開業・出店
小さな飲食店を開きたい!開業までのステップや、必要資金・成功のコツなども説明
公開日:2024年11月28日

小さな飲食店を開く際、ひとりでまかなえるのはどれぐらいの規模か、開業までに何をすべきか、資金はいくら必要かなど把握しておくべき問題は少なくありません。
この記事では、小さな飲食店の概要、メリットと注意点、開業までのステップなどについてお伝えします。これから飲食店の開業を検討される際は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 小さな飲食店の概要
- 小さな飲食店を開業するメリットと注意点
- 小さな飲食店を開業するまでのステップと必要資金、成功のコツ
目次
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1 小さな飲食店とは?
小さな飲食店とは、広さにして10~15坪程度、席数にして10席程度がおおまかな定義です。ただし、立ち食いそばやバーのようにカウンターのみにした場合は、10坪以下の広さでも開業は可能です。
また、できるだけコストを抑えたい場合は、厨房と受付窓口だけでテイクアウトやデリバリー専門店にする方法やキッチンカーという選択肢もあります。
飲食店の種類や営業形態により差はあるものの、今回は、主に10~15坪程度、10席程度の店舗を開業する場合の方法について見ていきましょう。
2 小さな飲食店を開業するメリット
小さな飲食店を開業することには、次のようなメリットが考えられます。
2-1 最小限のコストで開業できる
小さな飲食店を開業するひとつめのメリットは、最小限のコストで開業できる点です。店舗を借りる資金や食器、設備の準備などすべてが最小限に抑えられます。
特に初めて飲食店を経営する場合、成功する可能性もあるものの、失敗してしまうリスクも少なくありません。もし最初から大きな店舗を構えてしまい失敗すれば、損失額も大きくなってしまい、出直すことも難しくなってしまうでしょう。
万が一のリスクを考えれば、最初は小さな店舗で始める方がメリットがあるといえます。
2-2 従業員を雇用する手間やコストがかからない
小さな飲食店であれば席数も少なく基本的にひとりでまかなえるため、従業員を雇用する手間やコストがかからないのが2つめのメリットです。
従業員を雇用する場合、単純に給与だけではなく、採用のために広告を出すコスト、面接や教育にかかる時間的コストも発生します。
もちろん、店舗が繁盛するようになりひとりではまかなえなくなれば、従業員は必要です。しかし、開業当初は運転資金に加え、店舗の認知や集客にコストをかけなくてはならないため、従業員にコストをかけずにすむのは小さな飲食店のメリットといえるでしょう。
2-3 自分の好みを反映しやすい
3つめのメリットは、小さな飲食店であれば、自分の好みを反映しやすい点です。自分以外の誰かと共同で飲食店を開業する場合、誰とやるかにもよるものの、自分の好みを100%反映させることは難しくなります。
店舗の外観や内装、メニュー内容や設備に至るすべてを自分の好みで進めていけるのは、ひとりでまかなえる小さな飲食店だからこそです。
もちろん、集客を考えるのであれば、多くの人に好まれるための店舗にすることが大切です。しかし、基本的には自分の責任で店舗をプロデュースできるのが小さな飲食店の大きなメリットです。
3 小さな飲食店を開業する際の注意点

小さな飲食店には多くのメリットがある半面、注意しなくてはならない点もあります。特に注意すべき点として挙げられるのは次の3点です。
3-1 利益を高めることが難しい
小さな飲食店は、席数が少ないため、売上の最大値が低くなり、利益を高めるのは簡単ではありません。特にカフェのようなゆったりと寛げる雰囲気の店舗だと回転率も悪く、より収益性は望めなくなってしまうでしょう。
小さな飲食店でも利益率を高めるには、テイクアウトも行う、カウンター席だけにする、利益率の高いメニューを増やす等の工夫が必要です。
3-2 経費が高くなってしまう場合がある
小さな飲食店の経営で難しいのは経費が高くなってしまう傾向がある点です。例えば食材の仕入れに関しても、大きな店舗であれば、大量に仕入れることで仕入れ単価を低くすることができます。
しかし、小さな店舗の場合、大量に食材を仕入れても保存する場所がないうえ、賞味期限内に使いきることも困難です。そのため、少量仕入れとなり単価が上がってしまう可能性も高まるでしょう。
また、食器の仕入れに関しても同様で、小さな店舗ほど経費は高くなる傾向があります。そのため、経費を抑えるには、できるだけ安く仕入れができるルートの確保が必須です。
3-3 病気やケガをすると営業ができなくなってしまう
ひとりで店舗をまかなっている場合、もし病気やケガをしてしまうと、翌日から営業ができなくなり、直接経営に響くリスクが高まります。
従業員がいれば、自身が働けなくなっても店舗を任せられますが、ひとりしかいなければ店舗を閉めざるをえません。
店舗休業のリスクを軽減するには、商工会議所の会員になり休業補償保険に入る、もしくは店舗運営を代理で行ってくれる人を見つけておく必要があります。
4 小さな飲食店を開業する流れ

実際に小さな飲食店を開業するまでの流れを、順を追って解説します。
4-1 コンセプトを設計する
規模の大小に関わらず、店舗のコンセプトは重要です。特に小さな飲食店の場合、利益率を高めるにはコンセプト設計がすべてといってよいほど注力する必要があります。
具体的には、店舗を出す場所、営業時間、メニュー内容、価格帯、ターゲット、店舗の外観や内装などです。物件探しや開店準備も含め、開業予定の1年ぐらい前から始めましょう。
また、開業・運転資金の融資を受ける場合、事業計画書が必要になります。そのため、売上や利益率予測などをしっかりと数値化し、計画書に落とし込むことも大切です。他者が見てもわかりやすく納得できるコンセプト設計を心がけましょう。
4-2 物件選び
コンセプトを設計したら次は物件選びです。資金を融資してもらうための事業計画書には、家賃や光熱費、外観・内装工事費用も記載しなければなりません。そのため、資金融資の前に物件を見つけ、仮押さえをしておく必要があります。
なお、できるだけコストを抑えたい場合は、居抜き物件を探すのがおすすめです。設備をそのまま使えたり、内装工事を最低限に抑えたりが可能になるため、コスト低減につながります。
また、物件を探す際は、外観・内装工事を見据え、施工業者にも同行してもらいましょう。そうすることで、後になって工事ができないといったトラブルを防ぐことができます。
4-3 資金を調達する
開業資金は、後の運転資金も含めて算出します。一般的には小さな店舗であっても1,000~1,500万円は必要です。自己資金を勘案したうえで、資金を融資してもらえる金融機関を探しましょう。
また、自己資金が少ない場合や開業資金が1,500万円以上かかるような場合は、補助金や助成金の活用がおすすめです。例えば日本政策金融公庫では、「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」として、最大7,200万円の融資を受けられます。
4-4 資格を取得する
飲食店を開業するうえで必要な資格を取得します。具体的には食品衛生責任者、防火管理者の資格は必須です。
食品衛生責任者は保健所、防火管理者は消防署で1~2日程度の講習を受ければ取得できます。費用は食品衛生責任者が1万円程度、防火管理者は3,000~5,000円程度です。
なお、調理師免許はなくても問題ありません。資格取得には調理師養成施設に通うもしくは飲食店での実務経験が必要なため、時間があれば取得しておきましょう。
4-5 届出申請を行う
飲食店を開業するにはさまざまな届出が必要です。ここでは小さな飲食店で必要な届出について紹介します。
必要な届出 | 期限・届出場所 |
---|---|
食品営業許可書 | 店舗完成の10日ほど前までに保健所に届出 |
防火対象設備使用開始届 | 使用開始7日前までに消防署に届出 |
火を使用する設備等の設置届 | 設備設置前までに消防署に届出 |
個人事業の開廃業等届出書 | 開業日から1ヵ月以内に税務署に届出 |
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 | 営業開始の10日前までに警察署に届出(深夜12時以降も酒類を販売する場合) |
4-6 内装工事を行う
内装工事は、資金調達の目途がついたら着手します。資格取得や届出申請と同時に行い、開業に間に合うよう、計画的に進めていきましょう。また、店舗用品や食器の購入もこの時期に行います。
4-7 仕入れ先の選択
食材の仕入れ先を確保します。少量仕入れになるとどうしても単価が高くなりがちなため、できるだけ安い仕入れ先を探す必要があるものの、質も重要なため、バランスを考えて選択しましょう。
ポイントは、原価率を意識したうえで、複数の仕入れ先を持っておくことです。例えば生鮮食品はA、飲料品はBなど、種類別に安い仕入れ先を探すとよいでしょう。
また、同じ食材でも複数の仕入れ先を持っておけば、万が一どちらかの供給に制限が生じた際にも迅速に対応できます。
5 小さな飲食店を成功させるコツ
小さな飲食店を成功させるうえで特に重要なコツは次の2点です。
5-1 会計管理を適切に行う
小さな飲食店ですべてをひとりでまかなおうとすると、どうしても日々の接客や雑務に追われてしまい、会計管理が後回しになってしまいがちです。しかし会計管理を怠れば、決算や確定申告時の作業が膨大になり、店舗運営にも大きな影響が出てしまいます。
また、会計管理というと、仕入れ単価を下げる、利益を上げるといったことに目が行きがちですが、支払い管理やキャッシュフローの改善も欠かせません。そこでおすすめなのはJCBが発行する個人事業主の方向けの法人カード「Biz ONE」です。
経費の支払いを法人カードに一本化することで、確定申告にかかる手間や時間を削減できます。また、キャッシュアウトを遅らせられるため、キャッシュフローの改善も可能です。会計管理の効率化により、本業に時間を割けるようになり、売上向上の可能性も高まるでしょう。
5-2 認知・集客を適切に行う
飲食店で売上を向上させるには、まず認知を得て集客につなげる必要があります。認知を得るには、SNSや検索広告、Google ビジネスプロフィールなどのオンライン、DMやチラシなどオフラインを併用してアピールすることが重要です。
集客に関しては、例えばSNSを使ったクーポンの配布、口コミの活用などの効果が期待できます。そのうえでショップカードやスタンプカードなどリピーター獲得もしっかりと行いましょう。
また、集客に関しては、こちらのホワイトペーパーも参考にしてください。
6 まとめ
飲食店の開業でも、小さな店舗であればひとりで運営できるため、最小限のコストで始められます。ただし、ひとりでできることは限られてしまうため、食材の原価率や利益率の高いメニューの開発などは欠かせません。
また、利益向上ばかりに目が行くと支出の管理が疎かになってしまう可能性があります。小さいとはいえ、飲食店の運営を成功させるのであれば、お客様に喜んでもらい売上を高めると同時に会計管理に対する意識向上も重要です。
各種サービスの活用も選択肢に入れ、会計管理の効率化やキャッシュフローの改善を実現させていきましょう。
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