法人カードの基本をおさえる
ETCカード利用時の領収書を発行する方法。領収書の代わりになる書類を紹介
公開日:2025年6月26日
ETCカードで高速道路などのETCレーンを通過した場合、その場で領収書を受け取ることはできません。経費精算などで領収書が必要な場合は、クレジットカードの利用明細や、ETC利用照会サービスから取得できる利用証明書を活用する方法があります。
一般レーンを通行すればその場で領収書を受け取れますが、ETC割引が適用されなくなる点に注意しましょう。
この記事でわかること
- ETCレーン通過時に領収書はもらえるか
- ETC利用時の領収書代わりに利用できるもの
- 高速道路利用時の領収書に関する注意点
目次
ETCレーン通過時は、領収書がもらえない
高速道路などの有料道路でETCレーンを通過した場合、その場で領収書は発行されません。
そもそも領収書とは、金銭の受け取りを証明する書類です。クレジットカード付帯のETCカードを利用して通行料金を支払う場合、カード会社が一時的に通行料金を立て替え、後日まとめて利用者の口座から引き落とされます。ETCカード利用者が実際に通行料金を支払うのはクレジットカード利用代金の引き落とし日となります。
つまり、ETCカードを使ってレーンを通過した時点では、通行料金の支払いが完了していないため、その場で領収書を受け取ることはできないということです。
一般レーン通過時は、料金を支払うときに領収書がもらえる
ETCカードを利用せず、一般レーンで通行料金を支払う場合は、支払い後に「領収書ボタン」を押すことで、領収書を受け取れます。これは、現金払いだけでなく、クレジットカード払いの場合も同様です。ただし、クレジットカード払いの場合は、「領収書」ではなく「利用証明書」と表示されます。
注意点として、一般レーンではETCカードのように利用記録が残らないため、領収書や利用証明書の発行を忘れたり、発行後に紛失したりすると、通行料金の支払いを証明することができません。そのため、領収書が必要なときは、その場で必ず発行しておくことが大切です。
ETC利用時の領収書代わりに利用できるもの
次の4つの項目が記載されている書類は、領収書として認められます。
- 書類作成者の名称(企業名)
- 商品やサービスを購入した年月日
- 購入した商品やサービスの内容
- 購入金額
ETC利用時には領収書が発行されないため、「利用履歴」を領収書代わりとして活用できます 。ETCカードの利用履歴を確認する方法は次の通りです。
クレジットカードの利用明細
カード会員専用アプリやウェブサイトで確認できるクレジットカードの利用明細も、ETCの領収書として認められる場合があります。利用明細に「ETCカードの利用であること」「利用日時」「利用区間」「支払金額」などが記載されていれば、認められる可能性があります。
利用明細を閲覧できる期間はカード会社によって異なりますが、15~17ヵ月が一般的 です。必要な明細はPDF化して保存しておくとよいでしょう。
ETC利用照会サービスの利用証明書
ETC利用照会サービスで発行する利用証明書も、領収書の代わりになります。ETC利用照会サービスとは、ETCカードを利用した走行明細をインターネット上で確認・出力できるサービスです。初回利用時に利用者登録が必要ですが、年会費や利用料などはかかりません。
クレジットカード付帯のETCカードのほか、ETCパーソナルカードやETCコーポレートカードなど、クレジット機能なしのETCカードを利用している方でも利用できます。利用明細の表示だけでなく、PDFやCSVファイルでの出力や印刷も可能です。
プリンターがないときはコンビニで印刷できる
ETC利用照会サービスから出力した利用明細書は自宅や会社のプリンターなどで印刷できますが、コンビニのプリントサービスを活用する方法もあります。
店舗によって操作方法は異なりますが、一般的な流れは次の通りです。
- ETC利用照会サービスに登録する
- 利用明細を作成する
- 作成した利用明細をPDF化する
- コンビニのプリントサービスに会員登録し、ログインする
- PDFファイルをプリントサービスに登録する
- コンビニのマルチコピー機で印刷する
プリントサービスによっては、会員登録やログイン不要で利用できるものもあります。
SA・PAにある「ETC利用履歴発行プリンタ」を利用する
一部のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)に設置されている「ETC利用履歴発行プリンタ」で発行できる利用明細書も、領収書の代わりになります。
「ETC利用履歴発行プリンタ」は、ETCカードに記録された利用履歴をもとに、利用明細書を無料で印刷できる機械です。ETCカードのICチップを上面にして機械に差し込み、案内に沿って操作することで、利用明細書が印刷されます。
インボイス制度に対応した領収書について
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の仕入税額控除を受けるには、「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になります。
適格請求書(インボイス)として認められるためには、下の項目を満たしている必要があります。
適格請求書への記載事項
- 書類作成者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価(又は税抜対価)の額及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
- 小売業、飲食店業、タクシー等を営む事業者が交付する書類については、4の適用税率又は5の記載及び、6の記載を省略することができます
ETCカードで支払った通行料金に対し、上の項目を満たした「利用証明書」を「ETC利用照会サービス」からダウンロード・保存することで、インボイスとして認められます。
一方で、カード会社が発行した利用明細は領収書としては認められますが、インボイスとしては認められないため注意しましょう。
レンタカーでETCを利用した場合の領収書はどうする?
レンタカーを利用している場合でも、自身が所有しているETCカードを挿入すれば、ETCレーンを通過することは可能です。クレジットカードの利用明細には、ETCカードを利用した通行料金が記録されます。
ただし、「ETC利用照会サービス」を利用する場合、レンタカーに搭載されているETC車載器の「車載器管理番号」を登録していないと、利用明細書を確認できません。
そのため、レンタカーを利用してETCカードを使い、利用明細書が必要な場合は、利用したレンタカー会社に連絡し、ETC車載器の管理番号を確認 する必要があります。
高速道路利用時の領収書に関する注意点
ETC利用照会サービスを利用するには、会員登録が必要です。「ETCマイレージサービス」とは別のサービスであり、それぞれに登録が必要となります。
登録には、次の5つの情報が必要です。
- ETCカード番号
- メールアドレス
- 過去の利用年月日
- 車両番号
- 車載器管理番号
また、登録には過去にETC無線通行を利用している実績が必要です。ETCカードを発行したばかりの方は、まだ登録できない場合があるため注意しましょう。
ETCカードも発行できるJCBの法人カード
JCBの法人カードでは、ETCカードを発行できます。「ETCスルーカード」と「ETCスルーカードN」の2種類があり、法人カードの種類によって発行可能なETCカードが異なります。
たとえば、「JCB Biz ONE」では「ETCスルーカード」、「JCB法人カード」では「ETCスルーカードN」が発行されます。いずれもETCカードの年会費や発行手数料は無料です。
法人カードを発行した後に、必要に応じてETCカードの申し込みができます。また、法人カードを新規申込の際に、ETCカードを同時に申し込むことも可能です。
個人事業主におすすめ「JCB Biz ONE 一般」

「JCB Biz ONE 一般」は、年会費が永年無料で、コストを抑えて利用したい方におすすめの法人カードです。ETCカードは1枚のみ発行可能です。
事業に関する書類の提出が不要なため、スムーズに申し込みできる点も魅力です。さらに、「JCB Biz ONE 一般」は、どの店舗で利用してもポイントが2倍になります。通常1,000円(税込)で1ポイントのところ、2ポイントがたまるため、ETCカードの利用や事業に関する物品の支払いなどで効率よくポイントをためられます。
中小企業向け「JCB一般法人カード」

「JCB一般法人カード」は、年会費1,375円(税込)で、初年度年会費無料の法人カードです。ETCカードは複数枚発行できます(※)。
主に中小企業の方に向けたカードですが、個人事業主の申し込みも可能です。国内・海外の旅行傷害保険を付帯しているため、出張の多い方にも便利です。
また、「JCB法人カード」は追加カードの発行が可能で、ETCカードは法人カードの枚数と関係なく複数枚発行可能です。
- 所定の審査により、ご希望の枚数を発行できない場合があります。
法人がETCカードを作る4つのメリット。作り方や審査についても解説
走行日・利用区間・金額をインターネット上で確認できる「JCB E-Co明細(イーコメイサイ)」
「JCB E-Co明細」は、インターネット上で走行日や利用区間、利用金額を確認できるサービスです。JCB法人カードなどで発行できる「ETCスルーカードN」に付帯 しています。
利用明細書の照会だけでなく、印刷やPDF形式でのデータ出力も可能です。最長15ヵ月分の利用明細書を確認できます。「JCB E-Co明細」の詳細は、こちらのページをご覧ください。
よくある質問
-
ETC利用時の領収書はどこで発行できますか?
-
ETCレーンを通行した場合、その場で領収書は発行されません。領収書の代わりとしては、クレジットカードの利用明細やETC利用照会サービスで発行できる利用証明書などがあります。なお、ETC利用照会サービスの利用には会員登録が必要です。
-
一般レーンを通過すれば領収書を発行することができますか?
-
一般レーンを通行した場合は、料金精算時に領収書(利用明細書)を発行することが可能です。ただし、一般レーンでは深夜割引や休日割引などのETC割引が適用されない点に注意が必要です。
-
ETCの領収書(利用証明書)はコンビニで発行できますか?
-
ETC利用照会サービスで出力した利用明細を、コンビニで印刷することが可能です。一般的な手順は次の通りです。
- ETC利用照会サービスに登録する
- 利用明細を作成する
- 作成した利用明細をPDF化する
- コンビニのプリントサービスに会員登録し、ログインする
- PDFファイルをプリントサービスに登録する
- コンビニのマルチコピー機で印刷する
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法人にとって、領収書は経費を計上するためには欠かすことのできない書類のひとつです。ETCカードで支払っても領収書を受け取れないから経費にできないとあきらめている人もいるようですが、必要項目を満たしている書類であれば領収書として認められますし、ETC利用照会サービスで発行する利用証明書も領収書の代わりになりますよ。ただし利用照会サービスは会員登録が必要です。忘れずに登録し、経費に計上しましょう。