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個人事業主が車の購入費を経費にする方法!仕訳例・使用する勘定科目
公開日:2026年8月24日

個人事業主は、事業で使用する車を経費にできます。車両本体の購入費用だけでなく、ガソリン代や車検費用、任意保険料なども経費計上が可能です。
ただし、事業とプライベートを兼ねて使用する場合は、「家事按分」によって事業で使用した分のみを経費計上する必要があります。
また、車両本体の購入費用は、購入時に全額を経費計上するのではなく、減価償却を行い数年に分けて処理することが一般的です。
この記事では、個人事業主が車の購入費用や維持費を経費計上する方法について、仕訳例も交えながらわかりやすく解説します。
- 本記事の会計処理の情報は一般的な解説です。状況により異なるため、実際の会計処理方法は顧問税理士や税務署などへ確認してください。
この記事でわかること
- 車の購入費用は経費にできるが、カーローンやカーリースなど、買い方によって仕訳方法が異なる
- 中古車の仕訳方法は新車と同じだが、減価償却で使用する耐用年数が異なる
- 事業用の車を購入したときだけでなく、売却や下取りに出した場合も仕訳が必要
目次
個人事業主は車両本体や関連費用を経費にできる
事業で使用する車の購入代金は、経費計上が可能です。営業車や配送車、送迎車などの事業専用の車だけでなく、事業とプライベートで兼用する車も、経費として計上できる場合があります。
ただし、プライベートでも使用する車は、購入代金の全額を経費にすることはできません。この場合は、「家事按分」という方法で、事業で使用した分のみを経費にする必要があります。
なお、経費計上時の仕訳方法は、車の購入方法によって異なります。
車の購入費用は減価償却で経費にすることが一般的
減価償却とは、長期間使用する固定資産を、購入した年に一度に経費計上せず、使用期間に応じて毎年少しずつ経費化する仕組みです。
車をはじめ、パソコンや機械なども減価償却の対象になることがあります。これらは、購入後に数年間使い続けることで、時間の経過とともに価値が下がっていくのが一般的です。このような資産を「減価償却資産」といいます。
減価償却が必要な理由は、資産の使用や経年による価値の減少分を会計上の費用として計上し、実態に近い利益を把握するためです。
たとえば、300万円の車を購入した年に、購入費用300万円を一度に全額経費計上すると、その年の利益が大幅に減少します。一方で、翌年以降は車を事業で使い続けていても、車両購入費を経費計上できません。実際には車を継続的に使用しているにもかかわらず、利益が年度ごとに大きく変動し、実態にあわない会計処理になってしまいます。
減価償却を行い購入費用を使用期間に分けて計上することで、実際の使用状況に近い形で利益を把握できるようになります。
[車の種類別]経費計上で用いる法定耐用年数一覧
耐用年数とは、減価償却資産を「何年かけて経費計上していくか」を示す年数のことです。
車やパソコンなどの減価償却資産には、所得税法や法人税法にもとづいて、資産ごとに法定耐用年数が定められています。
車の場合は、構造や用途によって法定耐用年数が異なります。主な車の種類ごとの法定耐用年数を見てみましょう。
| 車両の利用目的・分類 (形状・車種イメージ) | 車検証上の用途 ナンバーの色・種類 | 法定耐用年数 |
|---|---|---|
| 軽自動車・軽トラック (排気量660cc以下の車両) | 一般用/黄色ナンバー (4・5ナンバーなど) | 4年 |
| 普通自動車 (セダン、乗用ミニバン、コンパクトカーなど) | 一般の乗用/白ナンバー (3・5ナンバー) | 6年 |
| 商用バン・小型中型トラック (貨物用ワンボックスカー、ライトバンなど) ※ダンプ式以外 | 一般の貨物/白ナンバー (1・4ナンバー) | 5年 |
| 運送・タクシー等の事業用小型車 (宅配業で使う軽貨物車・小型商用バン、小型タクシー等) ※貨物自動車は積載量2トン以下、その他は排気量2,000cc以下 | 運送事業用・旅客用/黒ナンバー・緑ナンバー | 3年 |
業務で使用する車でも、営業活動で使用する車や、自社の資材を運搬する車などは、法令上は「事業用(営業用)」ではなく「一般用(自家用)」に分類されます。「事業用(営業用)」に該当するのは、タクシーや運送会社のように、運送そのものを事業として行う車両です。
また、ワンボックスカーは見た目が似ていても、貨物用と乗用で耐用年数が異なります。外観や車種名だけで判断せず、ナンバープレートの最初の数字(分類番号)や、車検証に記載されている用途を確認しましょう。
中古車の耐用年数の計算方法と計算例
中古車と新車では、減価償却を行う際の耐用年数が異なります。中古車の耐用年数は、次の計算式で求めます。
| 中古車の耐用年数の計算式 |
|---|
| 中古車の耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数 × 0.2 |
なお、計算結果に1年未満の端数がある場合は端数を切り捨て、2年未満の場合は「2年」となります。
中古車の耐用年数は、新車時の法定耐用年数をもとに計算します。軽自動車の法定耐用年数は4年、普通車は6年です。中古車は、経過年数が長くなるほど計算上の耐用年数が短くなります。
たとえば、6年落ちの普通車の耐用年数は、次の通りです。
[経過年数6年の普通車(中古車)の耐用年数]
| 計算式 | (法定耐用年数6年-経過年数6年)+経過年数6年 × 0.2 = 1.2年 |
|---|---|
| 耐用年数 | 2年(2年未満のため) |
下の計算の通り、軽自動車なら経過年数2年以上、普通車なら経過年数4年以上になると、1年未満の端数切り捨てにより、いずれも耐用年数は2年となります。
[経過年数2年の軽自動車(中古車)の耐用年数]
| 計算式 | (法定耐用年数4年-経過年数2年)+経過年数2年 × 0.2 = 2.4年 |
|---|---|
| 耐用年数 | 2年(1年未満切り捨て) |
[経過年数4年の普通車(中古車)の耐用年数]
| 計算式 | (法定耐用年数6年-経過年数4年)+経過年数4年 × 0.2 = 2.8年 |
|---|---|
| 耐用年数 | 2年(1年未満切り捨て) |
個人事業主は「定額法」で減価償却をすることが一般的
減価償却の計算方法には、主に「定額法」と「定率法」があります。個人事業主の場合は、「定額法」を使用することが一般的です。
定額法とは、毎年ほぼ同じ金額を減価償却費として経費計上する方法です。
| 定額法の計算式 |
|---|
| 1年あたりの減価償却費=取得価額×定額法の償却率 |
取得価額とは、減価償却の基準となる金額で、車両本体価格や登録費用、納車費用など、車を取得するためにかかった費用を含めた金額を指します。
[耐用年数別]定額法で経費計上する際の償却率一覧
定額法の償却率は、耐用年数に応じて法令で定められています。新車の場合は法定耐用年数を基準とし、中古車の場合は定額法の計算式で算出した耐用年数をもとに償却率を確認します。主な耐用年数ごとの償却率は、次の通りです。
| 耐用年数 | 定額法の償却率 |
|---|---|
| 2年 | 0.500 |
| 3年 | 0.334 |
| 4年 | 0.250 |
| 5年 | 0.200 |
| 6年 | 0.167 |
たとえば、新車で購入した場合、法定耐用年数4年の軽自動車の償却率は0.250、法定耐用年数6年の普通車の償却率は0.167です。
取得価額100万円の軽自動車(償却率:0.250)を新車で購入した場合の1年あたりの減価償却費は、次の計算式で求められます。
| 計算式 |
|---|
| 100万円 × 0.250 = 25万円 |
この場合、1年あたり25万円を基準に、4年間にわたって減価償却費として経費計上していきます。
なお、減価償却資産は、最終的に「残存簿価」として1円を残して処理することが一般的です。これは、減価償却が完了したあとも、資産(車)が現在も存在していることを帳簿上で管理しやすくするためです。
40万円未満の車両の購入費用は一括で経費計上できる
個人事業主を含む中小企業者は、「少額減価償却資産の特例」により、取得価額が40万円未満(※1)の減価償却資産について、取得した年に全額を経費計上できます。通常、車の購入費用は減価償却によって数年に分けて経費計上しますが、この特例を利用すれば、減価償却を行わずに一括で経費計上することが可能です。
たとえば、取得価額35万円の車を購入した場合、耐用年数に応じて数年間に分けて減価償却するのではなく、購入した年に35万円をまとめて経費計上できます。
なお、個人事業主がこの特例を利用するには、青色申告による確定申告が必要です。適用期限は、2029年3月31日(土)までとなっています。
- 1 2026年4月以降に取得した資産に適用されます。2026年3月以前に取得した資産には、法改正前の上限金額(30万円未満)が適用されます。

減価償却とは?仕組みやメリット、計算・仕訳方法をわかりやすく解説
個人事業主が車両を事業とプライベートで利用するときは「家事按分」が必要
家事按分とは、事業とプライベートを兼ねた支出において、事業で使用した分のみを経費にすることです。
たとえば、客先訪問や仕入れで車を使い、その車を家族の送迎や日常の買い物にも利用する場合は、車両購入費やガソリン代などを家事按分する必要があります。
車の家事按分では、使用時間や使用日数をもとに割合を決めることが一般的です。たとえば、1週間のうち5日は仕事で使用し、週末2日はプライベートで使用する場合、事業用7割・プライベート3割で家事按分し、事業用の7割のみを必要経費として計上します。
たとえば、減価償却費が年間10万円の場合、家事按分の割合が「事業用7割・プライベート3割」であれば、経費にできるのは7万円です。残りの3万円はプライベート利用分として処理します。
なお、使用日数以外にも、「使用時間」や「走行距離」を用いる方法があります。合理的な基準で継続的に家事按分できていれば、どの方法を用いても問題ありません。
[購入方法別]車両本体の経費計上方法
車両本体の仕訳方法は、現金一括・カーローン利用などの買い方によって異なります。ここでは、次の4つの購入方法別に仕訳例を紹介します。
仕訳例は、いずれも次の前提条件を想定しています。
前提条件
- 車両本体価格:200万円
- 車両の種類:普通車(新車)
- 耐用年数:6年
- 償却率:0.167
- 家事按分:事業用7割・プライベート用3割
また、車を購入するときは、車両本体価格以外にも、税金や保険料などのさまざまな支払いが必要です。
ここで紹介する仕訳例は、次の勘定科目と費用で処理する前提としています。
| 車購入時にかかる費用の項目 | 勘定科目 | 仕訳例で使用する金額 |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | 車両運搬具 | 2,000,000円 |
| 自動車税/軽自動車税 | 租税公課 | 30,500円 |
| 自動車重量税 | 24,600円 | |
| 自賠責保険料(36ヵ月) | 保険料 | 23,690円 |
| 検査登録代行料 | 支払手数料 | 30,000円 |
| リサイクル預託金 | 預託金 | 9,000円 |
リサイクル預託金は、支払時点では経費計上せず、「預託金」として資産計上します。
[新車]現金の一括払いで購入するとき
新車の場合は、法定耐用年数を用いて減価償却を行います。車両本体価格と各種費用を現金で支払った場合の仕訳例は、次の通りです。
[購入時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 2,000,000円 | 現金 | 2,117,790円 |
| 租税公課 | 55,100円 | ||
| 保険料 | 23,690円 | ||
| 支払手数料 | 30,000円 | ||
| 預託金 | 9,000円 | ||
今回購入した普通車(耐用年数6年・償却率0.167)の場合、年間の減価償却費は334,000円(2,000,000円 × 0.167)です。購入時に車両運搬具として計上した金額は、耐用年数に応じて毎年少しずつ減価償却費として経費計上していきます。
[減価償却時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 334,000円 | 車両運搬具 | 334,000円 |
家事按分した場合
事業用7割・プライベート3割で家事按分した場合でも、購入時の仕訳自体は変わりません。減価償却時は、事業で使用した割合のみを減価償却費として計上し、プライベート分は「事業主貸」として仕訳します。
[減価償却時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 233,800円 | 車両運搬具 | 334,000円 |
| 事業主貸 | 100,200円 | ||
[中古車]現金の一括払いで購入するとき
中古車と新車では、仕訳方法自体は変わりません。ただし、中古車の場合は、経過年数をもとに算出した耐用年数を使用します。
購入時の仕訳は新車と同じです。ここでは、5年落ちで耐用年数が2年となる普通車を購入した場合を例に、減価償却時の仕訳を紹介します。
耐用年数2年のため、200万円の車両を年間100万円ずつ減価償却します。
[減価償却時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 1,000,000円 | 車両運搬具 | 1,000,000円 |
家事按分した場合
「事業用7割・プライベート3割」で家事按分した場合の仕訳例を紹介します。購入時の仕訳自体は変わりません。減価償却時は、事業で使用した割合のみを減価償却費として計上し、プライベート分は「事業主貸」として仕訳します。
[減価償却時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 700,000円 | 車両運搬具 | 1,000,000円 |
| 事業主貸 | 300,000円 | ||
カーローン(分割払い)で購入するとき
カーローンとは、ローンを組んで車を分割払いで購入する方法です。分割払いで発生する利息は「支払利息」の勘定科目で仕訳します。
なお、残価設定クレジット(残クレ)もローンの一種です。分割払いである点は同じで、仕訳方法も基本的には変わりません。
カーローンで新車を購入した場合の仕訳例を見てみましょう。
[購入時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 2,000,000円 | 未払金 | 2,117,790円 |
| 租税公課 | 55,100円 | ||
| 保険料 | 23,690円 | ||
| 支払手数料 | 30,000円 | ||
| 預託金 | 9,000円 | ||
カーローンでは、毎月元金と利息を返済していきます。たとえば、毎月元金5万円、利息5,000円を口座振替で返済する場合の仕訳例は、次の通りです。
[月々の返済時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 未払金 | 50,000円 | 普通預金 | 55,000円 |
| 支払利息 | 5,000円 | ||
カーローンの場合も、ローン返済とは別に減価償却費を毎年計上します。
普通車(耐用年数6年・償却率0.167)の場合、年間の減価償却費は334,000円(2,000,000円 × 0.167)です。
[減価償却時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 334,000円 | 車両運搬具 | 334,000円 |
家事按分した場合
家事按分した場合でも、購入時の仕訳自体は変わりません。支払利息についても、家事按分が必要です。
「事業用7割・プライベート3割」で家事按分した場合の仕訳例は、次の通りです。
[月々の返済時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 未払金 | 50,000円 | 普通預金 | 55,000円 |
| 支払利息 | 3,500円 | ||
| 事業主貸 | 1,500円 | ||
カーリースを利用するとき
カーリースとは、リース会社が購入した車を、利用者が定額料金を支払って借りるサービスです。ローンとは異なり、車を購入するのではなく、リース契約によって利用する形になります。
リース料金も経費計上が可能です。リース料金には、税金などの諸費用が含まれていることもありますが、それぞれを個別に仕訳する必要はなく、「リース料」の勘定科目でまとめて仕訳します。
また、一般的なカーリースは減価償却の仕訳も不要です。
リース料として、月5万円を口座振替で支払っている場合の仕訳例は、次の通りです。
[リース料支払時の仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| リース料 | 50,000円 | 普通預金 | 50,000円 |
家事按分した場合
リース料を「事業用7割・プライベート3割」で家事按分した場合の仕訳例は、次の通りです。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| リース料 | 35,000円 | 普通預金 | 50,000円 |
| 事業主貸 | 15,000円 | ||
車を売却・下取りに出したときの経費計上方法
購入費用を経費として計上していた車を売却、または下取りに出した場合も、仕訳が必要です。
車を売却したときの経費計上方法
ここでは、車を売却したときの経費計上方法を2パターン紹介します。
[パターン1]
まずは、普通車(耐用年数6年)を新車で200万円で購入し、購入から3年で20万円で売却した場合を例に、仕訳方法を紹介します。
前提条件
- 購入価格:200万円(新車)
- 売却価格:20万円
- 耐用年数:6年(普通車)
- 購入から3年で売却
まず、減価償却費累計額を計算します。減価償却費累計額とは、これまで計上した減価償却費の合計額です。1年あたりの減価償却費334,000円のため、3年間で計上した場合の減価償却費の合計額は次の計算式で求められます。
| 減価償却費の合計額の計算例 |
|---|
| 334,000円 × 3年 = 1,002,000円 |
次に、購入価格から減価償却費累計額を差し引いて、売却時点の帳簿価額を計算します。
| 売却時点の帳簿価額の計算例 |
|---|
| 2,000,000円 - 1,002,000円 = 998,000円 |
帳簿価額998,000円の車を20万円で売却しているため、798,000円(998,000円 - 200,000円)の売却損が発生したことになります。
売却損は事業主貸で処理します。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 現金 | 200,000円 | 車両運搬具 | 998,000円 |
| 事業主貸 | 798,000円 | ||
[パターン2]
続いて、購入から10年後に5万円で売却した場合の仕訳例を紹介します。
前提条件
- 購入価格:200万円(新車)
- 売却価格:5万円
- 耐用年数:6年(普通車)
- 購入から10年後に売却
購入から10年経過の場合、減価償却はすでに完了しています。減価償却資産は、帳簿上で資産が存在していることを確認できるよう、1円を残して処理することが一般的です。
売却益は、次のように計算します。
| 売却益の計算例 |
|---|
| 50,000円 - 1円 = 49,999円 |
帳簿価額は1円ですが、5万円で売却できているため、49,999円(5万円 - 1円)の売却益が発生しています。売却益は「事業主借」で処理します。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 現金 | 50,000円 | 車両運搬具 | 1円 |
| 事業主借 | 49,999円 | ||
事業用の車を売却したときの確定申告について
個人事業主が事業で使用していた車を売却した場合、売却益が発生すると「譲渡所得」として確定申告が必要になることがあります。
売却益が50万円を超える場合は、特別控除50万円を超えた部分に課税されるため、確定申告が必要です。
ただし、売却損が発生した場合でも、ほかの所得と相殺できる可能性があるため、確定申告をしたほうが節税につながる場合があります。
たとえば、「車を売却したときの経費計上方法」で紹介した「パターン1」では、798,000円の売却損が発生しています。
「パターン2」では、49,999円の売却益が発生していますが、特別控除50万円の範囲内のため、確定申告は不要です。
車を下取りに出したときの経費計上方法
車を下取りに出して新しい車へ買い替える場合も、売却時と購入時の仕訳は分けて処理します。
ここでは、次の条件をもとに仕訳方法を紹介します。
下取りに出す車の条件
- 購入価格:200万円(新車)
- 下取り価格:20万円
- 耐用年数:6年(普通車)
- 購入から3年で買い替え
新たに購入する車の条件
- 購入価格:250万円(新車)
- 耐用年数:6年(普通車)
まず、下取りに出す車の帳簿価額を計算します。
| 帳簿価額の計算例 |
|---|
| 減価償却費の合計額:334,000円 × 3年 = 1,002,000円 帳簿価額:2,000,000円 - 1,002,000円 = 998,000円 |
下取り価格は20万円のため、798,000円の売却損が発生します。
この場合の仕訳例は、次の通りです。
[車を下取りに出したときの仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 未収入金 | 200,000円 | 車両運搬具 | 998,000円 |
| 事業主貸 | 798,000円 | ||
[新しい車を購入したときの仕訳例]
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 2,500,000円 | 未収入金 | 200,000円 |
| 現金 | 2,300,000円 | ||
下取りでは、下取り価格を差し引いて買い替えるのが一般的ですが、会計上は「車の売却」と「新しい車の購入」は別々に仕訳する必要があります。
また、車の売却時に50万円を超える売却益が発生している場合は、「譲渡所得」として確定申告が必要になることがあります。
個人事業主は車検費用・ガソリン代などの維持費も経費計上できる
車を事業で使用している場合は、購入費用だけでなく、車検費用やガソリン代などの維持費も経費として計上できます。ここでは、主な維持費の経費計上方法を紹介します。
車検費用の経費計上方法
車検費用のほか、法定点検などの費用も経費にできます。ただし、車検費用には、整備・点検費用のほか、自賠責保険料、自動車重量税、印紙代などが含まれ、それぞれ使用する勘定科目が異なります。
| 費用の内訳 | 勘定科目 |
|---|---|
| 整備・点検費用 | 車両費 |
| 自賠責保険料 | 保険料 |
| 自動車重量税 | 租税公課 |
| 印紙代 | 租税公課 |
| 車検代行手数料 | 支払手数料 |
整備・点検費用は「修繕費」の勘定科目を使用することもできます。
これらの車検費用を現金で支払った場合の仕訳例は、次の通りです。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 車両費 | 30,000円 | 現金 | 80,000円 |
| 保険料 | 20,000円 | ||
| 租税公課 | 20,000円 | ||
| 支払手数料 | 10,000円 | ||
ガソリン代の経費計上方法
ガソリン代を経費計上する際の勘定科目は「燃料費」や「旅費交通費」を使用します。どちらでも問題ありませんが、一度決めた勘定科目で統一することが大切です。
事業用の車のガソリン代を現金で支払った場合の仕訳例は、次の通りです。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 燃料費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 |
車の任意保険の経費計上方法
自動車保険料(任意保険)を経費計上するときは、「保険料」や「損害保険料」の勘定科目を使用することが一般的です。
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 保険料 | 25,000円 | 現金 | 25,000円 |
消耗品などの経費計上方法
車に関する消耗品には、次のようなものがあります。
- タイヤ
- バッテリー
- 工具
- 清掃用品
- カーナビ
- ドラレコ
カーナビのなかには、価格が数十万円の商品もあります。40万円未満(※1)の場合は、少額減価償却資産の特例により、一括で経費計上が可能です。
40万円以上の場合は、商品に応じた法定耐用年数で減価償却を行います。なお、後付けではなく、もともと車に装備されているカーナビやドライブレコーダーなどは、分けて仕訳する必要はありません。車両本体に含めて処理できます。
- 1 2026年4月以降に取得した資産に適用されます。2026年3月以前に取得した資産には、法改正前の上限金額(30万円未満)が適用されます。
- 本記事の会計処理の情報は一般的な解説です。状況により異なるため、実際の会計処理方法は顧問税理士や税務署などへ確認してください。
個人事業主が経費計上できない車の費用
車に関する支出のなかには、経費として計上できないものもあります。
経費計上できない費用の例
- 交通違反の反則金・罰金
- 駐車違反などの反則金
- 違反者講習の講習料
これらは、業務中に発生した場合でも、経費として認められません。
また、事業の実態と大きくかけ離れている車や、売上規模に対して過度に高額な車は、経費として認められない場合があります。ただし、「経費で落とせる車」の条件が明確に定められているわけではなく、「〇万円以上の車は経費にできない」といった一律の基準もありません。
高級車であっても、事業で使用している実態があり、業務との関連性を説明できる場合は、経費として認められる可能性があります。たとえば、顧客送迎を行う事業などでは、高級車に該当する車両を使用することに合理性があると考えられます。
個人事業主が車の維持費を支払うときは法人カードが便利!
車の維持費には、ガソリン代や保険料、税金、消耗品費などがあります。これらの支払いを法人カードにまとめることで、利用明細で支払い内容を確認できるため、経費管理がしやすくなります。
さらに、会計ソフトなどと自動連携できる法人カードを活用すると便利です。法人カードと会計ソフトを自動連携することで、利用明細を会計ソフトへ自動で取り込めるため、経理業務の効率化や入力ミスの削減につながります。これにより、確定申告に向けた作業負担も軽減できるでしょう。
たとえば、JCBの法人カード「JCB Biz ONE」では、次のような会計ソフトとの自動連携が可能です。
- マネーフォワード クラウド会計
- FXクラウドシリーズの「銀行信販データ受信機能」
- 弥生
- freee会計
- ソリマチ
法人カードなら、利用合計金額に応じてポイントを獲得できる点も魅力です。ためたポイントを活用することで、経費削減にもつながるでしょう。
個人事業主向けのポイントがたまりやすい法人カード「JCB Biz ONE」
「JCB Biz ONE」は、個人事業主向けの法人カードです。一般カードとゴールドカードがあり、それぞれ年会費が異なります。
| カードの種類 | 年会費 |
|---|---|
| JCB Biz ONE 一般 | 永年無料 |
| JCB Biz ONE ゴールド | 5,500円(税込) 初年度無料 【年間100万円(税込)以上利用で翌年度も無料】 |
「JCB Biz ONE ゴールド」の年会費は5,500円(税込)ですが、初年度無料で、年間100万円(税込)以上を利用すると翌年度の年会費も無料です。
ガソリン代や高速道路の料金、駐車場代、保険料、消耗品費など、車に関する支払いを法人カードにまとめることで、年会費無料の条件を達成しやすくなります。これにより、実質無料でビジネスに役立つ付帯サービスを活用できるでしょう。
「JCB Biz ONE」の特徴は、いつでもどこでもポイントを2倍獲得できることです。通常は200円(税込)につき1ポイントのところ、2ポイントを獲得できます(※1)。
コード決済サービス「MyJCB Pay」でJ-POINTを1ポイント=1円で利用できます。またネットショッピングでそのまま利用できるほか、お支払い金額に充当できます(※1)。
また、「J-POINTパートナー」の対象店舗で利用すると、ポイント倍率が2倍〜最大21倍になります。カーライフに関連する店舗・サービスも対象です。
| 店舗・サービス | ポイント倍率 |
|---|---|
| apollostation | 3倍 |
| タクシーアプリ『GO』(※2) | 11倍 |
| タイムズパーキング | 3倍 |
| (タイムズクラブアプリ精算限定) | |
| Uber(※2) | 11倍 |
| 会員制ロードサービス≪タイムズロードサービス≫ | 21倍 |
| S.RIDE(※2) | 11倍 |
| 三井のカーシェアーズ | 3倍 |
| ジェームス | 3倍 |
| オリックスレンタカー | 7倍 |
| Amazon.co.jp | 4倍 |
- 1 利用加盟店や交換商品などによりポイント付与条件や交換レートは異なる場合があります。
- 2 プレミアムカード(ゴールド以上)のみ対象です。
- 記載の内容は2026年8月時点の情報です。
ポイント倍率をアップするには、事前にポイントアップ登録が必要です。優待店により特典・条件などが異なります。詳細はJ-POINTパートナーサイトを確認ください。
また、「JCB Biz ONE」はETCカードを1枚発行できます。ETC利用分もポイント付与の対象です。
よくある質問
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個人事業主は車の購入費用を経費にできますか?
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事業で使用する車であれば、車両本体の購入費用を経費計上できます。車両本体以外にも、車検費用やガソリン代、任意保険料、消耗品費などの維持費も経費計上が可能です。
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個人事業主が車の購入費用を経費計上するメリットはありますか?
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車に限らず、経費として計上することで課税所得を抑えられます。課税所得が減ることで、所得税や住民税の負担の軽減につながります。
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個人事業主が車を購入する際は家事按分が必要ですか?
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車を事業だけではなく、プライベートでも使用している場合は、家事按分が必要です。
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個人事業主は車の購入費用をいくらまで経費に計上できますか?
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経費計上できる金額に上限はありません。ただし、事業内容や使用実態に対して不相応な車や、売上規模に対して過度に高額な車は、経費として認められない場合があるため注意しましょう。
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個人事業主はローンで購入した車も経費にできますか?
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ローンで購入した車も経費計上が可能です。
法人の本人確認書類不要!

会計ソフト等の連携可能で
J-POINTはいつでも2倍

初年度年会費無料+条件達成で
翌年度も年会費無料
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- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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個人事業主が車を経費にする際、最も注意したいのが「事業とプライベートの明確な区分(家事按分)」です。兼用車の場合は、走行距離や使用日数などの客観的な基準で事業割合を算出し、日報などの記録を残すことが税務調査対策として重要になります。また、車の購入費は原則「減価償却」を行いますが、青色申告なら一括経費にできる特例も存在します。本記事の仕訳例を参考に、実態に即した正しい処理を行いましょう。