法人カードの基本をおさえる
法人化したらクレジットカードはどうする?法人カードのメリットと注意点
公開日:2026年3月26日

法人化をする際は、経費の支払いに使うクレジットカードも法人向けのものに切り替えることがおすすめです。法人化したあとも個人クレジットカードで経費を支払い続けると、税務上の問題になる可能性や経費処理が煩雑化して本業に支障が出る可能性があります。法人クレジットカードは、申込対象にあてはまれば法人化したばかりの企業でも申し込み可能なうえ、ビジネス向けのメリットも豊富です。特徴を押さえたうえで、自社にあった法人クレジットカードを選びましょう。
この記事でわかること
- 法人化したあとも個人のクレジットカードを使い続けるリスク
- 法人クレジットカードのメリット
- 【設立直後の法人向け】法人クレジットカードの選び方
目次
法人化したばかりの企業でも法人クレジットカードは作れる
法人化したばかりの企業でも、申し込み後の審査に通過できれば、法人クレジットカードを作ることは可能です。これまで個人クレジットカードで経費を支払っていた場合は、法人クレジットカードの導入を検討しましょう。
仕入れや経費などの事業に関する支出を法人クレジットカードに一本化することで、経理作業の効率化やガバナンスの強化、コスト削減などが期待できます。
ただし、「黒字決算の法人」「決算書2期分を提出」などの申込条件がある法人クレジットカードもあります。事前に申込条件を確認したうえで申し込みましょう。
法人化したあとも個人のクレジットカードを使い続けるリスク
法人化後も個人クレジットカードで経費を支払い続けると、税務上の問題になる可能性や、経費処理が煩雑化して本業に支障が出る可能性があります。法人化の際には、こうしたリスクを理解しておくことが大切です。
税務上の問題になる可能性がある
個人クレジットカードで経費を支払った場合、税務署からは事業の経費とプライベートの支出の区別がつきにくく、経費として認められない可能性があります。否認された場合、その分の法人税が増えるだけでなく、過少申告加算税や延滞税といったペナルティが課されることも考えられます。 そのため、法人に関する費用は、法人口座からの引き落としにすることが推奨されます。
クレジットカードで経費を支払う場合は、法人化してから早い段階で、法人口座からの引き落としに対応した法人クレジットカードを作ることが望ましいでしょう。
経理処理が煩雑化し、本業に支障が出る可能性がある
個人クレジットカードで経費を支払うと、毎月の利用明細のなかから経費利用分を選別したうえで仕訳しなければなりません。特にプライベートと経費の支払いを一度に行ってしまうと仕訳が複雑になります。会計ソフトを活用していたとしても、手作業での仕訳では、ミスや漏れを防ぐことは難しいでしょう。経営者の貴重な時間を、本来やるべき仕事に割けないのは大きな損失になります。
また、経費の全体像をリアルタイムで把握できず、正確な月次決算が遅れる原因にもなり得ます。
法人クレジットカードと個人クレジットカードの違い
法人クレジットカードは、事業に関する支払いに特化したクレジットカードで、法人代表者や個人事業主向けのほか、企業向けのカードがあります。利用可能枠(限度額)が個人クレジットカードに比べて高い点や、会計サービスとの自動連携、従業員用追加カードの複数枚発行など、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実している点が特徴です。
また、法人口座を支払口座に設定できるため、事業に関するお金の流れを個人の支出と完全に切り離すことが可能です。
法人クレジットカードと個人クレジットカードの違いは、次の通りです。
| 法人クレジットカード | 個人クレジットカード | |
|---|---|---|
| 発行対象 | ● 法人 ● 法人代表者 ● 個人事業主 | 個人 |
| 利用目的 | 事業に関する支払い | 支払い全般 (用途を問わない) |
| 支払口座 | ● 法人口座 ● 屋号付き口座 | 個人口座 |
| 審査内容 | ● 申込者の信用情報 ● 法人の信用情報 | 個人の信用情報 |
| 追加カード発行 可能枚数 | 個人クレジットカードに比べると 多い傾向 | 法人クレジットカードに比べると 少ない傾向 |
| 利用可能枠 (限度額) | 個人クレジットカードに比べると 高い傾向 | 法人クレジットカードに比べると 低い傾向 |
| 付帯サービス | ビジネス向けの 付帯サービスが充実 | ビジネス向けに限らない |
| 支払い方法 | 一括払いのみに限定されている 場合もある | ● 一括払い ● 分割払い ● リボ払い ● ボーナス払い など |
| 年会費 | かかる場合が多い | かからない場合が多い |
法人クレジットカードを導入するメリット
法人クレジットカードの導入によって、経理作業の効率化やガバナンス強化ができるといったメリットがあります。
法人クレジットカードを利用することで経費を一元管理できるうえ、利用明細データを会計ソフトなどに自動で取り込めるため、仕訳や精算がスムーズになります。
また、利用明細を確認することで支出の透明性が向上し、ガバナンスの強化につながる点もメリットです。
支払いを法人クレジットカードに集約すると、キャッシュフローが明確になり、支払日を調整することで資金繰りを改善できる可能性があります。
さらに、ポイント還元や空港ラウンジの利用、保険などの付帯サービスを受けられるため、ビジネスコストの削減や利便性の向上も期待できます。
【設立直後の法人向け】法人クレジットカードの選び方
法人化したばかりの方には、申込対象や利用可能枠(限度額)、特典や付帯サービスなどのビジネスサポートの充実具合、追加カードの発行可能枚数といった観点で法人クレジットカードを選ぶことがおすすめです。
申込対象にあてはまるか
法人化したばかりの場合、「法人クレジットカードに申し込んでも審査に通らないのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、設立直後の法人であっても、審査に通過できる可能性はあります。
まずは、法人クレジットカードの申込条件を満たしているかを確認することが大切です。
なかには、「黒字決算の法人」「決算書2期分を提出」などの申込条件が設けられている法人クレジットカードもあります。
「JCB一般法人カード」の場合は、法人代表者または個人事業主の方で、カード使用者は18歳以上の方が申込対象です。この条件を満たしていれば、新設法人であっても審査に通過できる可能性があります。
利用可能枠(限度額)が十分か
法人クレジットカードを作るうえで、利用可能枠(限度額)が事業の規模にあっているかは重要です。
利用可能枠が小さいと、広告費や仕入れ、設備投資などにかかる費用のすべてを法人クレジットカードで支払うことが難しくなります。
特に法人化したばかりの時期は、事業成長に向けて事務所を構えたり、従業員を雇ったりと、まとまった支出が発生する場合もあるでしょう。事務所の初期費用や内装工事費用、従業員用のパソコン購入費用などの高額な費用をクレジットカードで支払うには、相応の利用可能枠が必要です。
ただし、実際に適用される利用可能枠は、審査により、法人の支払能力が判断されたうえで決まります。法人クレジットカードの商品概要に記載されている利用可能枠が最大1億円であっても、必ずしも1億円の利用可能枠が適用されるわけではないことを理解しておきましょう。

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ビジネスサポートは魅力的か
法人クレジットカードには、ビジネスに役立つ特典やサービスが付帯されています。導入する際には、年会費などのコストに見合ったビジネスサポートが受けられるかを確認しておくとよいでしょう。
法人クレジットカードに付帯するビジネスサポートの例
- 空港ラウンジサービス
- ゴルフサービス
- プライオリティ・パス
- 会計ソフトとの自動連携
- 請求書カード払い
- 追加カード・ETCカードの発行
- ギフトカード・タクシーチケットの発行
- 出張手配システム
- レンタカー優待
- 福利厚生サービス優待 など
追加カードやETCカードは発行できるか
従業員向けに追加カードやETCカードを発行する予定がある場合は、それらを発行できる法人クレジットカードを選ぶとよいでしょう。
多くの企業向け法人クレジットカードでは従業員用追加カードの複数枚発行が可能ですが、法人代表者向けのカードでは追加カードやETCカードを複数枚発行できないこともあります。法人代表者向けの法人カードを選ぶ場合は、追加カードを発行できるカードを選ぶのが大切です。
もうひとつの選択肢として、設立段階では法人代表者向けの法人クレジットカードを発行し、企業規模が拡大したときに企業向け法人クレジットカードを発行することも可能です。あるいは、今後の事業成長を考え、はじめから企業向けの法人クレジットカードを発行しておけば、新規申込やカード切り替えなどを行う必要がなくなります。

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新設法人におすすめのJCBの法人クレジットカード
法人化したばかりの方には、JCBの法人クレジットカード「JCB Biz ONE」または「JCB法人カード」が便利です。
「JCB Biz ONE」は法人代表者や個人事業主の方向けの法人クレジットカードで、「JCB法人カード」は従業員が複数人いる中小企業向けの法人クレジットカードです。どちらも設立から間もない場合でも申し込みが可能です。
| カードフェイス | ![]() JCB Biz ONE | ![]() JCB Biz ONE | ![]() JCB一般 | ![]() JCBゴールド | ![]() JCBプラチナ |
|---|---|---|---|---|---|
| 申込対象 | 法人代表者または 個人事業主 (フリーランス・副業含む) カード使用者は 18歳以上の方が対象 | 法人代表者または 個人事業主 (フリーランス・副業含む) カード使用者は 20歳以上の方が対象 | 法人または 個人事業主 カード使用者は 18歳以上の方が対象 | 法人または 個人事業主 カード使用者は 18歳以上の方が対象 | 法人または 個人事業主 カード使用者は 18歳以上の方が対象 |
| 年会費 (※1) | 永年無料 | 5,500円(税込) 初年度無料 【年間100万円(税込) 以上利用で翌年度も無料】 | 1,375円(税込) 初年度無料 (オンライン入会の 場合のみ) | 11,000円(税込) 初年度無料 (オンライン入会の 場合のみ) | 33,000円(税込) |
| 年会費(使用者追加1名様ごとに) | ー | 1,375円(税込) 1枚目のカードの 年会費が無料の場合、 追加のカードも無料 | 3,300円(税込) 1枚目のカードの 年会費が無料の場合、 追加のカードも無料 | 6,600円(税込) | |
| 利用可能枠 (限度額) | 10万〜500万円 | 50万〜500万円 | 10万〜500万円 | 50万〜500万円 | 150万円〜 |
| サービス | ● ポイント還元2倍 | ● 空港ラウンジサービス ● ドクターダイレクト24 ● 人間ドックサービス ● ポイント還元2倍 | ● ポイント還元 | ● 空港ラウンジ ● ゴルフサービス ● ドクターダイレクト24 ● 人間ドックサービス ● ポイント還元 | ● 空港ラウンジ ● ゴルフサービス ● プライオリティ・パス ● プラチナ・コンシェルジュ ● ドクターダイレクト24 ● 人間ドックサービス ● ポイント還元 |
| 付帯保険 | ー | ● JCBスマートフォン保険 ● ショッピングガード保険 ● サイバーリスク保険(損害賠償責任保険付) | ● 旅行傷害保険 ● (死亡・後遺障害の場合) ● ショッピングガード保険 ● サイバーリスク保険(損害賠償責任保険付) | ● 旅行傷害保険 ● (死亡・後遺障害の場合) ● 国内・海外航空機遅延保険 ● ショッピングガード保険 ● サイバーリスク保険(損害賠償責任保険付) | |
| 追加カード発行可能枚数 | ー | 複数枚 | |||
| ETCカード発行可能枚数 | 1枚 | 複数枚 | |||
- 1お切り替えの方は初年度年会費無料の対象となりません。
JCBの法人クレジットカードは、種類ごとに特徴が異なるため、自社の状況や目的にあわせて選ぶことが可能です。
たとえば、将来的に従業員にカードを付与する可能性がある場合は、従業員用追加カードやETCカードを複数枚発行できる「JCB法人カード」が適しています。一方、追加カード発行の必要性が低く、プライベートと事業の支出を分けて経理作業を効率化することが目的であれば、ポイント還元率が高い「JCB Biz ONE」が便利でしょう。
まずは法人代表者向けに「JCB Biz ONE ゴールド」を発行し、従業員が増えてきた段階で、追加カードを複数枚発行できる「JCB法人カード」シリーズと順を追って発行するのも選択肢のひとつです。
JCBの法人会員が利用できるサービス
JCBの法人会員は、会員専用WEBサービス「MyJCB」で、ご利用金額やポイント残高の確認、JCBカード会員向けのサービスをインターネットで簡単に利用できます。
そのほかにも、さまざまな会計ソフトとの自動連携や、無料の資金管理サービス「Cashmap(キャッシュマップ)」の利用が可能です。
会計ソフトとの自動連携で会計業務の負担軽減
JCBが提供する法人クレジットカードは、さまざまな会計ソフトとの自動連携が可能です。
- マネーフォワード クラウド会計
- FXクラウドシリーズの「銀行信販データ受信機能」
- 弥生
- freee会計
- ソリマチ
法人クレジットカードと会計ソフトを自動連携すると、利用明細データを自動で取り込めるため、経費の仕訳をスムーズに行うことが可能です。
自動仕訳に対応した会計ソフトを利用すれば、毎月繰り返し発生する仕訳などは手動での処理も不要となり、作業の効率化や負担軽減が期待できます。
無料の資金管理サービス「Cashmap」で複数の銀行口座や法人クレジットカード、請求書などを一元管理できる
JCBの法人会員になると、JCBの法人会員専用の資金管理サービス「Cashmap」を無料で利用できます。「Cashmap」に銀行口座や法人クレジットカード、請求書などの情報を取り込むことで、複数の情報を一元管理できるサービスです。
銀行口座やカードごとの支払金額や残高だけでなく、入出金のタイミングを把握できるため、将来の資金の流れをシミュレーションしながら、計画を立てることが可能です。
「JCB法人カード」の申込手順と必要書類
JCBの法人クレジットカードのなかでも「JCB法人カード」の申込手順と必要書類をご説明します。
「JCB法人カード」は、オンライン入会申込ページにてウェブ申し込みが可能です。
法人の情報や法人代表者の情報などの必要事項を入力すると、JCBによる審査が始まります。所定の審査に通過すると、「JCB法人カード入会申込書(自署・捺印届)」が郵送されるため、必要事項を記入して返送しましょう。
契約確認書類、カードと順番に送付され、カードが届き次第、利用できるようになります。
よくある質問
-
法人化したら個人クレジットカードではなく法人クレジットカードを使うべきですか?
-
法人化したら、法人クレジットカードを導入することが望ましいです。
個人クレジットカードで支払うことも可能ですが、事業に関係する支出であることを証明するには、法人口座からの引き落としが推奨されます。
法人クレジットカードであれば支払口座を法人口座に設定でき、プライベートと経費の支出を分けられます。経理業務の効率化につながるほか、ガバナンス強化やキャッシュフローの把握・改善が期待できます。 -
法人化するにあたって個人クレジットカードからいつ切り替えればいいですか?
-
法人化を検討している段階や法人化した直後など、可能な限り早い段階での切り替えがおすすめです。
ただし、支払口座を法人口座に設定するためには、法人口座の開設が必要です。
法人クレジットカードの発行後に支払口座を変更することも可能ですが、所定の手続きをする必要があり、変更までに時間がかかる可能性もあ ります。
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- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:飯田 道子(いいだ みちこ)
資格:ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、他金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。どの金融機関にも属さない独立系FPです。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住や金融・保険情報を得意としています。
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法人はビジネス上でカード決済する機会が増えてくることもあり、仕事とプライベートの費用を明確に分けるためにも、法人用のカードを持つといいでしょう。法人クレジットカードがあれば、経費の確認や精算もしやすくなるため事務効率も高くなります。さらに、キャッシュフローが確認しやすくなるのもメリットです。カードによっては有料になるかもしれませんが、ビジネスに役立つサービスが利用できる点も見逃せないメリットと言えるでしょう。