利用やマイルへの移行が可能です。
空港ラウンジサービスのほか、万が一のときに安心な「JCBサイバーリスク保険」や「ショッピングガード保険」なども付帯しています。
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中小企業向けでETCカードを複数枚発行できる「JCBゴールド法人カード」

「JCBゴールド法人カード」は、中小企業または個人事業主のための法人カードです。
空港ラウンジサービスが付帯されており、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内のラウンジを無料で利用できます。
年会費は11,000円(税込)ですが、オンライン入会であれば初年度年会費無料です。
使用者カードやETCカードは、従業員数にあわせて複数枚発行が可能で、使用者カードを所有する従業員も利用可能です。
従業員向けの使用者カードは、追加1名ごとに3,300円(税込)の年会費がかかりますが、1枚目の年会費が無料であれば追加のカードも無料です。
空港ラウンジの利用回数に制限がないため、出張回数が多い企業ほど費用対効果が高いといえるでしょう。
ETCカードや追加カードを複数枚発行できる法人カードでありながら、利用合計金額に応じてポイントがたまることも特長です。
「JCBプラチナ法人カード」なら「プライオリティ・パス」も付帯

「JCBプラチナ法人カード」なら、空港ラウンジサービスのほか、プライオリティ・パスも付帯されているため、日本の主要空港だけでなく、世界の主要空港ラウンジや空港内のサービスを無料で利用できます。
年会費、1回ごとの利用料などはJCBが負担します。
「JCBプラチナ法人カード」の年会費は33,000円(税込)、使用者1名ごとに年会費6,600円(税込)です。
大規模企業向けの「JCBコーポレートカード」

「JCBコーポレートカード」は、大規模企業向けのコーポレートカードです。年会費は33,000円(税込)です。
空港ラウンジサービスが付帯されており、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内のラウンジを無料で利用できます。
経費の利用実態にあわせて、従業員向けに追加カードやETCカードを枚数制限なしで発行できます。追加カードの年会費はかからないため、コストを抑えながら空港ラウンジが利用可能です。空港ラウンジの利用回数に制限がなく、出張回数が多い企業ほど導入するメリットが大きくなるといえます。
よくある質問
-
法人カードではどのような空港ラウンジを利用できますか?
-
空港ラウンジサービスを付帯する法人カードであれば、国内主要空港のカードラウンジが利用できます。
カードラウンジでは、静かでくつろげる空間で、ソフトドリンクのほか、無料Wi-Fiや新聞・雑誌閲覧サービスなどが利用できます。
ただし、国内すべての空港で利用できるわけではありません。また、海外の空港ラウンジは利用できないため注意しましょう(ハワイ ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港を除く)。 -
プライベートでも法人カードを使って空港ラウンジを使えますか?
-
プライベートで法人カードを提示して空港ラウンジを利用することは、カード会社の規約では禁止されていませんが、会社の規則で禁止されている場合があります。
利用する前に就業規則などを確認しておきましょう。 -
空港ラウンジはコーポレートカードでも利用できますか?
-
対象のカードであれば、コーポレートカードでも空港のカードラウンジを利用できます。
対象カードはラウンジによって異なるため、利用予定のラウンジの対象カードをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
なお、対象ではない場合でも、指定の利用料を支払うことで利用できます。
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- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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ラウンジサービスでは無線LANやドリングサービス、シャワールームなど、出張の際に快適に過ごせるサービスが充実しています。「空港ラウンジサービス」は国内主要空港+ホノルル空港のみでゴールドカードに付帯するのが一般的です。「プライオリティ・パス」は世界中の空港ラウンジを利用できるため海外出張が多い会社向けで、プラチナカードに付帯することがあります。年会費やラウンジ以外の付帯サービスも比較して申し込む法人カードを検討しましょう。