基礎知識
カードローンの借入可能額を増額する方法
公開日:2023年2月1日
カードローンの借入可能額は、申請手続きによって増額できる場合があります。現在の借入可能額を超えるお金が必要になった場合、ほかのカードローンを新しく申し込むよりも、契約中のカードローンの増額を申請するほうがメリットは多くなります。
ただし、借入可能額を増額するには、審査が必要です。この記事では、カードローンを増額する方法を解説します。
この記事でわかること
- カードローンの借入可能額の増額方法
- カードローンで借入可能額を増額するメリット
- 審査によって借入可能額が減額するケース
カードローンの借入可能額の増額とは
カードローンには、「◯◯万円まで利用可能」という借入可能額が設定されています。
借入可能額以上のお金を借り入れる場合は、借入可能額の増額を申請する必要があります。ただし、増額するには審査があり、審査に通過しなければ増額はできません。
審査を行う理由は、申込者に「きちんと返済する能力があるか」を見極めるためです。審査では、過去の借入状況や申込者本人の属性などが確認されます。
消費者金融や信販会社をはじめとする貸金業者のカードローンにおいて、借入可能額を増額できる上限は、「総量規制」の範囲内である年収の1/3までと定められています。
総量規制とは、過剰な借り入れから消費者を守るための制限です。たとえば、年収が300万円の場合、借入できる金額の上限は100万円となります。(銀行系カードローンの場合は異なるケースがあります。)
借入可能額を増額する方法
借入可能額を増額するための手続きはカードローンによって異なりますが、カードローン会社のWEBサイトやアプリ、電話、申込書で申請できるケースが一般的です。
JCBのカードローン「FAITH」の増額方法
JCBのカードローン「FAITH」の増額方法を例に紹介します。
- 「ご利用可能枠増額申請書」を取り寄せる
- 申請書の必要事項を記載、収入証明書を添付のうえ返送する
- 審査が完了する
- 郵送にて増額可否の結果が届く
「ご利用可能枠増額申請書」の取り寄せ方法は、資料請求サービスか電話のいずれかです。
「FAITH」の増額方法について詳しくは、キャッシング専用のカード「FAITH」の増額申込方法についてをご覧ください。
キャッシング専用のカード「FAITH」の増額申込方法について
カードローンで増額するメリット
カードローンは複数の会社で借り入れるよりも、ひとつの会社で増額して利用したほうがメリットは大きくなります。借入可能額の増額を行うメリットを具体的に説明します。
1.金利を抑えられる可能性がある
カードローンは、借入可能額が増えるほど、金利が低くなるように設定されています。そのため、他社で新たにカードローンを契約するより、今契約しているカードローンで増額申請をしたほうが金利を抑えられる可能性があります。
たとえば、JCBのカードローン「FAITH」の場合、借入可能額ごとの金利は次の表の通りです。
[カードローン「FAITH」のご利用可能枠(限度額)および金利]
ご利用可能枠 (限度額) |
金利 |
---|---|
500万円 | 4.40% |
400~499万円 | 6.20% |
350~399万円 | 6.90% |
250~349万円 | 8.00% |
150~249万円 | 10.50% |
~149万円 | 12.50% |
上表のように、借入可能額を増額するほど金利が下がるため、複数社で分けて借り入れるよりも1社で増額したほうが金利を抑えられます。たとえば、カードローンで200万円を借りるとき、2社で100万円ずつ借りた場合の金利よりも、1社で増額して200万円借りたほうが金利を下げられる可能性が高いです。
2.新規契約と比べて審査がスムーズ
カードローンの新規契約では、審査を経てカードが届くまでに日数が必要です(スマートフォンアプリで借入できるカードレスタイプのカードローンなどは除く)。
現在借入をしているカードローンで増額を申請するほうが、新しいカードが届くのを待つ必要がなく、審査に通過すればスムーズにお金を借りることができます。
3.返済の管理がしやすい
カードローンを一本化することで、複数のカードローンから借入を行ったときよりも返済のスケジュールや借入残高など管理がしやすくなります。
返済先が複数になると返済日の振り込みを忘れたり、返済日に残高が足りず引き落としができなかったりする可能性が高くなります。
現在借入をしているカードローンの借入可能額を増額すれば、1社からの借入にまとめられるでしょう。
借入可能額の増額に関する注意点
続いて、カードローンの増額を行う場合に注意が必要なポイントを詳しく説明します。
カードローンの借入可能額が自動的に変わることはない
クレジットカードの場合は、利用状況に応じて利用可能額が自動的に引きあげられることがあります。一方、カードローンの場合は、契約者自身が増額の申請をしなければ借入可能額が変更されることはありません。
借入可能額の増額を希望する場合は、契約中のカードローン会社のWEBサイトを確認してみましょう。
増額には審査がある
カードローンの増額を申請する場合も、新規申込のときと同じように審査が必要です。増額申請をしたことにより、借入可能額が減額される可能性もあるので注意しましょう。
カードローンを利用していて、過去に支払いの遅延がないなど利用実績が優良な場合は、カードローン会社から「増額の案内」が届くこともあります。
ただし、増額の案内が届いたからといって、増額申請をして必ず審査を通過するとはかぎりません。増額申請時の年収や他社からの借入状況などによっては、審査に通過できないケースがあります。
収入証明書類の提出が求められる場合がある
借入可能額の増額を申請した場合、総量規制に抵触していないかどうかを確認する目的で、カードローン会社から収入証明書の提出を求められる場合があります。
[収入証明書の一例]
書類 | 備考 |
---|---|
源泉徴収票 | 毎年12月ごろに発行される最新のもの(給与所得に限る) |
確定申告書 | 毎年2~3月ごろに確定申告を行った際の最新のもの |
課税証明書 | 給与収入金額の記載がある最新のもの |
納税通知書 | 毎年5~6月ごろに発行される最新のもの |
給与明細書 | 直近2ヵ月間に発行された2ヵ月分(会社名入りのもの) |
収入証明書は上のいずれか1点を提出します。ただし、審査の結果によっては追加で書類の提出を求められる場合があることを留意しておきましょう。
審査によって借入可能額が減額されるケース
増額のために申請手続きを行ったものの、場合によっては借入可能額を減額されるケースがあります。減額される理由は主に次の4点です。申請をする前に自分が該当しないかを事前に把握しておきましょう。
総量規制オーバーになっていた
他社のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用している場合、現時点で総量規制を超えている可能性があります。増額の申請時点で総量規制の枠を超えていた場合は、本来の枠内に収まるように借入可能額が減額(調整)されます。
年収が下がり総量規制の枠が狭まっていた
転職や離職に伴い年収が下がった場合、総量規制の上限が下がり、増額申請時に借入可能額が減額されることがあります。
総量規制では、借りられるお金の総額は年収の1/3までと定められています。たとえば、年収が450万円から300万円に下がったときは、借りられるお金の上限も総額150万円から総額100万円に下がります。
カードローンの審査において「年収」は借入可能額を決定するために重要な項目です。現在契約しているカードローンの借入可能額を、総量規制の上限にあたる金額で設定していた場合、増額申請時に年収が下がっていれば、借入可能額が減額される可能性が高いでしょう。
転職して勤続年数が短くなった
転職したことで勤続年数が短くなった場合は、審査にマイナスの影響を与える可能性があります。
カードローンの審査では、「借りたお金を遅れることなく返済できる人物かどうか」を重視します。勤続年数が長いほど収入も安定していると考えられるため、勤続年数の長さは審査において重要なポイントになります。
新規・増額問わず審査の項目として「勤務先」や「役職」といった項目も審査に影響を与えるケースがあります。転職によってこれらの項目に変化があれば、減額される可能性も考えられます。
返済遅延があった
過去に返済遅延があると、借入可能額が減額になる場合があります。増額を希望するカードローン会社はもちろんですが、他社のカードローンやキャッシングで返済遅延などがあった場合も借入可能額が減額されることがあるでしょう。
カードローンの審査は、第三者機関に記録されている信用情報をもとに行われます。審査では、特に「契約時から現在までの返済遅延の有無」「他社のカードローンやクレジットカードの利用状況」「自社以外の債務」などが確認されます。
キャッシング返済方法と手数料。遅延したときのリスクと対処法も解説
よくある質問
-
カードローンの増額に条件はありますか?
-
カードローンの増額には審査があります。審査に通過すると、各個人に設定されている借入可能額が増額されます。
-
カードローンの増額申請に在籍確認はありますか?
-
審査の状況によって、在籍確認が行われるケースもあります。
-
カードローンの増額申請の審査に落ちました。どうすればいいですか?
-
すでに限度額に近い金額を借り入れている場合は、一度返済をしたうえで改めて増額申請をするとよいでしょう。
増額申請に落ちたからといって、他社で複数のカードローンに申し込むことは避けましょう。短期間に複数社のカードローンに申請をすると、審査に通りにくくなる場合があります。
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- 【監修者】
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氏名:小宮崇之(こみや たかし)
資格:CFP(R)(公認ファイナンシャルプランナー)、TLC(生命保険協会認定FP)、損害保険プランナー、証券外務員一種、日商簿記検定2級大学卒業後、信用金庫に入社。お客様と接する中で、中立的な立場によるアドバイスの必要性を感じ、保険代理店として独立することを決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。保険代理店の実務経験を活かした執筆業や講師業にも積極的に取り組んでいる。