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個人事業主が口座開設する方法。口座を分けるメリットと開設の流れ・必要書類を解説

公開日:2026年6月12日

個人事業主が口座開設する方法。口座を分けるメリットと開設の流れ・必要書類を解説

個人事業主として事業を始めるにあたり、「事業用口座の開設は必要か」「プライベート用の口座と分けるべきか」と悩む方もいるでしょう。
事業用口座を開設することで、事業に関する入出金を把握しやすくなり、日々の帳簿付けや確定申告を効率化しやすくなるなどのメリットがあります。
この記事では、個人事業主が事業用口座を開設する必要性や、開設するメリット、注意点などをわかりやすく解説します。事業用口座の開設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 事業用口座の名義は「氏名のみ」または「屋号+氏名」を選べる
  • 事業用口座の開設には、開業届など、事業の実態を確認できる書類の提出が必要
  • 開業届を提出していない場合、事業用口座の開設はできない

個人事業主が事業用口座(ビジネス口座)を開設する必要性とは?

個人事業主のなかには、事業で得た報酬をプライベートの口座で受け取ったり、経費の支払いを行ったりしている方もいるかもしれません。入出金の頻度が少ないうちは、プライベートの口座で事業の入出金を管理していても、大きな支障は出にくいといえます。
また、事業に関する支払いをプライベートの口座で行うこと自体に、法律上の罰則はありません。
しかし、取引先が増えたり、仕入れや経費の支払いが増えたりすると、事業に関する入出金の回数が多くなります。プライベートと事業のお金を同じ口座内で管理していると、お金の流れを把握しづらくなってしまいます。
その結果、経理作業が煩雑になって時間を要したり、本来は経費にできる支出を計上し忘れたりすることもあるでしょう。
事業用口座を開設することで、事業に関する入出金を分けて管理できます。事業を継続していくうえで、資金の流れを把握しやすくなる事業用口座は欠かせないといえます。

個人事業主が開設できる口座の種類

個人事業主が開設できる口座は「口座の用途」と「口座の名義」によって、主に次の3種類に分けられます

  • 個人用口座(氏名のみ)
  • 事業用口座(氏名のみ)
  • 事業用口座(屋号+氏名)

個人事業主は、プライベート用の「個人用口座」と、事業に使用する「事業用口座」を開設できます。
事業用口座の名義は、「氏名のみ」または「屋号+氏名」から選択可能です。ただし、名義に屋号を付けられるのは事業用口座のみで、個人用口座では屋号を付けられません。
また、銀行によっては事業用口座が「個人事業用」と「法人用」に分かれている場合があります。個人事業主の方は個人事業用を選びましょう。

個人事業主が事業用の口座を開設するメリット

ここでは、個人事業主が事業用口座を持つ主なメリットを見ていきましょう。

個人事業主が事業用の口座を開設するメリット

事業に関する入出金がわかりやすくなる

事業用口座を開設すれば、事業で「いつ・いくら使っているか」や、事業に使える資金がどれくらい残っているかを把握しやすくなります
一方、プライベートと事業の入出金を同じ口座で管理している場合、口座を見るだけでは「事業に使えるお金がどれくらいあるか」を把握しづらくなります。
口座を区別することで、資金繰りの状況を把握しやすくなる点が、事業用口座を開設するメリットといえるでしょう。

確定申告に関する作業を効率化できる

確定申告では、事業に使用している銀行口座の入出金を確認しながら、帳簿付けを行う必要があります。
プライベートと事業の資金を同じ口座で管理していると、入出金の明細だけでは事業関連のものかどうかを判別しづらくなるため、帳簿付けに時間を要します。
事業用口座を作り、事業に関する入出金を分けて管理すれば、帳簿付けをスムーズに進めやすくなるでしょう。

取引先から信頼を得やすい

屋号付き口座があると、事業としての信用につながることがあります。屋号付き口座で取引を行うことで、個人事業主であっても、プライベートと事業のお金を分けて管理していることを示せるためです。
なお、屋号付きの口座を開設できるのは一部の銀行に限られます。

個人事業主の場合、仕事とプライベートのお金が混同しがちです。混同させないためには、仕事のお金の流れが分かりやすいように、プライベート用とは別に事業用として口座を開設することをおすすめします。そのときには、あわせて法人カードの発行をしておくようにします。法人カードがあれば経費精算の管理がしやすくなりますので、業務効率がアップしますよ。

監修者 飯田 道子
CFP認定者・一級ファイナンシャル・プランニング技能士
飯田 道子

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個人事業主が事業用の口座を開設するときの注意点

ここでは、個人事業主が口座を開設する際に押さえておきたいポイントを説明します。

個人事業主が事業用の口座を開設するときの注意点

開業前には事業用の口座を開設できない

事業用口座の開設では、開業届の控えなど、事業の実態を確認できる書類の提出を求められます。開業届とは、新たに事業を開始した際に税務署へ提出する書類です。
そのため、すでに個人事業主として事業を行っていても、開業届を提出していなければ事業用口座は開設できません
なお、開業届は事業開始から1ヵ月以内に提出することが定められていますが、提出しなかった場合でも罰則はありません。

屋号付き口座を開設できる銀行は限られる

屋号付き口座を開設できる銀行は限られています。
一部のネット銀行では、屋号付き口座の開設が可能です。メガバンクでも、実店舗に来店し、所定の条件を満たすことで、屋号付き口座を開設できる場合があります
口座名義に屋号を付けたい方は、利用予定の銀行で屋号付き口座の開設が可能かどうかを、あらかじめ確認しておきましょう。

口座開設には1〜2週間程度かかる場合がある

事業用口座の開設には1〜2週間程度かかることがあります。金融機関や申込状況によっては1ヵ月以上かかることもあります。プライベート用の口座を使わないようにしたい方は、事業を開始してから早いタイミングで申し込み手続きを行っておくと安心です。
なお、一部のネット銀行では最短当日に口座開設できる場合もあります。

屋号なし(氏名のみ)の口座を開設できない場合がある

個人事業主のなかには、屋号を付けていない方もいます。ただし、銀行によっては、屋号なし(氏名のみ)では、事業用口座を開設できない場合があります。
開業届に屋号を記載しておらず、屋号がない場合は、氏名のみで事業用口座を開設できる銀行を選ぶか、屋号を付けたうえで口座開設を行うことを検討しましょう。
すでに開業届を提出済みの場合でも、屋号をあとから付けることは可能です。次の確定申告の際に記入するか、屋号入りの開業届を再提出することで登録できます。

「店舗型銀行」と「ネット銀行」どちらで事業用の口座を開設する?

事業用口座は、店舗型銀行とネット銀行のどちらでも開設できます。それぞれに特徴があるため、自身の事業内容や使い方にあった銀行を選びましょう。

店舗型銀行の特徴

店舗型銀行とは、メガバンクや地方銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行など、実店舗を持つ銀行を指します。プライベート用の口座を実店舗で開設している場合は、同じ金融機関で事業用口座を開設する選択肢もあります。
それぞれの特徴を見てみましょう。

メガバンク知名度が高く、取引先の信頼を得やすい可能性がある。
国内外に提携ATMがあり、出張時も使いやすい。
地方銀行地域の取引先との信頼関係を築くうえで役立つ可能性がある。
信用金庫地域密着型で、事業拡大や資金調達などの相談がしやすい。
ゆうちょ銀行全国に店舗・ATMがあり、地方でも使いやすい。

銀行によっては、コンビニATMで入出金できる場合もあります。
屋号付き口座を開設できるかどうかは銀行によって異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。

ネット銀行の特徴

ネット銀行とは、実店舗を持たず、口座開設や振り込み、残高照会などの手続きがすべてオンラインで完結する銀行です。
実店舗がある銀行と比べて、ATM手数料や振込手数料が安く、コンビニATMで入出金できることが特徴です。
屋号付き口座を開設できるかどうかは銀行によって異なりますが、一部のネット銀行では、最短即日で屋号付き口座を開設できる場合があります。

個人事業主が事業用の口座を開設する流れ

事業用口座の開設手順は、店舗型銀行とネット銀行で異なります。

店舗型銀行の口座開設の流れ

  1. 来店予約をする
  2. 来店して申し込みをする
  3. 必要書類を提出する
  4. 1〜2週間後に口座が開設される

店舗型銀行の場合は、窓口での手続きとなることが一般的です。事業用口座の開設ができる支店が限られている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、来店予約は不要な場合もありますが、予約したほうがスムーズです。一部には、ウェブ上での口座開設に対応している銀行もあります。

ネット銀行の口座開設の流れ

  1. ウェブで申し込みをする
  2. アプリまたは郵送で必要書類を提出する
  3. 1〜2週間で口座開設が完了する

一部のネット銀行では、事業用口座の開設にあたって、個人用口座の開設が必要になることがあります。この場合は、個人用口座の開設から行うため、手順がやや多くなります。
なお、申し込みから口座開設完了までの期間は1〜2週間が一般的ですが、金融機関や申込状況によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
口座開設完了後は、事業用のクレジットカードを併せて発行しておくと便利です。

事業用口座を開設するための必要書類

事業用口座の開設時に求められる主な書類は、次の通りです。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 事業の実態が確認できる書類(開業届、個人事業開始申告書、確定申告書など)
  • 印鑑(実店舗の場合)

これらのほか、申込内容によっては、金融機関から追加の書類提出を求められる場合もあります。

銀行で事業用口座を開設するための審査はある?

銀行の口座を開設する際は、事業用に限らず、銀行による審査が行われます。申し込み後、必要書類を提出したあとに、審査が実施される流れです。
審査をスムーズに進めるためにも、申込情報や提出書類に不備がないかを確認したうえで、申し込みを行いましょう。
なお、審査の結果次第では口座開設を断られる可能性もあります。

  • 本記事の審査・申込条件の情報は一般的な解説です。金融機関により異なるため、実際の適用条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

個人事業主が事業用口座でビジネスを便利にするコツ

個人事業主が事業用口座を活用するためには、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

経費とプライベートの支払いを区別する

事業用口座を開設したあとは、経費の支払いや報酬の振り込みなど、事業に関する取引のみに利用しましょう。
正確なお金の流れを把握するためにも、事業用口座にプライベートの入出金を混在させないことが大切です。

会計ソフトと事業用口座を自動連携する

会計ソフトなどには、銀行口座と自動連携できるものがあります。会計ソフトと事業用口座を自動連携することで、口座の入出金明細が会計ソフトに自動的に取り込まれます。
これにより、銀行の入出金を手動で会計ソフトへ入力する必要がなくなり、日々の経理作業や確定申告を効率化できるでしょう。
入出金の頻度が多いほど、自動連携によるメリットは大きくなります。

事業用口座の開設と併せてビジネスカードも発行しよう!

銀行口座や法人カードを会計ソフトに自動連携

経理作業を効率化する手段のひとつとして、事業用のクレジットカードを発行する方法があります。
口座だけでなく、クレジットカードもプライベート用と事業用で分けることで、利用明細を分けて管理でき、仕訳をしやすくなるのがメリットです。
また、ビジネスカードには、ビジネスシーンで使いやすい特典を付帯しているものや、ポイントがたまっておトクになるものもあります。
事業用口座の開設が完了したら、ビジネスカードの発行も検討してみましょう。

個人事業主・フリーランス向けの法人カード「JCB Biz ONE」

「JCB Biz ONE」は、個人事業主やフリーランスの方向けの法人カードです。
「一般カード」は年会費が永年無料、「ゴールド」は年会費5,500円(税込)ですが、初年度無料で利用できます。さらに、年間利用合計金額が100万円(税込)以上の場合は、翌年度も年会費が無料になります。
どちらのカードもETCカードを1枚無料で発行できるため、業務でETCカードを利用する予定がある場合に便利です。
また、「JCB Biz ONE」は、「freee会計」や「弥生会計」など、さまざまな会計ソフトと自動連携が可能です。利用明細が自動で記録されるため、経理作業の効率化につながります。
JCBでは法人会員向けに、「やよいの青色申告オンライン」の利用料が1年間無料になるキャンペーンも実施中です。
詳細はキャンペーンページをご確認ください。

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よくある質問

個人事業主が口座開設をするために必要なものを教えてください。

個人事業主が事業用口座を開設する際は、「本人確認書類」「事業の実態がわかる書類」「印鑑」が必要になることが一般的です。事業の実態がわかる書類には、「開業届」や「確定申告書」などが該当します。

個人事業主が即日口座開設できる銀行はありますか?

ネット銀行のなかには、最短即日で口座開設ができる銀行もあります。

個人事業主は屋号のみの口座を開設できますか?

屋号のみの口座は開設できません。個人事業主の場合、口座名義は「氏名のみ」または「屋号+氏名」のいずれかを選択することになります。
なお、屋号付き口座を開設できるのは、一部の銀行に限られます。

開業前の個人事業主が口座を開設することはできますか?

事業用口座の開設には、開業届など、事業の実態を確認できる書類の提出が必要です。そのため、開業前に事業用口座を開設することはできません。

個人事業主が事業用口座を開設するメリットはありますか?

個人事業主が事業用口座を開設するメリットは次の通りです。

  • 事業に関する入出金がわかりやすくなる
  • 確定申告に関する作業を効率化できる
  • 取引先から信頼を得やすい

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飯田 道子(いいだ みちこ)
【監修者】

氏名:飯田 道子(いいだ みちこ)
資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、他

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。どの金融機関にも属さない独立系FPです。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住や金融・保険情報を得意としています。

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