法人カードの基本をおさえる
コーポレートカードとは?導入のメリット・選び方・審査で確認されることを解説
公開日:2026年4月24日

コーポレートカードとは、大規模企業や官公庁を対象とした法人カードです。大規模企業ならではの、経費精算や経理作業の多さ、複雑さの解決に役立つのがコーポレートカードです。
さまざまなクレジットカード会社がコーポレートカードを提供していることから、自社にあうのはどのカードかわからない方もいるでしょう。
この記事では、コーポレートカードを選ぶ基準、導入するメリット、発行の流れを解説します。
この記事でわかること
- コーポレートカードを導入するメリット
- コーポレートカードの選び方
- コーポレートカードの導入に関する注意点
目次
コーポレートカードとは
コーポレートカードとは、事業者が発行できる法人カードの一種で、主に大規模企業や官公庁を対象としています。
クレジットカードとしての支払いはもちろん、経理作業や出張などのビジネスシーンを便利にするサービスが付帯されています。
経営者や役員以外にも従業員向けにカードを発行でき、社員によるクレジットカードを使った経費の支払いも可能です。
コーポレートカードにある2つの決済の種類
コーポレートカードには、「会社決済型」と「個人決済型」の2種類があります。
会社決済型
会社決済型とは、利用金額の支払口座が法人口座になるコーポレートカードです。
従業員向けのカードを含め、コーポレートカードの利用金額は法人口座から引き落とされるため、経費にならないものの支払いに使わないよう、ルールを徹底する必要があります。
会社決済型のコーポレートカードは、審査対象が法人になります。
個人決済型
個人決済型とは、利用金額の支払口座が従業員の口座になるコーポレートカードです。
利用金額が従業員の口座から引き落とされるため、経費以外の支払いにも使える場合があります。なお、コーポレートカードを使った支払いは、社内規定に従うことが必要です。
個人決済型のコーポレートカードは、審査対象が従業員個人になります。従業員の信用情報などによっては、審査に通過できない可能性があります。
コーポレートカードを利用するメリット
コーポレートカードを導入することで、企業にさまざまなメリットをもたらします。ここでは主に「会社決済型」のコーポレートカードを例に紹介します。
経費精算システムなどとの連携で経理作業を効率化できる
経費精算システムなどと自動連携できるコーポレートカードであれば、連携により利用明細が自動的に入力されます。これにより、経費精算システムに手動で入力する必要がなくなり、作業の効率化に加え、申請漏れやミスの軽減にもつながります。

経費精算は法人カードが便利!立て替えの手順やメリットをわかりやすく解説
従業員向けカードで立て替え払いが不要になる
会社決済型では、従業員にコーポレートカードを活用してもらうことで立て替え払いが不要になります。
また、立て替え払いに付随する書類作成や提出、申請も不要になり、コア業務に集中することができます。さらに、書類を作成する必要がなくなることから、ペーパーレス化にも役立つでしょう。
ガバナンスの強化につながる
現金払いの場合、領収証書やレシートを紛失してしまったり、受け取り忘れたりすることがあります。また、領収証書などを受け取っていても、代金を支払った目的やどのような業務に使ったのかを記録していなければ、使途がわかりません。
コーポレートカードで支払いをすれば、利用日や利用先、金額が利用明細に記録されます。カードの利用者はもちろん、管理者にもどのような目的で支払いをしたのかが明確になります。
経費に関する情報を可視化することで、不正利用の防止に役立ちガバナンス強化につながります。
コーポレートカードのなかには、カードごとに利用可能枠(限度額)や利用先を制限できるものもあるため、無駄な支出や使い過ぎを抑えやすくなるでしょう。
利用可能枠(限度額)が高めに設定されている
プライベートでの利用が一般的な個人カードや、個人事業主や中小企業が利用するビジネスカードを比較すると、コーポレートカードの利用可能枠(限度額)は高額になる傾向があります。経費の支払いが多い企業では、コーポレートカードが向いているでしょう。
コーポレートカードの場合、企業ごとに利用可能枠が設定されることが一般的ですが、利用者ごとに利用可能枠を柔軟に設定できるコーポレートカードもあります。
ビジネスシーンに便利な特典・サービスが利用できる
経費精算システムとの自動連携のほか、旅行傷害保険や空港ラウンジサービス、ETCカードの発行、出張手配システムなどを付帯したコーポレートカードもあります。
出張の機会が多い企業にとっては、旅行傷害保険や出張手配システムなどが便利に感じられるでしょう。
社用車を利用する機会があり有料道路を利用する場合は、ETCカードを複数発行できるコーポレートカードが便利です。
キャッシュフローの改善につながる
コーポレートカードを使って支払いをした場合、実際に現金を支払うのは翌月または翌々月になります。
これにより、キャッシュフローにゆとりが生まれやすいこともメリットのひとつです。
自社にあうコーポレートカードの選び方
さまざまなクレジットカード会社がコーポレートカードを提供しており、何が自社にあうのかがわからず決められない方もいるかもしれません。ここでは、コーポレートカードを選ぶときに考えたいポイントを見ていきましょう。
導入目的を満たす機能
コーポレートカードを導入するにあたり、自社でどのような課題を解決したいのかを考え、解決するために必要な機能やサービスが付帯されているかを確認しましょう。
企業によって課題はさまざまですが、主にこれらのようなものが考えられます。
- 小口現金管理の廃止
- 経費の立て替え業務の廃止
- 経費の可視化
- コストの適正化
- 領収証書の処理の簡素化
これらは、コーポレートカードを活用することで解決できる課題です。
年会費
コーポレートカードは年会費がかかるものが一般的です。
従業員向けカードにも年会費がかかる場合、枚数分のコストがかかります。何枚発行し、毎年いくらのコストであれば問題ないかを把握しておきましょう。
利用代金の支払日の設定
一般的には、クレジットカード会社が決めた期日に利用代金が引き落とされますが、コーポレートカードの場合は指定できる場合があります。
自社に都合のよい期日を設定できれば、キャッシュフローにゆとりが生まれやすくなるでしょう。
毎月の引き落とし日は、コーポレートカードの公式ウェブサイトに記載されています。
特典・サービス
付帯する特典やサービスは、コーポレートカードによってさまざまです。
コーポレートカード同士を比較し、自社で利用機会が多そうなもの、課題解決につながりやすいものが付帯されているかを探してみましょう。
たとえば、出張機会が多い企業であれば、ラウンジサービスや旅行傷害保険などが付帯していると便利です。さらには海外での日本語サポートデスクが付帯しているカードを選ぶことで、従業員の安全性と利便性を同時に高めることができます。
クレジットカード会社のサポート
コーポレートカードを初めて導入する企業は、クレジットカード会社のサポート体制にも注目してみましょう。
導入後の運用方法やトラブル時の相談のほか、導入することによって自社の経営課題を解決できるのかどうかを事前に聞いてみることで、コーポレートカードを活用しやすくなります。
コーポレートカードの発行方法
ここでは、「JCBコーポレートカード」を例に発行方法を紹介します。
お申し込みフォームより必要情報を入力し、事前申し込みを行います。その後入会前申し込みを行い、審査が実施されます。審査通過後、本申し込みと必要書類への記入と送付を行い、契約確認書類の受領後、カードを発行するといった流れです。
なお、クレジットカード会社によって、申し込みの流れや発行までの期間は異なります。
コーポレートカードの申し込みに必要なもの
コーポレートカードを申し込む際は「法人の本人確認書類」「法人代表者の本人確認書類」が必要です。また、法人の本人確認書類に記載された本店所在地と、申し込み時に記入した所在地が異なる場合は、補完書類の提出も求められます。
法人の本人確認書類の例
- 現在事項全部証明書
- 履歴事項全部証明書
法人代表者の本人確認書類の例
- 運転免許証または運転経歴証明書
- マイナンバー(個人番号)カード
- 住民票の写し
- 在留カード
補完書類の例
- 公共料金の領収証書
- 国税または地方税の領収証書または納税証明書
- 社会保険料の領収証書
審査で確認される主な項目については、「コーポレートカードの審査で確認されること」で解説しています。
コーポレートカードを導入するときのポイントと使い方
コーポレートカードを導入するにあたり、これらのことを把握しておきましょう。
コーポレートカードの使い方を作成・周知する
コーポレートカードに関する社内規定を作成し、カード利用者に周知することが大切です。たとえばこれらのルールを設けておくとよいでしょう。
- 私的利用をしない
- 領収証書などの証憑の提出は必ず行う
- ポイントは勝手に利用しない
- 誤って私的な支払いに利用してしまったときは、すみやかに報告する
- 紛失時はすみやかに報告する
- 名義人以外は利用しない
- 未使用時は返却する
- 違反時にはペナルティがある
一人ひとりがルールを遵守することを意識してコーポレートカードを利用できるよう、周知しておきましょう。
カード利用者を選定する
従業員向けカードを上限なしで発行できるコーポレートカードもあります。
枚数に上限がないからとむやみに発行すると、不正利用や紛失といったリスクが上昇します。また、従業員向けカードに年会費がかかる場合は、コストも増えてしまうため注意が必要です。
また、コーポレートカードの名義を部署にできる場合は、部署名を名義にすることで、複数枚発行することなくカードを活用できます。
カードの使い道・金額を設定する
コーポレートカードによっては、利用先や利用可能枠(限度額)を個別に設定することができます。
利用できる店舗、サービス、金額を制限することで、私的利用や第三者による不正利用のリスク軽減につながります。経費の使い過ぎも防止できるでしょう。
コーポレートカードの審査で確認されること
コーポレートカードの審査項目や審査基準は公表されていません。コーポレートカードの審査では、「法人情報や実質的支配者・管理責任者の情報」「代表者の信用情報」「企業の経営実績・財務状況」といったことを確認されることがあります。
- 本記事の審査・申込条件の情報は一般的な解説です。カードや発行会社により異なるため、実際の適用条件は各カードの公式ウェブサイトでご確認ください。
法人情報や実質的支配者・管理責任者の情報
法人に関する情報も、審査の項目になります。
法人情報の例
- 英字社名
- 本社所在地住所
- 本社所在地電話番号(固定電話)
- 資本金
- 設立年月
- 従業員数 など
実質的支配者とは、その法人の事業経営を実質的に支配できる個人を指します。
実質的支配者(代表者など)の情報の例(※)
- 氏名
- 生年月日
- 自宅住所
※ 実質的支配者が親会社などの団体の場合は団体の情報(名称、本店所在地住所)
管理責任者とは、コーポレートカードの責任者となる人を指します。
管理責任者の情報の例
- 氏名
- 部署名、役職
- 勤務先電話番号(固定電話)
- 生年月日
- 自宅住所
- Eメールアドレス
代表者の信用情報
信用情報とは、クレジットカードやローンの利用状況、返済状況のことです。信用情報は信用情報機関に登録・管理されており、審査時に確認されています。
信用情報の例
- ローンやクレジットの新規申し込みや契約内容
- 借入件数
- 借入金額
- 返済状況
- 返済遅延や債務整理などの過去トラブル
企業の経営実績・財務状況
企業の経営実績や財務状況も、コーポレートカードの審査で確認される項目です。
創業年数が長い企業は、社会的信用があると判断され、審査で有利になる可能性があります。しかし、創業年数の長さだけで審査結果が決まるわけではなく、ここまで紹介してきた情報などを総合的に判断しています。
そのため、創業年数が短くても財務状況が安定している企業は、審査に通過できるかもしれません。一方で、創業年数が長くても赤字が続く企業の場合、コーポレートカードが発行できないこともあるでしょう。

コーポレートカードの審査を徹底解説!導入前に知るべきポイント
大規模企業・官公庁向けの会社決済型カード「JCBコーポレートカード」
大規模企業や官公庁を対象とした「JCBコーポレートカード」は、企業年会費33,000円(税込)、個人年会費が無料のコーポレートカードです。
従業員向けカード、ETCカードも年会費が無料で、発行手数料も無料です。いずれも発行枚数に上限はないため、複数の従業員がクレジットカードやETCカードを活用する企業でも活用できます。
利用金額の支払日は、自動振替であれば毎月15日締切、翌月10日支払いですが、振り込みの場合は、翌月または翌々月で指定した日に設定することも可能です。
国内・海外の旅行傷害保険、国内の主要空港およびハワイ・ホノルルの国際空港内にあるラウンジを無料で利用できる「空港ラウンジサービス」が付帯されており、国内外で出張の機会がある企業にも便利です。
JCBコーポレートカードをはじめとする、法人カードの導入事例は、こちらで紹介しています。
JCBコーポレートカードと自動連携できる経費精算システム
「JCBコーポレートカード」と経費精算システムを自動連携することで、カードの利用明細が自動的に記録され、経理作業の効率化、ガバナンス強化、ペーパーレス化につなげられます。自動連携できる経費精算システムは、次の通りです。
- Concur Expense
- 楽楽精算
- AJOR FLOW 経費精算/支払依頼
- ビズバンス経費精算
- HRMOS経費
- マネーフォワード クラウド経費
- ジンジャー経費
- バクラク経費精算
- STAFee(スタフィー)
- TOKIUM
入会前から導入に関するサポートを実施
「JCBコーポレートカード」は、企業向けに新規導入のサポートも行っています。
貴社に適したカードの運用方法などを提案しているため、導入前にもぜひご相談ください。カードの概要は資料請求でも確認できます。
大規模企業・官公庁向け「JCBコーポレートカード」ご入会に関するお問い合わせ
請求書の一本化で業務を効率化!「JCBパーチェシングサービス」
パーチェシングサービスとは、広告費や公共料金など、実店舗以外の支払いに特化したサービスです。「JCBパーチェシングサービス」はカード番号のみが発行されるカードレスで、非対面決済や登録型決済に利用できます。
部署ごとにカード番号を発行できることから、部署別のコスト管理が可能で、煩雑化しやすい経理作業の効率を高められるでしょう。
コーポレートカード同様、個別に利用先や利用金額を設定できるため、経費の使い過ぎ防止、ガバナンス強化に役立ちます。
「JCBパーチェシングサービス」の企業年会費はウェブからの申し込みで無料、紙申込の場合は33,000円(税込)、個人年会費は無料です。
自社にあう法人カードを知るなら「法人カード診断ナビ」
「JCBコーポレートカード」は大規模企業や官公庁向けですが、JCBでは中小企業向けの「JCB法人カード」も提供しています。
企業ごとに、規模や求めるサービスは異なるため、最適な法人カードを選択することでメリットを得やすくなります。「JCB法人カード」にはポイントシステムがあり、ポイントを活用した経費削減も期待できるでしょう。
自社にあう法人カードを探したい方は、法人カード診断ナビをチェックしてみてください。
よくある質問
-
コーポレートカードと法人カードの違いはなんですか?
-
コーポレートカードは法人カードの一種です。
法人カードには、大規模企業や官公庁を対象とした「コーポレートカード」、主に個人事業主や中小企業を対象とした「ビジネスカード」があります。
コーポレートカードとビジネスカードの総称が「法人カード」です。 -
コーポレートカードでETCカードを発行することはできますか?
-
ETCカードの発行可否は、コーポレートカードによって異なります。
「JCBコーポレートカード」は、ETCカードを発行することができます。 -
コーポレートカードの審査ではどのようなことが確認されますか?
-
コーポレートカードの審査項目や審査基準は公表されていません。コーポレートカードの審査では、「法人情報や実質的支配者・管理責任者の情報」「法人代表者の信用情報」「企業の経営実績・財務状況」といった情報を確認することがあります。
それぞれの情報は「コーポレートカードの審査で確認されること」で解説しています。 -
コーポレートカードを個人利用することはできますか?
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コーポレートカードは「会社決済型」と呼ばれる、企業の法人口座から利用金額を引き落とされるタイプが一般的です。そのため、コーポレートカードを使った私的な支払いは避けるようにしましょう。
ただし、利用金額が従業員個人の口座から引き落とされる「個人決済型」の場合は、私的な利用が可能な場合があります。コーポレートカードの取扱は、社内規定に従って利用しましょう。 -
コーポレートカードにデメリットはありますか?
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コーポレートカードによる明確なデメリットはないといえますが、年会費などのコストがデメリットになる場合があります。
ただし、コーポレートカードを導入することによる、経理作業の効率化やガバナンス強化、ペーパーレス化などが実現できます。活用方法次第でデメリットのカバーが可能で、メリットのほうが大きく感じられるでしょう。 -
個人決済型カードで審査に落ちた理由は会社にわかってしまいますか?
-
個人決済型コーポレートカードの場合、審査の対象が従業員個人になることがあります。従業員の信用情報によっては、審査に通過することができず、コーポレートカードを発行できない可能性もあります。
審査に落ちてしまった理由は、申込者本人、企業ともに通知されることはありません。
従業員50名以上の大規模企業向け
経理・財務担当者の課題を一度に解決

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- 掲載内容は予告なく変更となる場合があります。
- 【監修者】
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氏名:高柳政道(たかやなぎ まさみち)
資格:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、DCプランナー2級一級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得後、2020年5月に金融コラムニストとして独立。企業に属さないFPとして投資商品の選び方を中心に情報を発信。
資産運用・生命保険・相続・ローンなど、多岐に渡るジャンルの執筆及び監修業務を手掛け、関わった記事数は500を超える。
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コーポレートカードは主に大企業が対象の法人カードです。従業員が備品購入費や出張費の立て替え払いをすることがなくなり、月末の経理事務の軽減が期待できます。また、事業規模が大きい企業は利用限度額が大きい傾向にあり、「カード払いができず結局は現金の立て替え払いが必要になった」といった、経理部門や営業担当の負担が発生しにくくなっています。