法人カードの基本をおさえる
【記入例付】開業届の書き方を解説!提出時期・入手方法やメリット、デメリットも解説
更新日:2026年7月31日

開業届とは、新たに事業を始めたことを税務署に届け出るための書類です。
開業届を提出すると、青色申告の特別控除を受けられたり、補助金や助成金の申請ができたり、さまざまなメリットを得られます。
ただし、一部にはデメリットもあるため、内容を理解したうえで提出することが大切です。
この記事では、開業届の仕組みや提出するメリット・デメリット、具体的な書き方などをわかりやすく解説します。個人事業主として事業を始める方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 開業届の提出は法律で義務付けられているが、提出しないことによる罰則などはない
- 開業届を提出すると青色申告を利用でき、最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
- 個人事業主として事業を開始する際、開業届以外にも提出が必要な書類がある
目次
- 記載の内容は2026年7月時点のものです。
開業届とは
開業届とは、個人事業主が新たに事業を始めたことを税務署に届け出るための書類です。
正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、新たに事業を始めたときだけでなく、事務所の新設や増設、移転、廃業の際にも提出します。
事業所得を得る方のほか、不動産所得または山林所得が発生する事業を開始した方も、開業届の提出が必要です。
開業届はいつ・どこに提出する?どこで入手する?
従来は、事業を開始した日から1ヵ月以内に開業届を提出する必要がありました。しかし、所得税法第229条の改正により、2026年1月1日以後に開業した場合は、事業を開始した日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに提出すればよいことになりました。
確定申告の期限は、毎年3月15日(※1)です。たとえば、2026年4月に開業した場合は、2027年3月15日が開業届の提出期限となります。
- 1 提出期限が土・日・祝の場合は翌平日に繰り越されます。
開業届の提出方法
開業届の提出方法としては、「税務署に持参」「税務署への郵送」「e-Tax」の3種類があります。
税務署に持参・郵送で提出する流れは次の通りです。
税務署に持参する手順
- 税務署内で開業届の用紙を受け取る、もしくは国税庁のウェブサイトでダウンロードして印刷する
- 開業届に必要事項を記入する
- 税務署の窓口に提出する
税務署に郵送する手順
- 国税庁のウェブサイトで開業届をダウンロードして印刷する
- 開業届に必要事項を記入する
- 管轄の税務署宛に必要書類一式を郵送する
これらの方法以外に、自宅のパソコンなどで「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を利用し、開業届をウェブ上で提出する方法もあります。自宅で開業届を作成し、e-Taxを利用して提出します。
e-Taxを初めて利用する際は、利用者識別番号の取得が必要です。マイナンバーカードと、ICカードリーダーまたはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要になるため、準備しておきましょう。
なお、税務署に持参または郵送する場合は、開業届のほかにマイナンバーカードや本人確認書類などが必要です。
開業届を出さないとどうなるのか
開業届を期限内に出さないことによる罰則はありませんが、提出しておくことが望ましいといえます。
開業届を出すことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けられたり、屋号付きの銀行口座を開設できたりなどのメリットを得られます。しかし、開業届を出さないとこれらのメリットを得られません。
今後の事業への影響を考慮すると、開業届は提出しておいたほうがよいでしょう。
開業届を出すメリット
開業届を出すことで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
青色申告で特別控除・赤字の繰り越しが可能になる
青色申告とは、確定申告の方法の一種で、「複式簿記」という所定の方法で帳簿を付けて申告を行うものです。青色申告を利用すると、最大65万円の「青色申告特別控除」を受けられます。
また、青色申告には特別控除のほかに「繰越損失」という制度もあります。事業で赤字が出た場合、その損失を翌年以降3年以内に発生した黒字と相殺できます。事業によっては、開業したばかりのころに赤字になる可能性もあるため、青色申告を利用するメリットといえるでしょう。
なお、青色申告を利用するには、その年の3月15日まで(※1)に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。控除を受けたい人は、開業届とあわせて提出しましょう。
- 1 提出期限が土・日・祝の場合は翌平日に繰り越されます。
屋号ありの銀行口座を開設できる
開業届には「屋号」を記載する項目があります。開業届を提出する際に屋号を記載しておけば、金融機関によっては銀行口座の名義に屋号を反映することが可能です。屋号ありの銀行口座を持つことで、個人名のみより事業としての活動であることが伝わりやすくなり、取引先や顧客からの信用を得られる可能性があります。
店舗名やサービス名を屋号として使用したい場合は、開業届に屋号を記載しておくとよいでしょう。
補助金・助成金の申請ができる
補助金や助成金など、ビジネスの支援制度を利用する際には、開業届の控えをはじめとした事業関連書類の提出を求められることがあります。
事業関連書類には確定申告書や決算書なども含まれます。これらは確定申告を行っていれば税務署から控えを取得できますが、開業届の控えは自身で作成・提出しなければ受け取れません。
開業届の控えは、創業時期の証明として利用されることが多く、補助金・助成金の申請に限らず、事業に関する契約などで提出を求められることもあります。そのため、事業の開始とあわせて、開業届を提出しておくとよいでしょう。
また、開業のタイミングで事業用の支払いを法人カードにまとめておくと、経費管理や確定申告の準備も進めやすくなります。
開業届を出すデメリット
開業届を提出する前に、考えられるデメリットについても確認しておきましょう。
失業手当を受けられなくなる
開業届を提出して個人事業主になると、「求職中」とはみなされなくなるため、失業手当の受給対象から外れます。
勤務していた会社を退職し、失業手当を受給している場合は、開業届の提出によって受給資格を失う可能性があるため、事業開始のタイミングには注意が必要です。

個人事業主が加入できる社会保険とは?保障をカバーする手段も解説
扶養から外れる場合がある
開業届を提出して個人事業主となった場合、健康保険組合によっては扶養から外れる可能性があります。扶養から外れると、国民年金保険料や国民健康保険料を自分で納める必要があるため、保険料の負担が増えることもあるでしょう。
ただし、年間の収入が一定基準を下回る場合など、条件によっては引き続き扶養に入れることもあります。扶養の認定条件は健康保険組合によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
失業手当の受給や扶養の継続といった目先の条件に変化が出ることは、裏を返せば、それだけ本格的な事業主として一歩を踏み出す証でもあります。
早めに身の回りの状況を整理しておくことで、事業が軌道に乗った際のメリット(青色申告特別控除など)を最大限に活かす準備が整います。目先の変化を「リスク」ではなく、事業をより大きく育てるための「必要な通過点」と捉えておくとよいでしょう。
- CFP認定者・一級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 高柳 政道
開業届の書き方
出典:国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」を加工して作成
ここでは、個人事業主として開業する場合の開業届の書き方を紹介します。それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
- 税務署長・届出年月日
- 納税地
- 1、2以外の住所地・事業所等
- 氏名・生年月日
- 個人番号(マイナンバー)
- 職業
- 屋号
- 届出の区分
- 所得の種類
- 開業・廃業等日
- 事業所等を新増設、移転、廃止した場合
- 廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
- 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
- 事業の概要
- 給与等の支払の状況
- その他参考事項
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
- 給与支払を開始する年月日
- 関与税理士
1. 税務署長・届出年月日
提出先となる税務署の名称と、開業届を提出する日付を記入します。どの税務署に提出すべきかは、国税庁のウェブサイトで確認できます。
たとえば、「東京都千代田区霞が関」に自宅兼事務所がある場合は「麹町税務署」になるため、「麹町税務署長」と記載します。
「届出年月日」は開業届の提出日であり、開業日や記入日とは異なる点に注意しましょう。和暦・西暦どちらでも問題ありません。
| 書き方の例 |
|---|
| 麹町税務署長 2026年4月1日提出 |
2. 納税地
納税地とは、税務申告や納税を行う場所のことです。開業届や確定申告書などを提出する税務署は、納税地をもとに決定します。
「住所地」「居所地」「事業所等」のいずれかを選択しますが、「住所地」を選び、住民票のある自宅の住所を記入することが一般的です。自宅兼事務所の場合も同様に、「住所地」を選び、自宅の住所を記入します。
自宅とは別の場所に事務所がある場合は「事業所等」を選択し、事務所の所在地を納税地とすることも可能です。
| 書き方の例 |
|---|
| 〒◯◯◯-◯◯◯◯ 東京都千代田区霞が関◯丁目◯番地◯号 電話番号:◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯ |
3. 1、2以外の住所地・事業所等
納税地とは異なる場所に事業所などがある場合、その所在地を記入します。自宅兼事務所で納税地と同一であれば、空欄のままで問題ありません。
4. 氏名・生年月日
氏名・フリガナ・生年月日をそれぞれ記入します。
| 書き方の例 |
|---|
| フリガナ:ヤマモト カズオ 氏 名:山本 一夫 生年月日:平成元年4月1日 |
5. 個人番号(マイナンバー)
マイナンバーカードや通知カードを参照して、正確に記入します。
| 書き方の例 |
|---|
| 1234 5678 9012 |
6. 職業
自分が行う職種を記入します。「フリーランス」や「自営業」といった表現ではなく、「ウェブデザイナー」「システムエンジニア」「英会話講師」など、具体的な職種を記入しましょう。
| 書き方の例 |
|---|
| ウェブデザイナー |
7. 屋号
屋号とは、個人事業主が事業で使用する名称のことです。屋号を設定することで、屋号付き口座を開設できるようになります。
たとえば、店舗や事業所などを構える場合は、その名称を記入しましょう。本名のみで活動する場合は空欄で問題ありません。
なお、屋号は、開業届提出後も設定・変更が可能です。確定申告の際に提出する確定申告書に新しい屋号を記入すれば、手続きは完了します。
| 書き方の例 |
|---|
| ◯◯デザイン |
8. 届出の区分
新規事業の場合は「開業」にチェックを入れます。事業を引き継ぐ場合は、引き受けた先の住所と氏名を記入しましょう。
9. 所得の種類
事業によって得られる所得の種類にチェックを入れます。多くの場合は「事業(農業)所得」に該当しますが、その他の所得を得る場合は、該当する項目にチェックを入れましょう。
| 事業(農業)所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業により収入を得る場合 |
|---|---|
| 不動産所得 | 不動産の貸し付けなどが主な収入源の場合 |
| 山林所得 | 山林の伐採や譲渡によって収入を得る場合 |
10. 開業・廃業等日
実際に事業を始めた日を記入します。記入日や提出日とは異なるため注意しましょう。
開業届は、以前は事業開始後1ヵ月以内に提出する必要がありましたが、所得税法第229条の改正により、2026年1月1日以後に開業した場合は、その年分の確定申告期限までに提出すればよいことになりました。
なお、過去の日付を開業日とすることも可能です。
開業日の定義に法的な決まりはなく、自由に決められます。たとえば、店舗をオープンした日や、サービス提供を開始した日などを記入すれば問題ありません。
11. 事業所等を新増設、移転、廃止した場合
すでに事業所の移転や増設などを行った場合のみ記入する項目です。新しく事業を始める場合は、記載不要です。
12. 廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
法人化に伴って個人事業を廃止する場合にのみ使用する項目です。新しく事業を始める場合は、記載不要です。
13. 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
開業したその年から青色申告で帳簿付けし、確定申告をしたい場合は、「所得税の青色申告承認申請書」も提出するため「有」にチェックを入れましょう。所得税の青色申告承認申請書は国税庁のウェブサイトまたは税務署で入手できます。
14. 事業の概要
先に記入した「ウェブデザイナー」「システムエンジニア」といった職業よりもさらに詳しく、事業内容を具体的に記入します。たとえば「飲食業」の場合は「カフェ・軽食の提供」のように、どのようなサービスや商品を扱うかを具体的に記入しましょう。
| 職業 | 書き方の例 |
|---|---|
| ネイリスト | ネイルサロンでの施術サービス、運営 |
| ウェブライター | ウェブ掲載記事の作成 |
| ウェブデザイナー | ウェブ広告の作成 |
| システムエンジニア | ソフトウェアのシステム設計 |
| 小売業 | 食品のインターネット販売 |
15. 給与等の支払の状況
従業員を雇用する場合は、「人数」「給与の定め方」「納税の有無」を記入します。従業員を雇用しない場合は記載不要です。
専従者は「生計を同一にする家族」、使用人は「家族以外の従業員」を指します。
| 従業員数 | 専従者と使用人の人数を記入する |
|---|---|
| 給与の定め方 | 月給や日給などの形式 |
| 税額の有無 | 該当する項目にチェックを入れる ・源泉徴収をする場合:有 ・源泉徴収をしない場合:無 |
16. その他参考事項
特筆すべき事項があれば記入します。特にない場合は空欄のままで問題ありません。
17. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
従業員を雇用して給与を支払う場合、毎月徴収した源泉所得税を翌月10日までに納付する必要がありますが、「納期の特例」を申請すれば、半年分をまとめて納付できるようになります。この特例を希望し、申請書を提出する場合は「有」にチェックを入れましょう。
18. 給与支払を開始する年月日
従業員への給与支払いを開始する予定がある場合、その開始日を記入します。雇用予定がなければ記載不要です。
19. 関与税理士
税理士に記帳代行や申告手続きを依頼している場合は、税理士の氏名・事務所名などを記入します。自分で申告等を行う場合は記載不要です。
| 書き方の例(依頼している場合) |
|---|
| ◯◯税理士事務所 税理士 ◯◯ ◯◯(氏名) 東京都◯◯区△△ ◯番地◯号 電話番号:◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯ |
個人事業主として開業届を提出するときに必要なもの
税務署に直接出向いて開業届を提出する場合や、郵送する場合は、次のものを用意しましょう。
窓口に持参する際に必要なもの
- 開業届
- 個人番号が確認できる書類(マイナンバーカード・通知カード・住民票など)
- 運転免許証などの本人確認書類
郵送する際に必要なもの
- 開業届
- 個人番号が確認できる書類(マイナンバーカード・通知カード・住民票など)のコピー
- 運転免許証などの本人確認書類のコピー
- 切手を貼付した返信用封筒(リーフレットの返送を希望する場合)
いずれの場合も、マイナンバーカードがあれば、1枚で個人番号の確認と本人確認が行えるため、別途本人確認書類を用意する必要はありません。
なお、郵送する際、従来は開業届のコピー(控え)に押印して返送してもらう流れでしたが、2025年1月から控えへの押印は廃止され、開業届のコピーの同封は不要となりました。郵送時に返信用封筒を同封した場合は、当面の間、提出日などが記載されたリーフレットを返送する対応が行われることがあります。
なお、開業届以外にも、状況によって提出が必要となる書類があります。
状況によって開業届以外に必要な提出書類
事業内容や状況によっては、開業届のほかにも提出が必要な書類があります。各書類が必要なケースと提出期限は次のとおりです。
| 書類名 | 必要なケース | 提出期限 |
|---|---|---|
| 所得税の青色申告承認申請書 | 確定申告で青色申告を行う場合 | 申告する年の3月15日(※1)まで |
| 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 給与を支払う事務所を開設する場合 | 開設から1ヵ月以内 |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 (変更届出書) | 家族に給与を支払う場合 | 青色事業専従者給与額を必要経費に算入 しようとする年の3月15日(※1)まで |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 源泉所得税の納付を年2回にまとめる場合 | 特例を受ける月の前月まで |
| 電子申告・納税等開始(変更等)届出書 | e-Taxを初めて利用する場合 | 書面で提出する場合は、 遅くても利用開始日の1週間以上前まで |
| 適格請求書発行事業者の登録申請書 | 適格請求書発行事業者として登録する場合 | ・原則:適格請求書発行事業者として 登録する日の15日前まで ・特例適用時:開業した年の年内まで |
| 個人事業開始申告書 | 個人事業税の納税義務者となる場合 | 自治体により異なる (事業開始から15日〜2ヵ月程度) |
| 各業種の許認可 | 許認可が必要な業種の場合 | 許認可の種類によって異なる |
- 1 提出期限が土・日・祝の場合は翌平日まで
ここからは、各書類の詳細を詳しく説明します。
- 青色申告をする場合「所得税の青色申告承認申請書」
- 従業員を雇う場合「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書など」
- e-Taxを利用して申告・申請をする場合「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」
- インボイス登録する場合「適格請求書発行事業者の登録申請書」
- 個人事業税の納税対象となる場合「個人事業開始申告書」
- 許認可が必要な業種の場合「各業種の許認可に関する書類」
青色申告をする場合「所得税の青色申告承認申請書」
青色申告を希望する場合は、開業届とは別に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。e-Taxで作成・提出が可能です。提出期限は青色申告をする年の3月15日(※1)までですが、1月16日以降に事業を開始した場合は、開業日から2ヵ月以内に提出することで、その年の青色申告を受けられます。
| 提出が必要なケース | 確定申告で青色申告を行う場合 |
|---|---|
| 提出期限 | 青色申告をする年の3月15日(※1)まで |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署 |
| 提出方法 | ・e-Tax ・税務署へ郵送 ・税務署の窓口へ持参 |
- 1 提出期限が土・日・祝の場合は翌平日まで
従業員を雇う場合「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書など」
従業員を雇用する場合は、給与支払いや源泉徴収に関する書類を税務署に提出します。
| 書類名 | 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 |
|---|---|
| 提出が必要なケース | 給与を支払う事務所を開設する場合 |
| 提出期限 | 給与を支払う事務所の開設から1ヵ月以内 |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署 |
| 提出方法 | ・e-Tax ・税務署へ郵送 ・税務署の窓口へ持参 |
上の届出書において「給与を支払う事務所」とは、事務所を構えている場合のみを指すわけではありません。自宅で開業していても、従業員に給与を支払う場合は提出の対象となります。
| 書類名 | 青色事業専従者給与に関する届出書(変更届出書) |
|---|---|
| 提出が必要なケース | 家族に給与を支払う場合 |
| 提出期限 | 青色事業専従者給与額を必要経費に算入する年の3月15日(※1)(※2)まで |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署 |
| 提出方法 | ・e-Tax ・税務署へ郵送 ・税務署の窓口へ持参 |
- 1 提出期限が土・日・祝の場合は翌平日まで
- 2 その年の1月16日以降に開業した方や新たに専従者が発生した方は、開業日や専従者発生日から2ヵ月以内
| 書類名 | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
|---|---|
| 提出が必要なケース | 源泉所得税の納付を年2回にまとめる場合 |
| 提出期限 | ・法的な提出期限はなし ・特例を受ける月の前月までに提出する |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署 |
| 提出方法 | ・e-Tax ・税務署へ郵送 ・税務署の窓口へ持参 |
e-Taxを利用して申告・申請をする場合「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」
e-Taxを利用して開業届や各種申請をオンラインで行う場合は、利用者識別番号が必要です。利用者識別番号は、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」を提出することで取得できます。これにより、e-Taxを利用して各種手続きを行えるようになります。
法的な提出期限はありませんが、書面で提出する場合は、利用者識別番号等の通知書が届くまでに最短1週間程度かかるため、余裕を持って提出しましょう。
オンラインで提出した場合は、利用者識別番号等がオンラインで発行(通知)されます。
| 提出が必要なケース | e-Taxを初めて利用する場合 |
|---|---|
| 提出期限 | ・法的な提出期限はなし ・書面で提出する場合は、 遅くても利用開始日の1週間以上前まで |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署 |
| 提出方法 | ・e-Tax ・税務署へ郵送 ・税務署の窓口へ持参 |
インボイス登録する場合「適格請求書発行事業者の登録申請書」
適格請求書発行事業者とは、税務署長の登録を受け、インボイス(適格請求書)を発行できる事業者のことです。インボイスとは、取引金額や消費税額などを記載した請求書やレシートで、取引先が仕入税額控除を受けるために必要となる書類です。
適格請求書発行事業者として登録するには、開業届とは別に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出する必要があります。
| 提出が必要なケース | 適格請求書発行事業者として登録する場合 |
|---|---|
| 提出期限 | ・適格請求書発行事業者として登録する日の15日前まで ・開業した年の年内の提出で、特例により開業日からの登録が可能 |
| 提出先 | 納税地を管轄するインボイス登録センター |
| 提出方法 | ・e-Tax ・インボイス登録センターへ郵送 |
主に企業を相手に事業を行う場合、取引先からインボイス(適格請求書)の発行を求められることがあります。一方で、飲食店や美容室のように一般消費者を主な顧客とする事業では、インボイスの発行を求められる場面は少ない可能性があります。必ずしも登録する必要はないため、状況を見て検討するとよいでしょう。
個人事業税の納税対象となる場合「個人事業開始申告書」
税務署(国)に提出する「開業届」とは別に、地方税である「個人事業税」に関して、各都道府県の税事務所へ提出する書類です。開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と名称が似ていますが異なるもので、自治体によっては「事業開始等申告書」などと呼ばれることもあります。
書類の名称や提出期限、提出方法は自治体ごとに異なるため、各都道府県の主税局や県税事務所の公式ウェブサイトで確認しましょう。提出期限も、東京都は事業開始から15日以内、大阪府は2ヵ月以内など、地域によって異なります。
| 提出が必要なケース | 個人事業税の納税義務者となる場合 |
|---|---|
| 提出期限 | 自治体により異なる (事業開始から15日〜2ヵ月程度) |
| 提出先 | 管轄の都道府県税事務所など |
| 提出方法 | 自治体により異なる ・郵送 ・窓口へ持参 など |
個人事業税は、年間の事業所得が290万円を超える場合に、地方税として課される税金です。ただし、個人事業税の納税対象となる70種の「法定業種」に該当しない場合は、納税義務はありません。

個人事業税とは?いくら払う?計算・申告・納付方法をわかりやすく解説
許認可が必要な業種の場合「各業種の許認可に関する書類」
特定の業種では、開業前に国や自治体、警察署、保健所などから「許認可」を受けたり、「届出」を行ったりする必要があります。
たとえば次のような業種では、許認可が必要です。
| 主な業種 | 届出・許可の例(提出先) |
|---|---|
| 飲食店 | 飲食店営業許可(保健所) |
| 美容院や理容院 | 開設届(保健所) |
| 建設業(一人親方) | 建設業許可(各地方の地方整備局または都道府県) |
| 中古品の買取・販売 | 古物商許可(警察署) |
飲食店を営業する場合は、営業施設ごとに「食品衛生責任者」の配置が必要です。そのため、営業許可の申請時には、資格を証明する書類の提出が求められることがあります。
建設業(一人親方)では、500万円未満などの軽微な工事の場合は、建設業許可なしで工事を請け負うこと可能です。
許認可の要件や申請手続きの詳細は、各自治体の担当窓口や公式ウェブサイトで確認しましょう。
開業届の控えはいつもらえる?受取方法は?
開業届の控えは、屋号付き銀行口座の開設や融資の申し込みなどで、開業の事実を示す書類として求められることがあります。従来は、郵送や窓口への持参などで紙の開業届を提出した場合、控えに税務署の受領印が押印されていました。しかし、2025年1月から税務署のデジタル化推進に伴い、控えへの押印は廃止されました。
以降は、税務署で渡される「書類提出日や税務署名が記載されたリーフレット」が受領印の代替となっています。リーフレットは自分から希望しなければ受け取れないため、窓口持参や郵送で提出する場合は注意が必要です。
なお、リーフレットはあくまで書類提出日を証明するものです。開業届の内容を第三者に見せるためには、自分でコピーを取っておきましょう。
| 開業届の提出方法 | 控え(受領印)の代替の受取方法 |
|---|---|
| 窓口持参 | リーフレットを希望すると、その場で受け取れる |
| 郵送 | 切手を貼った返信用封筒を同封すると、リーフレットを返送してもらえる |
| e-Tax | メッセージボックス内の受信通知が控えの代わりになるため、印刷やPDFの保存をしておく |
副業でも開業届を出したほうがいい?
会社員が副業として個人事業主になる場合、収入が「事業所得」か「雑所得」かによって、開業届を提出するかどうかを判断することになります。
事業所得を得ている場合は、開業届の提出が必要です。たとえば、フリーのライター、デザイナー、イラストレーターとして継続的に受注している場合や、フードデリバリーの配達員として継続的に配達を行っている場合などが該当します。
「雑所得」とは、所得税法で定められている10種類の所得のうち、ほかの9種類に当てはまらない所得のことです。9種類のなかには、事業所得や不動産所得、配当所得などがあります。雑所得に該当するものとしては、たとえばフリマアプリで雑貨や家電を販売した場合や、単発で仕事を受けた場合などの所得が挙げられます。
副業の場合も、開業届を出すタイミングや提出先は同様です。雑所得のみであれば開業届を提出する必要はありません。
個人事業主が開業と同時に準備したいビジネスに便利なもの
事業を始める際は、開業届の提出や事業用の銀行口座の開設など、さまざまな準備が必要です。あわせて、ビジネスで利用できるクレジットカードの準備も検討しておくとよいでしょう。
個人事業主として活動を始めると、備品の購入や仕入れ、各種サービスの利用といった事業に関する支出が発生します。こうした事業経費の支払いには法人カードを利用し、プライベートの支出と分けて管理することで、経理処理や確定申告がスムーズになります。
「法人カード」と呼ばれるクレジットカードのなかには、個人事業主が申し込めるものもあります。気になる法人カードがあれば、申込条件を確認してみましょう。
開業と同時に法人カードを発行しておくことで、はじめからプライベートの支払いと分けて管理でき、経理が複雑になるのを防ぎやすくなります。
煩雑になりがちな確定申告も法人カードがあれば効率化できる!
事業をスタートしたばかりの方にとって、経理作業や確定申告は煩雑に感じやすい業務のひとつです。法人カードは、こうした作業の効率化にも役立ちます。
帳簿付けの際には、スマートフォンやパソコンで会計ソフトを使う方もいるでしょう。
会計ソフトと法人カードを自動連携すると、法人カードで支払いをした記録が自動で会計ソフトに反映されます。手動での仕訳が不要になるため、日々の経理にかかる時間の短縮が可能です。
これにより、年に一度の確定申告の準備もスムーズになります。経理に慣れていない方にとって、法人カードは便利なアイテムといえるでしょう。
JCBの法人カードでは、さまざまな会計ソフトと自動連携が可能です。
自動連携可能な会計ソフトの例
- 弥生会計
- freee会計
- マネーフォワード クラウド会計
- ソリマチ
最短5分で発行可能!個人事業主も申し込める「JCB Biz ONE」
「JCB Biz ONE」は、個人事業主やフリーランスの方が申し込みできる法人カードです。個人名義の口座であれば最短5分で即時発行でき、法人の本人確認書類が不要な点もメリットです。
個人事業主になった方や、開業予定の方は、法人カードを用意しておくことで、事業をよりスムーズに進めやすくなるでしょう。
「JCB Biz ONE」には、年会費無料の「JCB Biz ONE 一般」と、特典やサービスが充実している「JCB Biz ONE ゴールド」の2種類があります。
年会費永年無料「JCB Biz ONE 一般」
「JCB Biz ONE 一般」は、年会費が永年無料で利用できる法人カードです。18歳以上の個人事業主であれば申し込みでき、コストを抑えてクレジットカードを持ちたい方に向いています。ETCカードは1枚無料で発行できます。
また、「JCB Biz ONE 一般」は、いつでもポイントを2倍獲得できる点も魅力です。通常は200円(税込)で1ポイントのところ、2ポイントを獲得できます。ためたポイントは、1ポイント最大1円分相当として利用できるため、事業で必要な物品の購入などにも活用できるでしょう。
- 利用加盟店や交換商品によりポイント付与条件や交換レートは異なる場合があります。
- 記載の内容は2026年7月時点のものです。
空港ラウンジサービスなどワンランク上のサービスが利用できる「JCB Biz ONE ゴールド」
「JCB Biz ONE ゴールド」の年会費は5,500円ですが、初年度無料で利用でき、年間利用額100万円(税込)以上(※1)であれば翌年度も年会費無料です。年間利用額が100万円未満の場合は年会費がかかりますが、法人カードの年会費は事業用の支出として経費計上が可能です。
「JCB Biz ONE ゴールド」は、「JCB Biz ONE 一般」と同様に、いつでもポイントが2倍たまります。さらに、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルの国際空港内にあるラウンジを無料で利用できる「空港ラウンジサービス」を付帯している点も魅力です。
ポイントのたまりやすさに加え、特典・サービスの充実さを求める方は検討してみましょう。
- 1 年会費、ショッピングリボ払い・分割払い・スキップ払い手数料、キャッシングサービスご利用分、電子マネーチャージご利用分など一部のご利用分は集計の対象となりません。

法人カードのメリットを徹底解説!業務を効率化できる使い方・サービスとは
よくある質問
-
開業届の出し方を教えてください
-
開業届の出し方は、次の3つがあります。
- 税務署の窓口へ持ち込む
- 税務署に郵送をする
- e-Taxを利用してオンラインで提出する
それぞれ特徴が異なるため、自分にあった提出方法を選びましょう。
-
個人事業主が開業届を出さないとどうなりますか?
-
開業届を提出しなくても罰則はありません。ただし、屋号付き口座の開設や補助金の申請ができないなどのデメリットがあります。また、青色申告による特別控除も受けられないため、事業を継続的に行う予定がある人は、開業届を提出しておくとよいでしょう。
-
開業届を出すデメリットはありますか?
-
開業届を提出するデメリットは次の2つです。
- 失業手当を受けられなくなる
- 扶養から外れる場合がある
開業届を提出して個人事業主になると「求職中」とはみなされないため、失業手当の受給対象から外れます。
扶養に関しては加盟する健康保険組合によって条件が異なるため、確認してみましょう。 -
開業届はどこに出しますか?
-
開業届は、納税地を管轄する税務署に提出します。管轄の税務署は、国税庁のウェブサイトで郵便番号などから検索できます。
-
開業届の書き方を教えてください
-
開業届は、氏名・住所・開業日・職業・屋号・個人番号(マイナンバー)などの必要事項を記入します。屋号の記入は任意ですが、屋号付きの口座を作りたい場合などは記入しておくと便利です。事業名や店舗名を屋号として使えます。
-
個人事業主が開業のために準備しておくべきものはありますか?
-
開業届のほかにも、青色申告をしたい方は「所得税の青色申告承認申請書」が必要になります。
また、あると便利なものとして「法人カード」があります。法人カードのなかには、個人事業主が発行できるものもあり、個人用のクレジットカードのように店舗やネットショッピングなどで利用可能です。
事業用の支払いを法人カードにしてプライベートの支出と区別することで、仕訳作業もしやすくなるでしょう。
法人の本人確認書類不要!

会計ソフト等の連携可能で、
J-POINTはいつでも2倍

初年度年会費無料+条件達成で
翌年度も年会費無料
- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
-
氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級
関連記事を見る







開業届は個人事業主としての開業を知らせる書類ですが、提出しなくても特に罰則はありません。ただ、開業届を提出することで確定申告の際に「青色申告」ができるという大きなメリットがあります。最大65万円を控除できるため、控除がない白色申告よりも節税効果が期待できます。従業員を雇って青色事業専従者給与を適用するにも開業届が必要なので、開業したらすぐに提出しましょう。