開業・出店
キッチンカー(移動販売)開業に必要な資格・資金、失敗しないポイントまで徹底解説!
公開日:2024年9月26日
屋外イベント会場などで見かけるキッチンカーによる移動販売は、近年公園やオフィス街などでも目にする機会が増えてきています。キッチンカーは開業しやすいとも言われますが、デメリットなどはないのでしょうか。
この記事では、キッチンカー(移動販売)の概要や開業時のメリット、必要な資格や資金の目安などを詳しく解説しています。開業で失敗しないためのポイントも紹介しているため、キッチンカーの開業を検討する際の参考としてお役立てください。
この記事でわかること
- キッチンカーの概要と種類
- キッチンカー開業に必要な資格や資金の目安、開業までの流れ
- 開業で失敗しないためのポイントやおすすめのツール
目次
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1 キッチンカーとは
キッチンカーとはどういったものなのか、概要や種類について解説します。
1-1 車内で調理ができる移動販売車
キッチンカーとは、調理できる設備を持った車両のことです。一般的には、移動販売に使用する車のうち、車内に調理設備を搭載している車をキッチンカーと呼びます。「ケータリングカー」「フードトラック」などと呼ばれることもあります。
移動販売車の中には、竿竹などの生活用品を販売している車両や、野菜や生鮮食品などの調理を伴わない食品の移動販売をしている車両もあります。こうした車両は車内に調理設備がないため、厳密にはキッチンカーではありませんが、店舗内の厨房など車内以外で調理した食品を移動販売している車両をキッチンカーと呼ぶケースもあります。
1-2 移動販売するキッチンカーの種類
上で解説したとおり、キッチンカーはいくつかの種類に分けることができます。パンの移動販売を例に挙げた場合、キッチンカーの種類は以下の3つに分けられます。
- 車内で焼いたパンを販売する
- サンドイッチなど、車内で調理したパンを販売する
- 店舗や工場で焼いたパンを販売する
どの方法で移動販売するかによって、キッチンカー開業までの手続きや準備、申請方法などが異なる場合があるため注意が必要です。キッチンカー開業に必要な資格や開業までの流れについては後で詳しく解説します。
2 キッチンカーのメリット
キッチンカーを開業するメリットには、次のような点が挙げられます。
2-1 開業費用やランニングコストを抑えやすい
通常、飲食店を開業する際には、店舗となる物件を取得する必要があります。物件取得時には敷金や礼金、仲介手数料などのほか、店舗の内装や外装、設備工事費用などもかかるため、初期費用が大きくなりがちです。開業後は月々の家賃も発生するため、ランニングコストにも注意しなければなりません。
その点、キッチンカーの場合は車を所有していれば開業が可能で、工事や備品購入費なども店舗に比べて小規模なため、開業費用を抑えやすいメリットがあります。家賃も発生しないため、ランニングコストが抑えやすい点もキッチンカーの魅力のひとつです。
2-2 短期間で開業できる
上で解説したとおり、キッチンカーは店舗よりも小規模な設備で開業できるため、短期間で開業にこぎつけられる点もメリットとなります。
早ければ数ヵ月程度で開業できるケースもあり、あまり時間をかけずにすぐ開業したい際にもおすすめです。
2-3 好きな場所へ移動して販売できる
店舗の場合は、支店を持たない限り複数の場所で販売することはできませんが、移動ができるキッチンカーなら可能です。競合店のない地域を選んで販売したり、移動場所のニーズに合わせて商品やメニューを変えたりすることもできます。
複数の場所で販売する場合は、それぞれ営業許可の取得が必要となるため注意が必要ですが、ひとつの場所にお店を構えて営業するよりも、好きな場所へ移動して自由に販売できるスタイルに魅力を感じる方もいるでしょう。
キッチンカーの営業場所を固定しない場合は、どこで販売しているかの情報発信も集客では重要となります。SNSでの発信や近隣へのチラシ配布などを行って、周知に努めることが大切です。
販売可能な場所を探す際は、フードフェスやイベント情報などをこまめにチェックするほか、出店場所の貸し出しを行っているサービスへの登録、スペースシェアリングサービスの活用といった方法が挙げられます。利用できるサービスは地域によっても異なる場合があるため、最寄りの商工会議所や観光協会などへ問い合わせるのもひとつの方法です。
3 キッチンカー開業に必要な資格・資金
ここでは、キッチンカーの開業に必要な資格や資金、開業までの大まかな流れなどを解説します。
3-1 キッチンカーの開業に必要な資格
キッチンカーに限らず、食品を取り扱う営業を行う場合、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が主催している講習を受講することで取得が可能です。キッチンカーを開業する際に調理師の免許は必須ではありませんが、調理師免許を持っていると食品衛生責任者の受講を免除できます。車両で移動する際には、自動車の運転免許も必要です。
開業前には、キッチンカーによる営業許可の申請が必須です。営業許可申請は、移動販売しようとする地域を管轄する保健所へ行います。
パンの移動販売を例に挙げると、パンを焼いて販売する場合は「菓子製造業」の営業許可、サンドイッチなどパンを使って調理する場合は「飲食店」の営業許可がそれぞれ必要です。
細かな基準や申請に必要な条件などが地域によって異なることもあるため、開業を検討する際は早めに管轄の保健所へ確認することをおすすめします。ただし、法改正によって情報が更新される場合もあるため、常に最新情報を把握できるよう注意が必要です。
3-2 キッチンカーの開業に必要な資金の目安
東京23区内で店舗を構えて飲食店を開業する場合、一般的に必要な資金は1,200万円以上が目安といわれていますが、キッチンカーの場合は300万円程度で開業することも可能です。
店舗よりも費用を抑えて開業可能とはいえ、車両や設備、外装にこだわる場合は、目安より高くなる場合もあります。
開業後に一定期間赤字が続いても乗り切るためには、運転資金も必要です。経営が軌道に乗るまでの間に資金がショートしないよう、余裕を持って準備するようにしましょう。
3-3 キッチンカー開業までの大まかな流れ
キッチンカー開業までの大まかな流れは次のとおりです。
- コンセプト決定
販売するメニューやターゲット層、価格帯や出店する場所など、キッチンカーのコンセプトを決定します。必要な資金や売上目標なども細かく検討することで、開業後の経営計画が立てやすくなります。
- メニュー開発
作成したコンセプトを基に、メニューの名前や価格、種類などを決定します。
- 販売場所と仕込み場所の決定
営業許可の申請をする販売場所を決定します。仕込み場所を別に構える場合は、厨房の場所も決定します。
- 車両選定
キッチンカーとなる車両の選定を行います。購入する場合は新車か中古車か、通常の車両をカスタムするか、カスタム済みの車両を選ぶか、レンタルにするかなど、コンセプトや資金と相談しながら選定方法を決めましょう。
- 許可申請
移動販売を行う場所の保健所へ営業許可の申請を行います。食品衛生責任者の資格も忘れずに取得しておきましょう。
- 開業
営業許可証が取得できたら、キッチンカーの開業が可能です。食材の仕入れや消耗品、備品の購入など、オープンまで準備を進めていきます。
4 キッチンカー開業で失敗しないポイント
キッチンカー開業で失敗しないためのポイントは次のとおりです。
4-1 コンセプトをしっかりと作り込む
コンセプトを細かく決めることは、開業時に意外と重要な作業です。なんとなくざっくりと決めてしまいがちですが、メニューの名前や魅力、価格設定や販売場所、ターゲットの年代や趣味嗜好まで細かく決めていくことでイメージが明確になり、開業準備も進めやすくなります。
開業までの流れを参考にしながら、開業前後にやるべきことのチェックリストを作成するのもよいでしょう。
4-2 移動販売をサポートするツールを活用する
現金支払いのみにしているキッチンカーもありますが、レジや注文、各種決済への対応などには、タブレットやアプリなどを使用してDX化しておくことをおすすめします。
さまざまな決済方法への対応や、待たずに注文可能なシステムを採用することはお客様にとってメリットとなるだけでなく、営業時の業務効率化にも役立ちます。
1~2人で営業する形態を取る場合は、お客様がタブレットやアプリから注文できるツールの活用などを検討するとよいでしょう。
4-3 NFCタグサービスのご案内
JCBでは、新しい決済方法として「NFCタグサービス」を提供しています。
お店のNFCタグにお客様が持っているスマートフォンをタッチすると、支払いページが起動しスマートフォン上で決済ができます。
電源やネットワーク、店舗端末なしで決済可能なNFCタグサービスは、小型で自由にレイアウトができるため、キッチンカーによる移動販売のサポートツールとしてもおすすめです。
加盟店様向けの管理ウェブ画面や管理アプリは無料で提供されるため、PCまたはタブレットがあれば、初期費用をかけずにキャッシュレス決済を導入することができます。
5 まとめ
キッチンカーとは、車内に調理設備を持った移動販売車や、仕込み場所で調理したメニューの移動販売を行う車両のことです。屋外イベントやオフィス街などさまざまな場所で飲食の提供が可能で、開業時の費用やランニングコストも抑えやすいため、近年人気となっています。開業に必要な資格や資金、許可申請などの流れをチェックし、便利なツールも活用しながら、キッチンカーの開業をスムーズに進めていきましょう。
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