自分にぴったりのクレジットカードをつくる
ブラックカードとは?年収など持つための条件と年会費・招待の受け方を解説
更新日:2023年6月26日
審査基準が厳しいといわれているブラックカードですが、年収や年齢などの明確な審査基準がありません。通常のクレジットカードでは得られない特典や優待サービスがあることで、年会費以上の満足感を得られる可能性は充分にあります。
招待を受けるための条件やクレジットカードの利用方法を把握しておくことで、ブラックカードを持つための近道になるでしょう。
この記事でわかること
- ブラックカードの年会費などの基本情報
- ブラックカードの招待を受けるための条件
- ブラックカード所有者だけが得られる特典
目次
ブラックカードとは最高位のステータスをもつクレジットカード
ブラックカードとは、クレジットカードのなかでも最高位のステータスを持つカードです。
クレジットカードにはステータス性に応じて「グレード」が設定されており、一般カード(ノーマルカード)、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードの順に高くなります。
ブラックカードの年会費は高額
ブラックカードの大きな特徴は、一般的なクレジットカードと比較して年会費が高額であることです。
リーズナブルなブラックカードで3万円代から、より高額なものになると10万円、20万円以上の年会費が必要なものもあります。
年会費が高額なぶん、特典やサービスが豊富です。特典を有効活用することで、年会費相応のサービスを受けられるでしょう。
具体的な特典は「ブラックカードで受けられる特典」で紹介しています。
ブラックカードを持つための条件・審査基準
ブラックカードの多くは招待制(インビテーション制)であり、今使用しているクレジットカードの会社から招待を受けることで申し込めます。そのため、使用しているクレジットカードの上位グレードに、ブラックカードが存在しなければ招待を受けられないので注意しましょう。
そして、ブラックカードの招待を受ける明確な条件は存在しません。ここでは条件がない具体的な理由と、考えられる基準を紹介します。
年収・年齢など明確な審査基準はない
ブラックカードに限らず、クレジットカードの審査基準は明かされていません。そのため、「年収が何万円あればインビテーションがくる」といった年収の目安や「◯歳以上でなければブラックカードを持てない」などの明確な基準がないのです。
ただしクレジットカードを申し込む際は年収を申告することから、年収が審査基準のひとつになっている可能性は高いでしょう。
プラチナカードを持つための年収条件は?審査で気を付けるポイントを紹介
年間利用額が大きい
ゴールドカードやプラチナカードを持っていることに加え、年間利用額が大きいこともインビテーションを受ける重要なポイントになる可能性があります。
年間利用額においても、「1年間で何円利用すればインビテーションがくる」といった、明確な基準は明かされていません。しかし、年収に自信がない方でも、クレジットカードの年間利用額が多い方であれば、カード会社からインビテーションがくる可能性があります。
支払いの遅延がない
「口座にお金が足りず、利用代金の引き落としが間に合わなかった」「キャッシングサービス(※1)の返済に間に合わなかった」など、クレジットカードを利用するにあたり「遅延」がないこともポイントです。
一度でも支払いや返済の遅延をすると、インビテーションを受ける可能性が低くなるかもしれません。こういった要素も重要であると考えておくとよいでしょう。
ブラックカードの詳しい発行方法は「ブラックカードの発行(入会)方法」で紹介しています。
- 1 クレジットカードを利用して現金を借りるサービスのこと
ブラックカードを持つメリット
提供されるサービスを充分に活用することで、ブラックカードならではのメリットをより多く享受できるでしょう。
社会的地位の高さを示すこともできるステータスの高さ
ブラックカードを所有するためには、年収などを含めたさまざまな審査基準を満たす必要があります。そのため、ブラックカードを持っていること自体が社会的地位の高さを示すことになるのです。
ブラックカードのデザインはスタイリッシュで、見る人によってはブラックカードであると一目でわかります。会計の際にブラックカードを出すことで、社会的信用度の高さが示せます。ブラックカードを所有する本人の満足度も高いでしょう。
旅行や出張での魅力あふれるハイクラスな特典の豊富さ
ブラックカードは、旅行や出張といったビジネスで利用できる特典が豊富です。
たとえば、ブラックカードに付帯する「コンシェルジュサービス」では、公共交通機関のチケット手配や宿泊施設の予約、目的に合う飲食店のリサーチや予約などを依頼できます。たとえば接待におすすめの飲食店や、家族や恋人といった大切な方との時間を楽しめる飲食店など、シーンに合うお店を探してもらうことも可能です。
ほかにも、旅行や出張の際にケガや入院をしたときに補償を受けられる「傷害保険」の補償範囲が広いことも特徴です。
一般カードの場合、旅行傷害保険は海外のみが対象であったり、航空機遅延保険が付帯していなかったりすることも少なくありません。ブラックカードであれば、海外・国内の旅行傷害保険、航空機遅延保険、旅行時の携行品損害保険、賠償責任保険が付帯しています。
保険金額も高額であり、一般カードやゴールドカード以上の安心感を得られるでしょう。
ブラックカードで受けられる特典は「ブラックカードで受けられる特典」で詳しく紹介しています。
制限を気にせず買い物ができる利用可能枠(限度額)の大きさ
利用可能枠とは、クレジットカードを利用できる金額の上限を指します。利用可能枠が大きいぶん、高額な買い物ができます。
一般カードからプラチナカードの場合、利用可能額は高くても300万円であることが多いでしょう。
ブラックカードであれば、最大で1億円近い高額な利用可能枠が設定されるケースもあります。ただし、実際の利用可能枠は審査により異なります。
クレジットカードの限度額とは?仕組みと増枠する方法を解説
ブラックカードで受けられる特典
ブラックカードで受けられる特典は、カード会社により異なります。ブラックカード会員のみに提供される情報もあり、所有者ならではの楽しみになるでしょう。
24時間365日利用できるコンシェルジュサービス
コンシェルジュサービスとは秘書のような役割を果たすサービスです。プラチナカードやブラックカードなど、ハイステータスなクレジットカードに付帯しています。具体的には、以下のような依頼ができます。
- 飲食店や旅行・出張で宿泊するホテルや旅館のリサーチ、予約
- 新幹線や航空機など公共交通機関のチケット手配
飲食店をリサーチする時間が惜しいほど忙しい、初めて訪れる土地へ旅行や出張へ行くときなどに便利で、特にビジネスパーソンにとって便利なサービスです。
コンシェルジュサービスは24時間365日依頼できることも多く、旅行や出張で困ったときの頼もしい存在といえるでしょう。
レストラン・宿泊施設の優待サービス
カード会社と提携するレストランや、宿泊施設の優待サービスを受けられることもブラックカードの特典です。
たとえばレストランであれば、所定のコースを複数名で利用すると1名分の料金が無料、コース料理の無料アップグレード、ブラックカード会員のみが楽しめる特別なプランへの招待などがあります。
宿泊施設であれば、スイートルームを会員専用価格での提供、お部屋のアップグレードなどがあります。
日常を離れて特別な体験をしたい方にとって、ブラックカードならではのレストランや宿泊施設の優待サービスは便利に感じられるでしょう。
国内外の空港ラウンジの利用
国内外の空港には、特定のクレジットカードで入室できる「カードラウンジ」や、「プライオリティ・パス」で入室できるラウンジがあります。
カードラウンジは、ゴールドカードまたはプラチナカード以上のクレジットカードを持つ方が入室できることが多く、ブラックカードでも利用可能です。
プライオリティ・パスとは、世界148の国や地域にある1,300ヵ所以上の空港ラウンジ等を利用できる会員制サービスです。ブラックカードの場合、プライオリティ・パスを無料で利用できるサービスは付帯していますが、別途申し込みが必要です。
落ち着いて過ごせるラウンジは、空港で飛行機を待っているとき、待ち合わせをしているときなどに利用するとよいでしょう。国内外の旅行の際に便利に感じられるはずです。
充実した付帯保険
クレジットカードには、国内と海外の旅行傷害保険が付帯しています。ブラックカードの場合、一般カードやゴールドカードよりも保険金額が高額で、傷害保険以外にも付帯していることも少なくありません。
ブラックカードをはじめとする、ハイステータスなクレジットカードに付帯する保険の例は、以下の通りです。
保険の種類 | 補償内容 |
---|---|
国内外の傷害保険 (死亡・後遺障害) |
保険金額最高1億円 |
賠償責任保険 | 旅行期間中に他人にケガをさせた、他人のモノを壊したときの補償 |
携行品損害保険 | 旅行期間中に身の回りのものが破損、紛失したときの補償 |
救護者費用等保険 | 旅行中の遭難による捜索費や、家族が駆けつける渡航費用などの補償 |
航空機遅延保険 | 航空機の遅延、運休で発生した客室料や食事代の補償 |
海外旅行や出張へ行く機会が多いほど、ケガや病気をはじめとするトラブルに遭う可能性も出てくるでしょう。別途保険に加入する手続きや料金が不要であることは、クレジットカードに付帯する保険ならではの魅力です。
エンターテインメントやプレゼント
ブラックカードによっては、映画館や美術館のチケットがもらえたり、プレゼントを受け取れたりするサービスもあります。
提供しているエンターテインメントやプレゼントの内容は、カード会社のサービス内容や提携している企業によって異なります。
具体的なサービス内容は、ブラックカードを所有する方だけが知ることになるでしょう。
ブラックカードの発行(入会)方法
ブラックカードの多くは、インビテーション制(招待制)です。そして、ブラックカードが用意されているクレジットカードを利用することが、招待を受けるための前提条件になります。
まずは、ブラックカードが存在するカード会社のハイステータスカードを利用することからスタートしましょう。
多くがインビテーション(招待)制を導入している
カード会社は、基準を満たした顧客に対して招待を出します。カード会社からの招待を受け、申し込みをすることでブラックカードを所有するチャンスを得られます。
ただしカード会社からの招待を受け取っていても、ブラックカードに申し込む際には再度審査が必要です。申込内容次第では、審査に落ちる可能性もある点には注意しましょう。
申し込みできるブラックカードもある
一部のブラックカードは通常のクレジットカード同様に、自ら申し込みをして発行できるものもあります。
インビテーション制ではないものの、審査基準が高く設定されていること、年会費が高額であることに変わりはありません。
招待を待つよりも早くブラックカードが欲しい、今利用しているクレジットカードにブラックカードが存在しない方は、申込可能なブラックカードを選択するのもよいでしょう。
ブラックカードを目指すなら「JCBプラチナ」がおすすめ
ブラックカードが欲しい方は、まずプラチナカードから利用するとよいでしょう。プラチナカードを持ち、支払いや返済の遅延なく利用し続けることで、インビテーションを受けられる可能性があります。
JCBプラチナは、25歳以上(学生を除く)が申し込みできる年会費27,500円(税込)のカードです。
レストランのコースメニューが1名様分無料になる「グルメ・ベネフィット」や、世界の空港ラウンジ等を無料で利用可能な「プライオリティ・パス」、24時間・365日利用可能な「プラチナ・コンシェルジュデスク」など、プラチナカードならではのサービスが付帯しています。
JCBプラチナを利用して一定の条件を満たすと、JCB最高峰のブラックカード「JCB ザ・クラス」の招待が届く可能性があります。将来的にブラックカードを持ちたい方は、JCBプラチナを検討してみましょう。
プラチナカードとは?年会費や限度額と所有するメリットを解説
ハイステータスで特典豊富な「JCBゴールド」から
プラチナカードの年会費が高額で申し込みに踏み出せない方は、まずゴールドカードから利用するのもよいでしょう。
JCBゴールドは、JCBブランドの安心感・信頼感に加えてステータスの高さが魅力のゴールドカードです。WEB明細サービス「MyJチェック」に登録し海外利用をすると還元率が2倍になるほか、国内外の旅行傷害保険が充実しています。また、国内の主要空港、およびハワイ ホノルルのラウンジを無料で利用できるなど、国内旅行や出張が多い方に最適です。
またJCBゴールドを保持していれば、一定条件を満たした方限定でワンランク上のサービスが受けられる「JCBゴールド ザ・プレミア」への招待が届きます。クレジットカードを育てて、今後さらにステータスの高いカードを持ちたい方にもおすすめです。
ゴールドカードを持つメリット・デメリット|おすすめカードを比較
JCBのブラックカード「JCBザ・クラス」について
JCBのブラックカード「JCBザ・クラス」は招待制のクレジットカードです。
年会費 | 55,000円(税込) |
---|---|
申込条件 | 招待制 |
以下のJCBプレミアムカードを所有する方のうち、一定の条件を満たした方を招待しています。
JCBプレミアムカード一覧
- JCBプラチナ
- JCBゴールド ザ・プレミア
- JCBゴールド
- JCBネクサス(現在は新規発行終了)
コンシェルジュサービスやプライオリティ・パス、旅行傷害保険だけではなく、JCBザ・クラス会員の方だけに、以下のようなサービスも提供しています。
サービス名 | サービス内容 |
---|---|
一匙(ひとさじ) | 会員制・招待制のお店の予約 |
ザ・クラス 名食倶楽部 | ザ・クラス会員限定のグルメイベント |
海外クルーズ優待サービス | 専用ダイヤルから対象の商品を申し込むと、特典がもらえる |
日の丸リムジン ハイヤー優待サービス |
東京発着のハイヤーサービスを優待価格で案内してもらえる |
ゴルファー保険 | ゴルフクラブ破損やケガ、ホールインワン・アルバトロス達成時の記念品の費用補償を受けられる |
バーニーズ ニューヨークでの特別なショッピングサービス |
対象店舗でパーソナルショッピングサービスなど、各種サービスが利用可能 |
- 2023年5月時点の情報です
上の表の内容は、JCB ザ・クラス会員のみのサービスです。そのほかにも、ゴールドカードやプラチナカード向けのサービスも利用可能です。1年を通してさまざまなシーンで、ブラックカードならではのサービスを体験できるでしょう。
よくある質問
-
ブラックカードとはどのようなクレジットカードですか?
-
ブラックカードとは、クレジットカードのなかで最も高いステータス性を持つカードです。多くのブラックカードは招待制であり、誰でも持てるものではないことから特別感があります。
年会費が高額ですがそのぶん特典も豊富です。ブラックカードを有効活用すれば、年会費以上のサービスを受けられるでしょう。
-
ブラックカードの年会費はいくらくらいですか?
-
3万円ほどのものもあれば、10万円、20万円以上のものもあります。
年会費はブラックカードの種類により異なりますが、ゴールドカードやプラチナカードよりも高額な傾向にあります。
-
ブラックカードを持つための条件はありますか?
-
ブラックカードを持つ、招待を受けるための条件は明かされていません。
多くのブラックカードは、カード会社からのインビテーション(招待)を受けることで申し込みできます。
ただし、ブラックカードの招待を受け申し込みをしても、審査が必要です。申込内容やクレジットカードの利用状況(支払いの遅延・年間利用額)によっては、審査に通過できない可能性もあります。
具体的な条件や審査基準は「ブラックカードを持つための条件・審査基準」で詳しく紹介しています。
-
どれくらいの年収があればブラックカードを持てますか?
-
クレジットカードの審査では年収も審査項目のひとつですが、ブラックカードを所有するため年収の目安は明らかにされていません。
カード会社が設けた条件を満たすことが、インビテーションの条件になります。
-
ブラックカードにはどのような特典がありますか?
-
ブラックカードの種類により異なりますが、主に以下のような特典があります。
- 24時間365日利用できるコンシェルジュサービス
- レストラン・宿泊施設の優待サービス
- 国内外の空港ラウンジの利用
- 充実した付帯保険
- エンターテインメントやプレゼント
優待サービスやプレゼントなどは、カード会社により違いが出る点です。ブラックカード所有者だけがサービスの詳細を把握でき、毎年さまざまなイベントを楽しめるでしょう。
各特典は「ブラックカードで受けられる特典」で詳しく紹介しています。
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少しでも早くブラックカードの招待を受ける方法はありますか?
-
クレジットカードの審査基準はカード会社により異なり、ブラックカードの招待を受けるための明確な方法はありません。
ブラックカードの招待を受けるために有効とされる方法には、ハイステータスなカードを継続的に利用すること、毎月ショッピングでカードを利用すること、クレジットカードの支払いやローンの返済を遅延しないことなどが挙げられます。
ハイステータスな1枚を
持ちたい方におすすめのカード
プラチナカードならではのサービスが充実
- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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