法人カードの基本をおさえる
2枚目の法人カードを発行するメリット・デメリット|複数枚持つときの選び方
公開日:2026年3月26日

法人カードを複数枚所有すると、用途に応じた使い分けができるほか、利用可能な特典やサービスの幅が広がるなど、さまざまなメリットを得られます。
また、従業員向けの追加カードやETCカードを発行して従業員に利用してもらうことで、経費の可視化や経理作業の効率化につながります。
2枚目の法人カードを発行する際は、年会費や追加カードの発行手数料、発行可能枚数などを確認し、自社のニーズに合ったカードを選びましょう。
この記事でわかること
- 2枚目の法人カードを持つメリット・デメリット
- 法人カードを2枚以上持つ方法
- 2枚目以降の法人カードを選ぶポイント
目次
2枚目の法人カードを持つメリット
2枚目の法人カードを持つことで、さまざまなメリットが得られます。
利用可能枠(限度額)が増える
利用可能枠(限度額)とは、法人カードで支払える金額の上限です。異なるクレジットカード会社で2枚目の法人カードを発行すると、それぞれのカードに上限が設定されるため、全体の利用可能枠が増える可能性があります。
たとえば、「A社で100万円」「B社で150万円」の利用可能枠が設定された場合、合計250万円まで利用できるようになります。これにより、買い物などで支払える金額の上限が増えるため、高額な支払いにも対応しやすくなるのがメリットです。
一方、従業員向けに追加カードを発行する場合は、利用可能枠は個別に設定されますが、代表者が利用するカードの利用可能枠は変わりません。

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必要に応じて使い分けられる
法人カードを2枚持つことで、たとえば「消耗品や交通費の支払いはA社の法人カード」「出張に関連する費用の支払いはB社の法人カード」といった使い分けが可能です。
用途に応じて法人カードを使い分けると、利用明細が見やすくなり、会計処理の負担軽減につながるメリットがあります。
利用できる特典・サービスが増える
法人カードには、さまざまな特典やサービスが付帯されています。これらの内容は、クレジットカード会社や法人カードの種類によって異なります。
2枚以上の法人カードを所有すれば、それぞれのカードに付帯する異なる特典やサービスを活用できるため、利用の幅が広がります。たとえば、メインで利用している法人カードに旅行傷害保険が付帯されていない場合でも、2枚目に旅行傷害保険を付帯しているカードを選べば、必要な補償を補うことができ、利便性が高まるでしょう。
追加カードを発行できる
法人カードの追加カードには、「従業員向けの追加カード」や「ETCカード」などがあります。従業員向けの追加カードを発行できない、またはETCカードを複数枚発行できない仕様の法人カードを利用している場合は、2枚目以降に追加カードを発行できる法人カードを選ぶことで、利便性が高まります。
発行した追加カードを従業員に利用してもらえば、経費管理がしやすくなり、経理作業の効率化につながります。ETCカードを複数枚発行できれば、社用車を複数台保有している企業にとっても便利です。

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法人カードが使えなくなったときに備えられる
法人カードを1枚だけ利用している場合、カードの紛失や盗難、不正利用などが起きると、クレジットカード決済が一時的に利用できなくなる可能性があります。
しかし、2枚目の法人カードを持っていれば、1枚目が使えなくなった際にも別の法人カードで対応できるため、万が一のトラブルに備えられます。

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2枚目の法人カードを持つデメリット
2枚目の法人カードを発行する前に、デメリットも確認しておきましょう。
年会費などのコストが増える
法人カードには、年会費が無料のものもあれば、有料のものもあります。2枚目以降に年会費が有料の法人カードを発行すると、その分法人カードにかかるコストが増加します。コストを抑えたい方は、年会費が無料またはリーズナブルな法人カードを選択するとよいでしょう。
また、従業員向けの追加カードを発行する場合は、年会費に加えて発行手数料が必要となることもあります。追加カードの発行枚数によっては負担が大きくなる可能性があるため、申し込み前に確認しておきましょう。
ポイントがためにくくなる
法人カードのなかには、利用合計金額に応じてポイントが獲得できるものもあります。しかし、異なるクレジットカード会社の法人カードを使い分けると、ポイントも分散されてしまいます。
一方で、従業員向けの追加カードを発行した場合は、メインの法人カードとポイントが合算されるため、ポイントがたまりやすいというメリットがあります。ポイントを効率的にためたい方は、できるだけ1社のポイントに集約するのがおすすめです。
法人カードを2枚以上持つ方法
法人カードを2枚以上持つ方法は「異なるクレジットカード会社の法人カードを発行する方法」と「従業員向けの追加カードを発行する方法」の2つがあります。
異なるクレジットカード会社の法人カードを発行する
1枚目の法人カードとは別のクレジットカード会社で新規発行する方法です。この方法は、代表者が利用する法人カードを2枚以上持ちたい場合に適しています。
たとえば、A社の法人カードを1枚持っている場合でも、B社の法人カードを申し込み、審査に通過すれば2枚目の法人カードを持つことが可能です。
ただし、クレジットカード会社によって、利用代金の引き落とし日は異なるため、それぞれ管理することが大切です。
従業員向けの追加カードを発行する
今所有している法人カードで、従業員向けの追加カードを発行するという方法もあります。従業員にも法人カードを渡して、出先での経費の支払いに使ってほしい場合は、この方法を選ぶことになるでしょう。
追加カードの発行可否は、法人カードの種類によっては異なります。発行可能枚数が決められている法人カードもあるので、事前に確認しておきましょう。
なお、追加カードの発行には審査はなく、利用代金は法人カードと合算して引き落とされることが一般的です。ただし、支払口座を従業員の個人口座とする「個人決済型」の法人カードの場合は、追加カード申し込み時に審査が実施されます。
2枚目以降の法人カードを選ぶポイント
2枚目以降の法人カードを選ぶ際には、確認しておきたいポイントがあります。これらを踏まえ、自社のニーズにあった法人カードを選びましょう。
年会費・発行手数料
まず確認したいのが、2枚目に発行する法人カードの年会費と発行手数料です。法人カードには年会費無料のものと有料のものがあり、年会費無料のなかでも「永年無料」「初年度無料」「条件付き無料(年間◯円以上の利用など)」の3タイプがあります。
コストをできるだけ抑えたい方は永年無料のカードを選ぶのがおすすめです。年間の利用金額が条件を満たす見込みがある場合は、条件付き無料のカードでもコストを抑えやすいでしょう。
また、従業員向けの追加カードも、年会費や発行手数料がかかる場合があります。特に、ゴールドカードやプラチナカードといったグレードの高い法人カードは、年間数万円の年会費がかかることが多いため、複数枚発行する際はコスト面もよく検討してみましょう。
国際ブランド
国際ブランドとは、JCBやVisa、Mastercardなどクレジットカードの支払いシステムを持つブランドを指します。
2枚目の法人カードは、1枚目とは異なる国際ブランドを選ぶのがおすすめです。たとえば、すでにVisaの法人カードを利用している場合はJCBなど、異なるブランドを選ぶことで、利用できる店舗やサービスの幅が広がります。
店舗によっては特定のブランドにのみ対応していることもあるため、複数の国際ブランドを使い分けることで「法人カードで支払えない」といった状況を防ぎやすくなるでしょう。
従業員向けの追加カードの発行枚数
従業員向けの追加カードの発行可否や発行可能枚数は、法人カードの種類によって異なります。従業員にも法人カードを持たせたい場合は、追加カードの発行可否や上限枚数をあらかじめ確認しておきましょう。
また、法人カードのなかには、ETCカードを発行できるものがあります。ただし、発行可能枚数は「1枚のみ」「複数枚発行可能」など、法人カードによって異なります。
社用車を複数台所有しており、従業員が高速道路を利用する機会がある企業では、ETCカードが複数枚発行できる法人カードを選ぶと便利です。
特典・サービス
法人カードには、カード会社や種類によってさまざまな特典やサービスが付帯しています。1枚目の法人カードには付いていない特典やサービスを持つカードを2枚目に選ぶことで、利便性が高まるでしょう。
たとえば、次のようなものがあります。
特典・サービスの例
- 経費精算システムとの自動連携
- 空港ラウンジサービス
- 旅行傷害保険
- ショッピングガード保険
- ポイントシステム
JCBの法人カードはメインカード・2枚目のカードどちらでも便利!
JCBの法人カードは、メインカードとしてはもちろん、2枚目の法人カードとしても便利です。日本ブランドならではの安全・安心で高品質なサービスに加え、ビジネスの効率化に役立つ機能が充実している点が魅力です。
また、各種経費精算システム等の自動連携や一部の法人カードは従業員向けの追加カードを発行することが可能です。JCBの場合、追加カードは「使用者カード」と呼ばれます。さらに、ETCカードの発行にも対応しており、ETCカードについては年会費・発行手数料ともに無料です。
なお、JCBの法人カードは、同一カードを2枚持つことはできませんが、個人カードと法人カードをそれぞれ所有することは可能です。
コストを抑えながら法人カードで利便性を向上「JCB一般法人カード」
「JCB一般法人カード」の年会費は1,375円(税込)で、オンライン入会の場合は初年度の年会費が無料となります。
使用者カードの発行も可能で、使用者1名ごとに年会費1,375円(税込)がかかりますが、1枚目のカードの年会費が無料の場合、追加のカードも無料です。
国内外の旅行傷害保険を付帯しており、法人用ETCカードの「ETCスルーカードN」も複数枚発行できます。
空港ラウンジサービスも付帯した「JCBゴールド法人カード」
「JCBゴールド法人カード」の年会費は11,000円(税込)で、オンライン入会の場合は初年度の年会費が無料になります。使用者カードを発行でき、使用者1名ごとに年会費3,300円(税込)がかかりますが、1枚目のカードの年会費が無料の場合は追加カードも無料です。
国内外の旅行傷害保険と国内・海外航空機遅延保険が付帯されているほか、国内主要空港およびハワイ・ホノルル国際空港内にあるラウンジサービスも利用できます。さらに、法人用ETCカード「ETCスルーカードN」も複数枚発行可能です。
個人事業主・フリーランス向け「JCB Biz ONE」
「JCB Biz ONE」は、個人事業主やフリーランス、副業をしている方でも申し込める法人カードです。申し込み時に法人の本人確認書類が不要で、最短5分でカード番号が発行されるのが特長です。
一般カードは年会費が永年無料、ゴールドカードは年会費5,500円(税込)ですが、初年度は無料です。さらに、年間100万円(税込)以上の利用があれば、翌年度の年会費も無料になります。
「JCB Biz ONE」は、一般カードとゴールドカードのいずれも、いつでも、どこで利用してもポイントが2倍たまる点が魅力です。従業員向けの使用者カードは発行できませんが、個人用の「ETCスルーカード」を1枚発行できます。
よくある質問
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2枚目の法人カードを発行するメリットを教えてください
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2枚目の法人カードを持つメリットは次の3つです。
- 利用可能枠(限度額)が増える
- 必要に応じて使い分けられる
- 利用できる特典・サービスが増える
- 追加カードを発行できる
- 法人カードが使えなくなったときに備えられる
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法人カードは何枚まで発行することができますか?
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異なるクレジットカード会社の法人カードであれば、発行できる枚数に上限はありません。
一方、従業員向けの追加カードの発行可能枚数は法人カードの種類によって異なります。上限が設けられている場合もあれば、制限がない場合もあるので、申し込み前に確認しておきましょう。 -
法人カードの追加カード発行時には審査が行われますか?
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従業員向けの追加カードを発行する際は、審査は行われないことが一般的です。これは、法人カード発行時に法人自体の審査が行われているためです。
ただし、従業員個人の口座から利用代金が引き落とされる「個人決済型」と呼ばれる法人カードの場合は、従業員個人が審査対象となるため、審査が実施されることがあります。
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- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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2枚目の法人カードを持つと、大切な場面でカード決済ができない事態を防げるメリットがあります。磁気不良やカード忘れなどの原因で大切な商談の決済ができない事態を防げるのは、経営者にとってメリットでしょう。また、ポイント還元率や付帯保険などのサービスが異なる法人カードを持つことで、「高額な支払いでは還元率が高いA法人カード」「海外出張時は付帯保険が手厚いB法人カード」といった使い分けも可能です。